MCUのセレスティアルズを徹底解説! 映画『エターナルズ』ネタバレ注意

2023年8月28日月曜日

MCU

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セレスティアルズ、Avengers vol.1 The Final Host
この記事では映画『エターナルズ』でMCUに初登場したセレスティアルズという種族について解説します。セレスティアルズの特徴、マルチバースや生命の誕生との関係、MCU登場作品、歴史をとりあげ、まとめでセレスティアルズが地球を訪れる目的を考察します。

セレスティアルズとは

セレスティアルズは不死のコズミック・ビーイング

セレスティアルズは宇宙創生のときから存在するコズミック・ビーイングと呼ばれる不死の種族です。マーベル公式では「天界人」と翻訳されています。

映画『エターナルズ』で注目を集めるようになったマーベルのヒーローチーム・エターナルズを作り出した種族でもあります。

マーベル・コミックスのデビューは1976年、ジャック・カービーの『The Eternals』#2。

それ以来セレスティアルズは人類やX-メンの遺伝子の創生にもかかわる重要なキャラクターとして、エターナルズばかりでなくソー、X-メン、アベンジャーズの物語にも登場します。

映画『エターナルズ』のネタバレも含めたあらすじの詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

セレスティアルズの起源とマルチバースの誕生

マーベル・コミックスにおける宇宙の起源は「ザ・ファースト・ファーメント」と呼ばれる意識を持った宇宙でした。

ひとりでさみしいザ・ファースト・ファーメントは自分の家来にするため宇宙で最初の生命を作り出します。この宇宙最初のコズミック・ビーイングがセレスティアルズの起源です。

最初セレスティアルズはザ・ファースト・ファーメントに忠実に仕えていました。やがてセレスティアルズのなかに自分たちで生命を作り出し宇宙を発展させようと目論む勢力が出てきます。

この「色とりどりの反乱者たち」が勝利をおさめ、ザ・ファースト・ファーメントをバラバラにしたのがマルチバースの始まりとなりました。

宇宙で最強の種族となったセレスティアルズはさまざまなユニバースを植民地のようにして、新しい生命の進化を操作することになります。

セレスティアルズの特徴

アリシェム、The Eternals vol. 1

セレスティアルズは巨大なヒト型の生命体で、その身長は映画『エターナルズ』では200マイル(約320キロメートル)にさえなると言われています。

「色とりどりの反乱者」と最初に呼ばれていたことからわかるように、さまざまな色のアーマーに身を包んでいます。

セレスティアルズのコミュニケーション手段はテレパシーです。

他のコズミック・ビーイングとの違い

マーベル・コミックスのコズミック・ビーイングは宇宙の誕生のときから存在する、不老不死の神のような無限のパワーを持つ存在です。

ディズニープラスで配信されるMCUアニメ『ホワット・イフ』のウアトゥ・ザ・ウォッチャーもそのひとり。『ホワット・イフ』シーズン1第8話でのウルトロンとの戦いぶりから、コズミック・ビーイングがいかに強力であるかわかります。

ウォッチャーが宇宙の歴史の流れに介入しないことを誓っているのとは対照的に、セレスティアルズは積極的に歴史に介入します。

セレスティアルズは太古の昔から地球など生命のある惑星を訪れ、その進化を観察してきました。そして惑星の知的生命体が良くない方向に進化してくると、その惑星を全滅させる最後の審判を下しています。

セレスティアルズが登場するMCU作品

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)

MCU作品にセレスティアルズが初めて姿を見せた作品は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』です。

コレクターがガーディアンズに見せた映像のなかに1体のセレスティアルが写っています。

この映像ではエソン・ザ・サーチャーと呼ばれるセレスティアルがインフィニティ・ストーンの1つであるパワーストーンを使って、どこかの星の種族を絶滅させていました。

さらにコレクターが根城にしている惑星・ノーウェアは死亡したセレスティアルズの頭である、と説明されています。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』ではスター・ロード/ピーター・クイルの父であるエゴは、自らをセレスティアルだと語っていました。

しかし、彼の正体は巨大な惑星そのものだったのです。他のセレスティアルズと違っておしゃべりで、仲間のセレスティアルズとコンタクトがあるようにも見えません。

実はコミックのエゴはセレスティアルではなく、「エゴ・ザ・リビング・プラネット」という惑星型の巨大なヴィランでした。映画のエゴもコミックのエゴに似た外見です。

このためMCUのエゴがセレスティアルズに属するか、あるいは別の種族なのかはファンの間で意見がわかれています。

映画『エターナルズ』(2021年)

