【ネタバレ】映画『劇場版ドクターX』、大門未知子の秘密とは?

2024年12月24日火曜日

ドラマ ヒューマンドラマ

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『劇場版ドクターX』ポスター
この記事では、映画『劇場版ドクターX』で明かされる、主人公・大門未知子の誕生秘話について解説します。

映画『劇場版ドクターX』の概要

人気ドラマシリーズの初映画化

12月6日に公開される映画『劇場版ドクターX』は、米倉涼子主演のテレビ朝日の人気ドラマシリーズ「ドクターX~外科医・大門未知子~」を初めて映画化した作品です。

『Doctor-X 外科医・大門未知子』は、さまざまな病院を渡り歩く孤高のフリーランスの外科医・大門未知子の活躍を描くテレビドラマシリーズです。大門の決めゼリフ「私、失敗しないので」が有名になりました。

このドラマは、2012年からテレビ朝日系「木曜ドラマ」枠(木曜 21:00 - 21:54)で放送されています。放送開始から10年間で第7シリーズまで製作され、高視聴率を連発してきました。

この映画で「ドクターX」シリーズは完結するため、ポスターには「FINAL」の文字も見られます。また、劇場公開に先駆けて行われるイベント『ドクターX感謝祭』は、「最初で最後のファンミーティング」と銘打たれています。

米倉涼子の強い思い入れで実現

主演の米倉は、「ドクターX、そして大門未知子は切っても切り離せない米倉涼子の一部です」と語るほど、「ドクターX」シリーズは思い入れの強い作品。今回の映画化も、彼女の強い思いで実現しました。

このことについて米倉は、「映画化については、私が大きな画面でドクターXを見てもらいたいと思いプロデューサーとお話しして実現できました」と語っています。

さらに米倉は、「私たちの12年の思いがこもった作品になっています。ぜひ劇場でご覧ください」と呼びかけています。

おなじみのキャスト、スタッフが結集

脚本は、フジテレビ「やまとなでしこ」やNHK「花子とアン」などで知られる中園ミホ。監督は、テレ朝の田村直己が劇場版でもタッグを組みました。

内田有紀、勝村政信、遠藤憲一、岸部一徳、西田敏行といった、おなじみのレギュラーメンバーも集結。撮影は2023年9、10月と2024年3、4月にかけて行われています。

加地秀樹役の勝村は撮影を振り返って、「久しぶりの撮影でしたが、昨日も撮影していたような、時間がたっていた感覚はありませんでした」と述べました。

西田敏行の遺作の映画に

大門の宿敵、蛭間重勝を演じる西田敏行は、2024年10月17日に急逝したため、本作は西田の遺作の映画となってしまいました。

生前西田は本作について、「わたくしのちょっと悪人ぶりもちょっとスケールが大きくなっているかなと思うので、蛭間の悪さを感じていただければ、笑いも少しは起こるんじゃないでしょうか」と語っており、西田敏行の最後の演技にも注目したいです。

映画『劇場版ドクターX』の概要【ネタバレなし】

公式サイトより引用。

フリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は某国の大統領の命を救うため日本を離れていた。

その頃、東帝大学病院では、若き新病院長・神津比呂人(染谷将太)が現れる。比呂人は凄腕の外科医で政財界にも顔が利き、双子の弟・多可人(染谷将太)は医療開発会社で資金のバックアップもある。徹底的な合理化の大号令がかかり、次々とクビを切られる医師や看護師たち。

かつての同僚・森本(田中圭)に東帝大学病院に呼び戻された未知子は、比呂人と意気投合するが、未知子の師匠・晶(岸部一徳)と出会った比呂人は顔色を変える。比呂人が東帝大にやってきた本当の狙いとは!?

一方、森本は未知子の過去を探りに単身、広島・呉に飛ぶ。そこで森本は、大門未知子の誕生の秘密を知ることに。美知子、晶、比呂人の過去が絡み合う中、美知子は史上最大の危機に直面!

医師免許の剝奪も覚悟し、"悪魔のオペ"に挑む――。「どんなに厳しいオペでも患者を見捨てない」かつて晶が話していた言葉を胸に――。

大門未知子の誕生の秘密とは

劇場版で描かれるのは、「ドクターX」の“エピソードゼロ”と言える内容です。

大門未知子の現在までの来歴は、これまでTVドラマで断片的にしか明かされてきませんでした。

未知子の父・大門寛は、「神原名医紹介所」の所長・神原晶(岸部一徳)や、第1シーズンに登場した毒島隆之介(伊東四朗)と同期の外科医で、未知子と同じく天才的な技倆の持ち主でした。

ところが、大学病院を退職後、小さな診療所を営んでいた寛は、政治的な逆恨みから毒島に診療所を潰されてしまう破目に。さらに、寛は診療所閉鎖から程なくして他界。その後、残された未知子は、神原に医療技術を教えられ、父と同じ外科医の道を歩んでいくことになったのです。

映画では、未知子に憧れる森本が、未知子の故郷で彼女の幼少期のことを地元の人たちに聞いて回ります。

「私、失敗しないので」と言う瞬間に注目して!

