生い立ち
セルシは地球のエターナルズが住む都市のひとつであるオリンポスで成長しました。
人間の世界で活動することの少ない他のエターナルズと異なり、セルシは子どものときから人間と交流することを楽しむ性格でした。
このため、彼女は人類の有名な歴史家や詩人のインスピレーションの源泉となっています。
セルシは古代ギリシアの詩人ホメロスやアーサー王の魔術師・マーリン、若き日のソー、タイムトラベルで過去の世界に来たキャプテン・アメリカなどと交流がありました。
ギリシアの英雄・オデッセウスも故郷に帰る旅の途中でセルシに遭遇。彼女はオデッセウス一行のためにパーティを開きますが、行儀の悪い彼の家来を豚に変えてしまいます。
このエピソードはホメロスの叙事詩『オデッセイ』のなかに魔女・キルケーのエピソードとして取り上げられました。
パーティが大好きなセルシは、20世紀以降ニューヨーク・シティでパーティガールとして暮らしています。
能力
エターナルズは宇宙の神のような種族であるセレスティアルズによって作り出された超人の種族で、一連の超人的能力を持っています。セレスティアルズとエターナルズの関係についての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
コミックのセルシは、超人的な力、物質の変換、テレパシー、テレポーテーション、エネルギー光線、空を飛ぶといったエターナルズの基本的能力を持っています。
なかでもセルシは物質を変換する能力が他のエターナルズを凌駕しています。物質の変換はセルシが味方を助け、敵を弱体化するのに最も重要な能力です。
ピストルをゴムに変えて使えなくしたり、気に入らない人間を豚に変えたりするのは朝飯前。キャプテン・アメリカをティーンエージャーに変えることさえやってのけます。
有名なエピソード
アベンジャーズに参加
セルシがマーベル・コミックスの世界で最も活躍したのは、1980年代から1990年代にかけて、アベンジャーズの一員となったときです。
彼女の物質を変換する能力に感服したキャプテン・アメリカは、彼女にアベンジャーズに加わることをすすめます。
この申し出を受け入れたセルシはアベンジャーズに参加。やがてデーン・ウィットマン/ブラック・ナイトと恋に落ちました。
デーン・ウィットマンとの関係
ですが、セルシはエターナルズ特有の病気・マード・ウィリーにかかってしまいます。この病気は人間の痴呆症にたとえられ、何千年もの記憶の蓄積で精神のコントロールが失われる病気。MCU映画『エターナルズ』ではセナがこの病気にかかっていました。
その治療法は記憶を完全に消去、つまり殺してしまう(クレンジング)か、安定した精神の人物と結びつける(ガン・ジョシン)こと。ブラック・ナイトとセルシの関係を知っていたスプライトはブラック・ナイトとセルシを結びつけることを提案します。
この提案をイカリスがすかさず実行に移し、2人は結ばれました。ですが、当時ブラック・ナイトにはクリスタルという別の恋人がいたため、彼はこの決断に不満を持つことになります。
その後、セルシとブラック・ナイトはアベンジャーズとともにプロクターと闘いました。プロクターを倒したものの、病気が進行してきたセルシとブラック・ナイトはマーベル・コミックスの世界からしばらく姿を消すことになります。
MCUのセルシ役はジェンマ・チャン
この記事ではマーベルの『エターナルズ』のメンバー・セルシの生い立ち、能力、有名なエピソードを原作コミックから紹介しました。
最後にMCUでセルシ役を演じる女優を簡単に紹介しておきます。
MCU映画『エターナルズ』でセルシ役を演じるのは中国系イギリス人の女優、ジェンマ・チャンです。
1982年に中国人を両親にイギリスで生まれたチャンは、2015年にドラマ『ヒューマンズ』の主人公のアンドロイド役で注目されるようになりました。
その後彼女は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの冒険』(2016年)や『クレイジー・リッチ!』、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(ともに2018年)などの話題作に次々と出演して世界的に有名になります。
実は彼女がMCU作品に出演するのは『エターナルズ』が初めてではありません。『キャプテン・マーベル』(2019年)でン・エルヴァを演じています。
MCUでひとりの俳優が別の映画で別の役を演じるのは異例のこと。とは言え、前回は青い肌のクリー人の目立たない役で最後は死んでしまったため、再起用もそれほど不自然ではありません。