基本情報
- 原題:Eternals
- 監督:クロエ・ジャオ
- 脚本:クロエ・ジャオ、パトリック・バーリー、ライアン・フィルポ、マシュー・フィルポ
- キャスト:ジェンマ・チェン、リチャード・マッデン、アンジェリーナ・ジョリー
- 公開日:2021年10月24日、ローマ映画祭にてプレミア上映
- 上映時間:2時間37分
- 製作国:アメリカ
映画『エターナルズ』はMCUの26作目、フェーズ4では3作目となる長編映画です。
タイトルの「エターナルズ」とはデヴィアンツと呼ばれる怪物たちから人間を守るために作られた不老不死の超人たちの種族です。
映画の時系列は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の直後。アベンジャーズがサノスに消された宇宙の生命の半分を蘇られせたときのエネルギーの副作用で「エマージェンス」と呼ばれる危機が発生します。
この人類存亡の危機を防ぐため、地球上に散らばって普通の人間に混じって暮らしていたエターナルズが再び力をあわせて戦う物語です。
10人のエターナルズ役を演じるのはアンジェリーナ・ジョリー、サルマ・ハエクといった大スターからリチャード・マッデンなど人気急上昇中の若手まで集めた超豪華キャスト。
監督を務めるのは『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞したばかりのクロエ・ジャオです。
映画『エターナルズ』本編プレビュー
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映画『エターナルズ』の登場人物・キャスト
あらすじに入る前に映画『エターナルズ』の登場人物を種族に分けて簡単にご紹介します。見出しは「役の名前:俳優の名前」の順番です。
エターナルズ
MCUに登場する10人のエターナルズのメンバーの性格や能力については以下の記事で詳しく解説していますので、ここでは簡単に紹介するだけにしておきます。
セルシ:ジェンマ・チェン
セルシは物質を変換する力を持ったエターナルです。彼女はイギリスで学校の先生になり、デーン・ウィットマンという普通の人間のボーイフレンドがいます。
しかし、彼女は何千年も前からエターナルズの仲間であるイカリスとくっついたり離れたりしています。
原作コミックのセルシのキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
イカリス:リチャード・マッデン
イカリスは眼から強力な光線を発することで、スーパーマンと間違われることもあるエターナルです。
原作コミックにおけるイカリスというキャラクターについての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
キンゴ:クメイル・ナンジアニ
キンゴはインドでボリウッドスターになったエターナルです。
原作コミックのキンゴは日本に江戸時代から暮らしています。原作コミックのキンゴというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
スプライト:リア・マクヒュー
スプライトは思春期に差し掛かった子どもの姿をしたエターナルで、大人になることを夢見ています。スプライトはセルシがイカリスと別れた後、彼女と行動をともにしています。
原作コミックのスプライトというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
ファストス:ブライアン・タイリー・ヘンリー
ファストスは科学者、発明家の役割を果たすエターナルです。普通の人間の男性と結婚して子どもがいます。
マッカリ:ローレン・リドロフ
マッカリは耳が聞こえませんが高速で移動できます。マッカリはエターナルズの宇宙船のなかでひとりで暮らしています。
マーベル・コミックスにおけるマッカリというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
ドルイグ:バリー・コーガン
ドルイグは人の心を操ることのできるエターナルです。マッカリと仲良くなっています。
MCUのドルイグと原作コミックとの比較や解説は以下の記事をご覧ください。
ギルガメッシュ:ドン・リー
ギルガメッシュはエターナルズのなかで一番の力持ちです。ギルガメッシュはセナと一緒にオーストラリアで暮らしています。
原作コミックのギルガメッシュというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
アジャク:サルマ・ハエック
アジャクはエターナルズを作った宇宙の巨人族・セレスティアルズと交信する役割を担っており、エターナルズのリーダー的存在です。
