アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1の概要
- 原題:What If…?
- 監督:ブライアン・アンドリュース
- 脚本:A.C.ブラッドリー(ヘッド・ライター)
- キャスト:ジェフリー・ライト
- 公開年:2021年
- 1話の長さ:約30分
- エピソード数:9
- 放送局:ディズニー・プラス
マーベル・スタジオが製作するアニメシリーズ『ホワット・イフ』は、MCUで実際に起きなかった「もしもの展開」を描くアンソロジーです。2021年8月からディズニープラスでシーズン1の独占配信が開始されました。
各話ごとにMCUの映画をテーマに、映画とは違う「もしもの展開」を1話完結形式で描きます。シーズン1と2で、それぞれ9話ずつ製作されます。
シリーズ唯一のレギュラーは月面から地球を観察する地球外生命体・ウアトゥ/ザ・ウォッチャー。彼はナレーション専門でストーリー展開には原則として介入しません。
オリジナル英語版で一部の登場キャラクターの声を、映画版でその役を演じた俳優が担当していることも見どころのひとつ。特に2020年8月に亡くなったティ・チャラ/ブラックパンサー役のチャドウィック・ボーズマンは生前に収録を済ませており、このシリーズが最後の遺作となります。
アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1予告編
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アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1『ホワット・イフ』の監督:ブライアン・アンドリュース
アニメシリーズ『ホワット・イフ』の監督を務めるブライアン・アンドリュースはSFやスーパーヒーロー映画のストーリーボード・アーティスト、脚本家です。
1975年生まれのアンドリュースは、2004年と2005年に『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』のストーリーの製作に携わったことで、プライムタイム・エミー賞を受賞しました。
MCUではゲンディ・タータコフスキーとともに『アイアンマン2』のストーリーボード・アーティストを務めています。この映画では特に結末のクライマックスとなるアクション・シーンを担当しました。
その後「アベンジャーズ」シリーズなどMCUの主要な作品のストーリーボード・アーティストを務めたアンドリュースはMCUの世界観を熟知しており、「もしもの展開」を描くには最適の人物です。
アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1『ホワット・イフ』の脚本:A.C.ブラッドリー(ヘッド・ライター)
アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1『ホワット・イフ』の脚本/ヘッド・ライター/製作総指揮を務めるA.C.ブラッドリーは、アメリカ出身の脚本家、プロデューサーです。
ニューヨーク・ブロンクス出身のブラッドリーはボストン・カレッジで国際関係論と英文学を専攻した後、USCスクール・オブ・シネマティック・アーツで脚本の修士号を取得しました。
ブラッドリーはギレルモ・デル・トロ原案のNetflixアニメシリーズ「ティルズ・オブ・アーカディア」3部作の脚本、ヘッド・ライターを務めて有名になりました。MCUでは『ミズ・マーベル』の脚本とプロデューサーも担当しています。
2021年に第1子を出産したブラッドリーですが、その創作力は衰えません。彼女はMCUの仕事ばかりでなく、シェークスピアの戯曲『から騒ぎ』のソニー・ピクチャーズによる映像化で初めて長編映画の脚本を務める予定です。
アニメシリーズ『ホワット・イフ』シーズン1『ホワット・イフ』のレギュラー:ウアトゥ/ザ・ウォッチャー(ジェフリー・ライト)
アンソロジー形式のアニメシリーズ『ホワット・イフ』で唯一のレギュラーは、ウアトゥ/ザ・ウォッチャーです。
ウアトゥ/ザ・ウォッチャーとは