映画『エターナルズ』

映画『エターナルズ』にはアリシェムとネザールという2体のセレスティアルズの名前が確認されています。

アリシェムは「判事the Judge」と呼ばれる赤いセレスティアルで、惑星を存続させるかどうか最後の審判を下す役割を担っています。

ネザールは「計算者the Calculator」と呼ばれる青いセレスティアルです。

映画『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)

セレスティアルズ、『ソー:ラブ&サンダー』

映画『ソー:ラブ&サンダー』では、2体のセレスティアルズの姿が神々の集まるオムニポテンス・シティで確認されています。

この映画でちらっとだけ登場したセレスティアルズはエリシャムとザイランであると思われます。

ソーや神々とセレスティアルの関係については、以下の記事の最後で考察しました。

この記事ではMCU映画『ソー:ラブ&サンダー』にちらっとだけ登場したセレスティアルズについて考察します。

セレスティアルズが地球の生命の誕生で果たした役割【原作コミック】

ザ・プロジェニター、Avengers vol.1 The Final Host

40億年前、「ザ・ホード」と呼ばれる宇宙イナゴの害虫の群れに体を蝕まれた1体のセレスティアルが地球で死にます。

ザ・ホード、Avengers vol.1 The Final Host

このセレスティアルの体液が形成途上であった地球の土壌に染み込み、地球に生命が誕生するもとになりました。

紀元前100万年前、地球で死んだセレスティアルを探してズグレブ・ジ・アスピラントというセレスティアルが地球にやって来ます。

このセレスティアルはオーディンや石器時代のアベンジャーズによって倒され南アフリカの地中に埋められます。

2体も続けて同じ惑星で消息を絶つとさすがに怪しいとおもったのか、セレスティアルズが大挙して地球を訪れ、オーディンたちを打ち負かしました。セレスティアルズは地球の石器人のDNAを操作して、エターナルズ、デヴィアンツ、人類の3つの知的種族を作りだします。

このときからセレスティアルズは地球の知的生命体の歴史に介入し始めるのです。

セレスティアルズと地球の歴史【原作コミック】

第1波

地球などの惑星を訪れるセレスティアルズの集団は「ホスト」と呼ばれ、日本語では来航の回数によって第1波、第2波というふうに訳されます。

100万年前の第1波でセレスティアルズは地球に知的生命体を誕生させました。

エターナルズは神に近い不老不死の存在です。これに対してデヴィアンツは不安定で世代ごとに変異を続ける好戦的なヒト型の種族です。最後に両者のバランスをとって人類が作り出されました。

実はこのとき人類に植え付けられたDNAのなかにミュータントの超人的なパワーのもとになる可能性も秘められていたのです。

セレスティアルズはこの3つの知的生命体がどのように進化するか、なりゆきに任せることにして去っていきます。

イカリスなどMCUのエターナルズのメンバーの能力や性格については以下の記事にまとめています。

この記事ではMCU映画『エターナルズ』に登場する10人のエターナルズのメンバーの能力や性格を解説します。記事の最後でエターナルズのメンバー間の分類や関係もまとめました。

第2波

セレスティアルズの第2波は2万1,000年前に地球にやって来ます。

この頃エターナルズはギリシアの山の上に住んで平和な生活を送っていました。

一方、デヴィアンツはレムリア大陸を拠点に発達した技術を利用して人類を奴隷にして地球を支配していました。さらにデヴィアンツはレムリアに隣接する大陸・アトランティスに住む人類と大戦争を始める寸前に来ています。

地球の破滅を防ぐため、セレスティアルズはレムリア大陸を海底に沈め大部分のデヴィアンツを殺してしまいます。このとき巻き添えでアタランティス大陸も海底に沈没、地球の表面に大きな変化を残しました。

第3波

ソーとロキの父である北欧神話の神・オーディンは地球(ミドガルド)を自分の勢力範囲だと思っています。このためオーディンはセレスティアルズがたびたび地球を訪れて介入することが面白くありません。

西暦1,000年ころにセレスティアルズの第3波がやって来たときにもオーディンはセレスティアルズに戦いを挑みますが撃退されました。オーディンは次の第4波に備えて最終兵器・オーディンソードとデストロイヤー・アーマーの準備を始めます。

しかし、オーディンがセレスティアルズに武力で勝てないと思った女神たちは人類の最も優秀な若者12人をセレスティアルズに捧げることで地球を破壊から守る計画を立てます。