原作コミックのアジャクというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
セナ:アンジェリーナ・ジョリー
セナは宇宙のエネルギーを槍などの武器に変えて戦う戦士です。心の病をかかえており、他のエターナルズから離れて暮らしていました。
原作コミックのセナというキャラクターについての解説は以下の記事をご覧ください。
デヴィアンツ
デヴィアンツは人間を襲う生物。映画のエターナルズはデヴィアンツから人間を守るために作られた、という設定です。
原作コミックではデヴィアンツはエターナルズと同じく人間の遺伝子を操作して作られたヒト類似の生物でした。映画に登場するデヴィアンツは動物の形のものがほとんどです。
クロ:俳優不明
デヴィアンツのリーダーであるクロは人間に近い形をしており、セナと交流があります。
原作コミックのクロはセナと恋に落ち、双子の子どもまで授かっています。
セレスティアルズ
セレスティアルズは巨大な宇宙の生命体です。声の出演などは不明ですが、テレパシーを使うため、しゃべることはほとんどありません。
マーベルのセレスティアルズの能力や特徴、歴史などについての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
アリシェム:俳優名不明
アリシェムは惑星の存続を決める「判事the Judge」の役割の赤いセレスティアルです。
ネザール:俳優名不明
ネザールは「計算者the Calculator」の役割の青いセレスティアルです。
人類
残りの普通の人間の登場人物は一覧表で紹介します。
- キンゴのマネージャ:ハリシュ・パテル
- デーン・ウィットマン:キット・ハリントン
- ファストスの夫:ハーズ・スレイマン
- 古代バビロンの密輸人(スマグラー):エザー・エルジャン
- メソポタミアの若者:ゼイン・アル・ラフィーア
あらすじ1
エターナルズとデヴィアンツの役割
セレスティアルズは巨大な宇宙の生命体で、さまざまな惑星に生命を誕生させています。
デヴィアンツはセレスティアルズによって新しい惑星の知的生命体を脅かす生物を駆除するために作られた生物です。
しかし、デヴェイアンツが知的生命体を殺すようになったため、セレスティアルはデヴィアンツを駆除するためにエターナルズを作りました。
地球にも7,000年前に10人のエターナルズが送り込まれてきます。
映画『エターナルズ』の物語は2つの時間軸で展開する
5000年前のメソポタミア、海から現れたデヴィアンツが人間に襲いかかります。そこにエターナルズが現れてデヴィアンツを倒しました。
物語は『ゴッドファーザー PART II』(1974年)のように過去と現在の2つの時間軸が並行して展開されます。
西暦1500年代にデヴィアンツを絶滅させたエターナルズは世界中に散らばって人間のなかで暮らすようになりました。
あらすじ2
デヴィアンツが復活
時代は移って現在、イギリスで学校の先生をするセルシは普通の人間のデーン・ウィットマンと交際しています。授業中に大地震が起き、セルシは落ちてきたものを砂に変えて子どもを救いました。
さらにスプライトを連れたセルシとデーンがデートをしていると、デヴィアントがセルシたちに襲いかかってきます。
彼らがデヴィアントと闘っているとイカリスが現れてデヴィアントを倒しました。
アジャクが何者かに殺されていた
彼らはエターナルズのリーダーであるアジャクを訪ねますが、彼女の死体を発見します。彼女を殺したデヴィアントは、彼女のヒーリングの力を吸収しました。
アジャクの死体から金色の小さい装置がセルシの体に入ります。この装置はアジャクがセレスティアルズと交信するのに使っていたものです。
彼らはデヴィアントに対処するため、他のエターナルズを集めることにしました。
あらすじ3
エターナルズ再結集
セナとギルガメッシュは、セナが精神の問題から仲間のエターナルズを攻撃するため、人里離れたオーストラリアに暮らしています。
ファストスは彼の夫と子どもと一緒に暮らしており、夫のすすめで協力することになりました。
マッカリはエターナルズの宇宙船で暮らしていました。キンゴはエターナルの力を利用してインドで有名なボリウッド・スターになっています。
ドルイグは人類に希望を見いだせず熱帯雨林の小さな集落に人を集めて彼らを洗脳しています。熱帯雨林でデヴィアントと闘っているときにギルガメッシュは殺されます。ギルガメッシュを吸収したデヴィアントの姿は人間に近づいてきました。
セレスティアルズの本当の目的
セレスティアルズと交信したセルシは、デヴィアンツとエターナルズはともにセレスティアルズによって作られたものであり、エターナルズは高度に発達したロボットであることを知ります。
