「ワイルド・スピード」シリーズ最強の敵女:サイファーって誰、何者?
「ワイルド・スピード」シリーズに登場するサイファーは犯罪組織とつながりの深いサイバーテロリスト。天才的なハッカーであると同時に銃火器を使うこともでき、冷酷な策略家でもあります。
サイファー役を演じるのは『アトミック・ブロンド』などアクション映画にも積極的に出演するオスカー女優・シャーリズ・セロン。日本語版の声優は田中敦子です。
『ワイルド・スピード/ICE BREAK』までの黒幕:ローズとの関係
サイファーはシリーズ8作目「ICE BREAK」で初登場します。しかし、この映画におけるデッカード・ショウのセリフから、彼女が6作目と7作目の黒幕でもあったことがわかります。
ナイトシェード:「EURO MISSION」
デッカードの話では、サイファーはまず「ナイトシェード」と呼ばれる装置を作る部品をデッカードの弟・オーウェンに盗ませています。これはシリーズ6作目「EURO MISSION」でオーウェンがモスクワで何億円もの価値があるコンピュータ・チップを盗んだことを指しています。
「ナイトシェード」とは電磁パルス砲や電磁波パルス爆弾のようなもので、一定地域の軍隊の通信を24時間遮断する装置です。
ゴッド・アイ:「SKY MISSION」
シリーズ7作目「SKY MISSION」では、世界中の情報網から瞬時にデータを入手できるプログラム「ゴッド・アイ」の争奪戦が物語の軸でした。
「ゴッド・アイ」とその開発者であるラムジーを付け狙っていたのがモーゼ・ジャカンデイ率いる民間軍事組織です。
このジャカンディとサイファーの右腕・コナー・ローズの間につながりがあったことを、「ICE BREAK」の後半でラムジーが明かしています。
つまり、サイファーこそローズを使ってシリーズ6作目と7作目の事件を引き起こした真の黒幕だったのです!
『ワイルド・スピード/ICE BREAK』での悪事【ネタバレ注意】
サイファーはシリーズ8作目「ICE BREAK」で初めて姿を現し、本格的に活動を始めます。
ドムの元カノ・エレナを人質にとって脅迫
核戦争を始めることを計画するサイファーは、ハネムーン中のドミニク・“ドム”・トレットにキューバで接近して自分の部下になることを要求します。ドムは応じる気はまったくありませんでしたが、彼女に「ある写真」を見せられると表情が一変しました。
その写真はドミニクの元カノ・エレナと彼女の間に授かった息子・マルコスが写ったもの。サイファーは彼らを人質に取ってドミニクを従わせたのです。
ロシア国防大臣から核ミサイル発射コードを奪う
サイファーの目的はロシア国防大臣が持つ核ミサイルの発射コード。ニューヨークでコンピュータの知識を使ってあらゆる車に対してクラッキングを行い、ロシア国防大臣を追いかけます、最後にはビルの上から何台も車を落下させて彼の乗ったリムジンを追い詰めました。
そこをドミニクが襲撃、ロシア国防大臣から核ミサイル発射コードを手に入れます。
しかし、ドミニクの動きを察知したファミリーが彼に立ちふさがり、レティが発射コードを奪います。ドミニクは妻であるレティに手出しをできませんが、ローズが発射コードを奪い返しました。
ドムの裏切りの報復にエレナを殺させる
その後、アジトでサイファーはドミニクがレティを攻撃することに躊躇したことの報復として、彼の目の前で部下にエレナを殺させます。
潜水艦を奪う
次にサイファーはドミニクにロシアの潜水艦を強奪させます。ファミリーは潜水艦の基地に侵入してチップの奪還に成功、核ミサイル発射をくい止めました。
さらにショウ兄弟がサイファーの飛行機に侵入してドミニクの息子を奪還します。それを聞いたドミニクはローズと交戦、エレナの仇を討ってファミリーと合流しました。
そこにサイファーの操る潜水艦が氷の下から姿を現します。しかし、潜水艦から発射されたミサイルをドミニクはうまく誘導し、逆に潜水艦に命中させます。
パラシュートで脱出
一方、デッカードに追い詰められたサイファーはパラシュートで飛行機から逃亡したのでした。
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』【ネタバレ注意】
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』のネタバレも含む詳しいあらすじはこちらの記事をご覧ください。
「ジェットブレイク」までの間:オットーと手を組む
「ICE BREAK」と「ジェットブレイク」の間のある時点で、サイファーはミスター・ノーボディに捕まっていました。しかし、世界中のコンピュータを乗っ取ることができるプロジェクト・エリーズを狙うオットーとジェイコブ・トレットがミスター・ノーボディの乗った飛行機を捕獲したとき、サイファーも一緒に捕まります。
ドムの弟を味方にしようとするが失敗
オットーのアジトでガラス張りの檻に閉じ込められたサイファーはジェイコブを味方につけようとしますが、ジェイコブは彼女の挑発にのりません。サイファーはプロジェクト・エリーズの残り半分がエジンバラにあることを突き止めます。
エジンバラでジェイコブがドムたちに捕まったため、オットーはサイファーと協力してジェイコブをドムたちの基地から救出します。彼らは同時にプロジェクト・エリーズの残り半分とエリーズ開発者の娘・エルを奪取していきます。エルのDNAがプロジェクト・エリーズの解読コードです。
世界中のコンピュータをプロジェクト・エリーズに感染させるため人工衛星を打ち上げたオットーたちは、トビリシで装甲トラックからデータを送信します。しかし、ドムたちがその装甲トラックを襲撃し衛星も破壊してオットーの計画を阻止しました。
サイファー死亡か?