同じ頃、エターナルズは南北アメリカ大陸にアステカ、インカ、マヤといった文明をもたらし、セレスティアルズを迎えました。エターナルズとセレスティアルズは人類から神と崇められ、彼らのために神殿が建設されます。

セレスティアルズの第3波が去った後、エターナルズはインカを離れます。セレスティアルズとコミュニケーションを取るアジャクはひとりインカの神殿に眠ることになりました。

第4波

1970年代、宇宙旅行の技術を発達させた人類を存続させるかどうか審判を下すため、セレスティアルズの第4波がやって来ます。

セレスティアルズの接近を感知したイカリスはインカの神殿を訪れ、アジャクを眠りから覚ましビーコンを作動させます。

このことに脅威を感じたデヴィアンツはニューヨークでエターナルズと戦いになりました。

一方、オーディンソードとデストロイヤー・アーマーを準備したオーディンは、ズーラス率いる地球のエターナルズと手を結び、第4波を迎え撃ちます。

エターナルズのユニ・マインドでパワーアップしたオーディンですが、それでもセレスティアルズに勝てません。しかし、女神たちが用意した完璧な人類の若者12人を受け取ったセレスティアルズは地球の進化に満足して去っていきました。

ティアマト

ティアマト、The Eternals vol. 4

ティアマトは宇宙を支配するフルクラムと呼ばれるコズミック・ビーイングと通信する役割のセレスティアルです。フルクラムは「ザ・ホード」を集めることで膨大な生命エネルギーを吸収しています。

ティアマトは惑星が収穫に適しているかどうか、つまり惑星上の生命を絶滅させて生命エネルギーを集める時期に達しているかどうかをフルクラムに知らせるのです。

第2波の一員として地球を訪れたティアマトはリーダーのアリシェムの方針と対立してカリフォルニア州ディアブロ山脈の地中に埋められ眠らされます。

こうしてザ・ドリーミング・セレスティアルと呼ばれるようになったティアマトはやがて長い眠りから覚めて現代のサンフランシスコのゴールデン・ゲート公園に姿を現しました。彼の黒い体は太陽光線を吸収して金色に変わります。

地球を破滅させるかどうか判断するためティアマトはマッカリとテレパシーでコミュニケーションを取り始めます。マッカリとセルシはティアマトとコミュニケーションを取る過程で犠牲となりました。

ウアトゥから人間の自由意志と感情のことを知らされたティアマトは、フルクラムに地球を滅ばさないよう頼みます。このようなセレスティアルが現れることを待っていたフルクラムはティアマトの提案を受け入れました。

最終波

2018年から「ザ・ファイナル・ホスト(最終波)」という副題の『アベンジャーズ』のシリーズが刊行されています。

不死身のはずのセレスティアルズの死体が宇宙から地球に次々と降ってくる異常事態にトニー・スターク/アイアンマンたちが立ち向かう物語です。

ティアマトの物語ではセレスティアルズはザ・ホードを通じてエネルギーを集めるフルクラムのために働いていました。

『アベンジャーズ』の物語ではザ・ホードに寄生されたセレスティアルズはダーク・セレスティアルズになっています。

さらにこのシリーズでこれまで謎に包まれていたセレスティアルズが地球を度々訪れる真の目的がついに明らかにされます。

まとめ:セレスティアルズが地球を訪れた目的

この記事では映画『エターナルズ』などに登場するセレスティアルズという種族について原作コミックも含めて徹底的に解説しました。

最後のまとめでセレスティアルズが地球を訪れる目的を考察したいと思います。

セレスティアルズが地球を訪れる目的は、セレスティアルズの天敵である宇宙イナゴの大群「ザ・ホード」を退治する可能性が人類の遺伝子に秘められているからです。

セレスティアルズにとって地球は、自分たちを死に至らせる病を治療する方法を開発するための実験場だったのです。

エターナルズが人類を守る使命を与えられていたのは、セレスティアルズの治療法の開発を進めるためでした。

セレスティアルズに利用されていただけであることに気づいたエターナルズは落胆のあまり集団自殺を遂げます。

セルシ、セナ、Avengers vol. 1 The Final Host

映画『エターナルズ』ではセレスティアルズやエターナルズの目的については別の説明が与えられます。

ですが、セレスティアルズの自己保存のために利用されるエターナルズという基本的な図式は同じ、と言えるでしょう。

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