セレスティアルズは惑星に成長するまで計り知れない歳月が必要なセレスティアルズの卵を植え付けます。セレスティアルズの成長の栄養となるのは惑星上の知的生命体で、エターナルズの役目はデヴィアンツが知的生命体を殺さないよう駆除することです。
セレスティアルズの出現(エマージェンス)の後、エターナルズは記憶を消去されて別の惑星に送られます。セナの精神障害の原因は、彼女の記憶が完全に消去されなかったことです。
エマージェンスとは
地球のなかで成長したティアマトというセレスティアルは今まさに地上に出現しようとしており、度重なる地震はその前兆でした。セレスティアルが出現すると惑星はそこに住むすべての生命体とともに破壊されます。
これこそアジャクが予言した「エマージェンス」と呼ばれる事態だったのです。
あらすじ4
ユニ・マインドでセレスティアルを眠りにつかせる
ファストスはドルイグがエターナルズ全員のエネルギーをまとめるユニ・マインドを行うための装置を考案します。彼らはユニ・マインドでティアマトを再び眠りにつかせる計画です。
この計画に対してイカリスはセレスティアルズの計画を知っていたため、何百年も前にエターナルズのグループを離れたことを告白します。アジャクを殺した犯人もイカリスです。アジャクはエマージェンスを阻止して地球を救おうとしたためイカリスに殺されたのです。
この衝撃の告白でエターナルズの間でケンカがはじまります。イカリス、スプライトとキンゴはファストスたちに反対しますが、キンゴは他のエターナルズと戦うことを拒否しました。
ファストスたちはティアマトが出現する場所に向かい、ユニ・マインドを行おうとしますが、イカリスが邪魔してドルイグが負傷します。ティアマトの手と頭がインド洋に出現したとき、ドルイグのかわりにセルシはファストスの装置を利用して自らの力を強化し、ティアマトを大理石に変えてしまいました。
宇宙に旅立つエターナルズ
イカリスは太陽に向かって飛び去ります。セルシは残っていた力を使ってスプライトを普通の人間に変えました。
セナ、マッカリ、ドルイグはエターナルズの宇宙船で地球を去り、他の惑星にいるエターナルズを見つけて破壊のサイクルを断つことにします。
デーンはセルシへの変わらぬ愛を告白します。セルシ、キンゴ、ファストスは地球に残りますが、アリシェムによって宇宙に引き上げられました。アリシェムは今回は人類を救うと決定し、再び地球を訪れて最後の審判を下すときのためエターナルズの記憶を分析すると言います。
映画『エターナルズ』の結末やミッド=クレジット・シーンまたはポスト=クレジット・シーンのネタバレも含むくわしい解説は以下の記事をご覧ください。
映画『エターナルズ』のポスト=クレジット・シーン
映画『エターナルズ』のミッド=クレジット・シーンまたはポスト=クレジット・シーンは2つ。
どちらのシーンもMCUに新たなヒーローを導入する重要なものです。
ポスト=クレジット・シーン1:エロス/スターフォックス登場
エターナルズの宇宙船でピップ・ザ・トロールが現れスターフォックスを紹介します。スターフォックスはセナたちが他のエターナルズを探すのを手伝うためにやってきました。
原作コミックでエロス/スターフォックスはタイタンに移住したエターナルズの子孫で、サノスの弟です。
サノスの生みの親・ジム・スターリンは2018〜2019年の間に『Thanos: The Infinity Sibilings』『Thanos: The Infinity Conflict』『Thanos: The Infinity Ending』と3冊のグラフィック・ノベルを出しています。
このグラフィック・ノベルでピップとスターフォックスのコンビはサノスの暴走を止めるため、征服者カーンの技術を盗んで時空を駆け巡っていました。
MCUでサノスやカーンを巻き込んだ壮大なスケールのマルチバースの物語が始まるのか、今後の展開が気になります。
このポスト=クレジット・シーンに登場するエロス/スターフォックスというキャラクターに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
ポスト=クレジット・シーン2:ブラックナイト登場
デーンは古い箱を前にして開けるかどうか迷っています。すると、彼に話しかける声が聞こえ始めました。
デーンの家は過去に何人もブラック・ナイトと呼ばれるヒーローを送り出してきた家系です。
彼らの魔法の剣は古代の隕石・スターストーンから魔術師・マーリンが作ったエボニー・ブレード。
MCUでデーン・ウィットマンが将来ブラック・ナイトとして活躍する可能性を示していると思われます。