米倉は、劇場版の見どころについて「大門未知子が『私、失敗しないので』と言うまでの展開と、言う瞬間にも注目していただけると嬉しいです」とコメントしています。

このように本作は、外科医・大門未知子と彼女の名ゼリフの誕生秘話を描く内容と言えるでしょう。

つまり、父の残した多額の借金を抱えて途方に暮れていた未知子が、“絶対に失敗しない外科医”にまで成長し、あの名ゼリフが誕生する過程を描く物語と考えられます。

あの名台詞の誕生秘話

「私、失敗しないので」という言葉は、患者に安心感を与えるだけでなく、自分自身を奮い立たせるための言葉でもあったことが、今回の映画で明らかにされます。その背景には、若き日の未知子と、彼女を支え導いた神原晶との深い絆が存在しました。

医師としてまだ未熟で自信がなかった頃、未知子の潜在的な才能を見抜いたのが神原晶でした。未知子が困難な状況下で手術を成功させた際、晶は「自分を信じられなければ、患者を救うことはできない」と彼女に伝えます。

その言葉を胸に刻んだ未知子は、手術のたびに「失敗しない」と自らに言い聞かせることで自信を確立し、患者にも安心感を与えるようになりました。この言葉は、医師としての決意と自己暗示の二つの意味を持つようになったのです。

さらに劇場版では、この言葉が単なる口癖を超え、重みのあるメッセージとして描かれます。晶との対話から生まれたこの言葉は、未知子自身の信念を体現する象徴となり、患者に寄り添い、安心をもたらす力強い支えとなったのです。

神原晶、死亡か?シリーズ史上最悪の危機に挑む

今回の映画では、神原晶の今まで知られなかった過去や彼の病気が明らかにされます。

神原晶の知られざる過去

30年前、晶は、神津比呂人と多可人の双子(染谷将太の1人2役)が生まれてくるとき、2人を取り上げる手術を担当していました。しかし、当時はまだ確立されていない術式で行われたため、多可人にだけ障害が残り、下半身不随になってしまいました。

そのことで比呂人は、晶を恨み続けることになります。一方、多可人は、手術を繰り返したにもかかわらず心臓が弱っていき、ついに脳死状態になってしまいます。

神原晶、脳梗塞で危篤に

比呂人は、晶と再会したときにそのことで彼を激しく責めます。その時、晶は、脳梗塞で倒れてしまいました。比呂人は、晶を恨んでいたため、彼をその場に放置し、晶は意識不明に陥ることになります。

一方、比呂人は、その後乗っていた車を爆破され、彼もまた瀕死の状態に陥ります。

爆破された理由は、医療機器メーカーのCEOである多可人が取引先を切ったこと、その逆恨みでした。実は多可人は、すでに日常生活を送ることもままならなかったので、取引先を切ったことは、比呂人が多可人に代わってやったことだったのですが…

未知子は、晶と比呂人のどちらを救うのか、というのがこの映画のクライマックス、シリーズ最大の危機です。

シリーズ最大の危機に立ち向かう未知子

未知子は、まず、比呂人に多可人の肝臓と右腕を移植しました。しかし、比呂人は心停止になってしまいます。そこで、今度は晶の心臓を比呂人に移植することにします。

未知子は、かつて晶が自分の身を捧げてでもテロリストを治す姿を見ていたため、「晶さんならこうする」とまわりの反対を押し切って、この危険な手術を敢行しました。

結び、ハッピーエンド

まだ生きている人から心臓を抜き取ることは、殺人行為に等しいため、この手術は、未知子の医師生命を断つ、悪魔の手術とも言えます。

この窮地を救ったのは、未知子の宿敵、蛭間重勝でした。蛭間は、このオペを「見ていない」と宣言して、海老名に隠蔽するよう命じたのです。

これまで蛭間は、体制維持と保身のために隠蔽を指示したり、未知子がやった手術を他の教授の手柄にしたりと、散々未知子の足を引っ張ってきました。しかし、今回蛭間は、未知子を守るために隠蔽を指示するという、一回り大きな悪役ぶりを見せてくれました。

さて、心臓を取られた晶は、これで死亡かと思いきや、何と、多可人が開発していた人工心臓を埋め込むことで、生きながらえることができました。

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