このとき戦闘機を操縦したサイファーはオットーの乗るトラックと一緒にドムを殺そうとしますが、ドムが間一髪で逃げたためオットーだけを殺してしまいます。
トラックの爆発に巻き込まれてサイファー死亡か?と思われましたが、オットーの基地からリモートでドローン戦闘機を操縦していたサイファーは、何事もなかったかのように去っていくのでした。
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
サイファーは2023年5月19日に全米公開が予定される「ワイルド・スピード」シリーズ第10作目に登場することが決定しています。
2022年4月23日(現地時間)にサイファー役を務めるシャーリーズ・セロンは、インスタグラムに公開した撮影舞台裏の白黒画像で、前作とはガラリと変わった髪型を披露。一方、スタリッシュな衣装は相変わらずです。
脇においてあるボディアーマーのようなものを着た人形が、何とも思わせぶり。シリーズの特徴となった奇想天外なアクションに期待が高まります。
「ジェットブレイク」の結末から、第10作目でもサイファーが登場することは予想されました。しかし、第10作目の悪役はジェイソン・モモアであると予告されているため、サイファーがどのような役割を果たすか、謎に包まれています。
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』予告編
3分25秒あたりからサイファーとレティの格闘シーンが観られます。
サイファーの性格
サイファーは目的のためには手段を選ばない非情で残虐な性格。相手の弱みを握って人を操り、自らは黒幕として裏から糸を引くことを好みます。
この冷酷な性格は、「ICE BREAK」でドムを脅迫するために誘拐した彼の息子の眼前で、その母親を部下に殺させていることに最もよく現れています。
このような性格のサイファーは家族などに価値を見出すことはなく、あらゆるものを自分の目的を達成する手段としかみなしていません。
サイファーの能力
サイファーの能力としては、まずプログラミングの知識があげられます。その知識はゴッド・アイの開発者であるラムジーに勝るとも劣らないものです。
サイファーはコンピュータの知識のほかに、戦略、心理、銃火器の扱いに関する知識を持っています。
戦略的には状況を素早く判断して、敵に先んじて攻撃することが得意です。
サイファーは人の心理を巧妙に操作する能力を持っています。自分の計画の邪魔になる人物は情け容赦なく切り捨てることも躊躇しないメンタリティです。
サイファーは銃火器や爆発物をある程度扱うことができます。ミスター・ノーバディの拠点に突入するときには脳震とうを起こさせる手榴弾を使っていました。車の運転や飛行機の操縦も得意です。
サイファーを演じる女優:シャーリーズ・セロン
Embed from Getty Imagesサイファー役を演じるのは人気ハリウッド女優のシャーリーズ・セロンです。
セロンは1975年、南アフリカ共和国に生まれました。16歳の時にモデルコンテストで優勝した後、ミラノやパリで活動しています。
映画デビューは1996年に公開された『2 days トゥー・デイズ』で、このときデビュー早々トップレスの演技を披露しています。
その後、ドラマやサスペンス、アクションなど、さまざまなジャンルの作品に出演し、トップ女優としての地位を築きました。
2003年に公開された『モンスター』で実在の連続殺人犯アイリーン・ウォーノスを演じ、アカデミー主演女優賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)などを受賞しました。
セロンは2010年代になっても積極的にアクション映画に出演しています。2010年代のアクション映画の代表作としては『アトミック・ブロンド』や『オールド・ガード』があげられます。
サイファーを演じる声優:田中敦子
「ICE BREAK」と「ジェットブレイク」の日本語吹き替え版でサイファー役を務めた声優は1962年生まれ、群馬県前橋市出身の田中敦子です。
彼女は洋画作品の吹き替えでは、ニコール・キッドマンをはじめ、ケイト・ベッキンセール、レイチェル・ワイズ、グウィネス・パルトロー、ジェニファー・ロペス、モニカ・ベルッチなどを主に担当しています。
なかでもニコール・キッドマンがこれまで吹き替えた女優のなかで最も印象的であったそうです。
サイファーに焦点を置いたスピンオフ作品が計画中!
2021年にヴィン・ディーゼルが「ワイルド・スピード」シリーズのライター・ルームにサイファーに焦点をおいたスピンオフ映画の製作を依頼したと報道されています。
「ワイルド・スピード」シリーズで2021年現在計画されている作品は、メインシリーズ第10弾と第11弾、スピンオフ「スーパーコンボ」の続編、女性を主人公にしたスピンオフです。
米Varietyの報道によれば、シャーリーズ・セロンは『オールド・ガード』の続編の脚本が完成したことに加えて、サイファーを主人公にした単独作品の計画が進行中であることを確認したそうです。
サイファーのスピンオフについては2023年2月の時点でこれ以上の情報はありません。今後の追加情報に期待しましょう!