ウアトゥは別名ザ・ウォッチャーとして知られる地球外生命体。コミックでは早くも1963年の『The Fantastic Four(原題)』#13で登場している、古くから存在するキャラです。アニメシリーズ『ホワット・イフ』ではナレーターの役割を果たしています。
ウォッチャーは大昔に他の種の活動を観察するため、宇宙のいたる所に配置された地球外生命体の総称です。ウアトゥは月から地球と太陽系を監視する役割を担っています。
アニメシリーズ『ホワット・イフ』のヘッド・ライター・A.C.ブラッドリーは「万物を超える」存在として、ウアトゥをネットで有名になったピザを運ぶネズミの動画の視聴者になぞらえています。
要するにウアトゥは、「トワイライト・ゾーン」に登場する脚本家・ロッド・サーリングのように観察するだけで一切介入しない、ということです。
声の出演:ジェフリー・ライト
Embed from Getty Imagesウアトゥ/ザ・ウォッチャーの声を担当するジェフリー・ライトは1965年生まれ、アメリカ・ワシントンD.C.出身の俳優です。
オフ・ブロードウェイで舞台に立っていたライトは、ハリソン・フォード主演『推定無罪』(1990年)の検察官役で映画デビューを果たします。
ライトの当たり役は『エンジェルス・イン・アメリカ』の看護士・ベリーズ役で、舞台版ではトニー賞、TV版ではエミー賞の助演男優賞を受賞しました。
映画では脇役として幅広く活躍しており、ダニエル・クレイグ主演「007」シリーズのフェリックス・ライター役、「ハンガー・ゲーム」シリーズのビーティー役などが有名です。2022年公開予定の『ザ・バットマン』では、ジェームズ・ゴードン役を演じます。
A.C.ブラッドリーはウアトゥの声にライトを選んだ理由として、彼の声がパワー、カリスマ、権威、温かい人格を兼ね備えていることをあげています。
シーズン1第1話「もしも…キャプテン・カーターがザ・ファースト・アベンジャーだったら」のあらすじとキャスト(2021年8月11日配信)
第1話は映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』をテーマに、「もしもキャプテン・カーターがザ・ファースト・アベンジャーだったら」という物語です。
ペギー・カーターとスティーヴ・ロジャースの関係については、以下の記事でも取り上げています。
あらすじ
第2次世界大戦中、スティーブ・ロジャースは世界で初めてスーパー・ソルジャー血清を投与されるはずでした。しかし、彼に血清を投与する施設にナチのスパイが潜入、スティーブは拳銃で撃たれて負傷します。
その場に居合わせたペギー・カーターはスティーブの代わりになることを志願、キャプテン・アメリカの代わりに「キャプテン・カーター」が誕生します。
SSRを統括するジョン・フリンはカーターが女性であるためバカにしていますが、ハワード・スタークが彼女のためにコスチュームとシールドを作ってくれました。
ヒドラのヨハン・シュミットがテッセラクトを手に入れたことを察知したキャプテン・カーターは、ベルリンでアーニム・ゾラを捕まえテッセラクトを取り返します。
このテッセラクトをエネルギー源にしてハワード・スタークはロジャースのためにアーマー・スーツ・「ヒドラ・ストンパー」を作りました。
ロジャースは彼の幼なじみ・バッキー・バーンズがドイツ軍の捕虜になっていることを知り、ヒドラ・ストンパーとなってキャプテン・カーターと協力して彼を救出します。
しかし、レッド・スカルとなったヨハン・シュミットはノルウェーにあるヒドラの秘密基地で独自のプロジェクトを推進することに。
ゾラからノルウェーにあるヒドラの基地の場所を聞き出したキャプテン・カーターたちは、列車に忍び込んで基地に潜入しようとします。しかし、列車にはブービートラップが仕掛けられており、ロジャース/ヒドラ・ストンパーは爆発で生じた雪崩に巻き込まれて行方不明になりました。
キャプテン・カーターとバッキー・バーンズたちがヒドラの基地に突入すると、レッド・スカルがヒドラ・ストンパーから回収したテッセラクトを使って異次元からモンスター・シュマ・ゴラスを召喚しているところでした。
しかし、レッド・スカルはシュマ・ゴラスをコントロールできず、殺されてしまいます。ハワード・スタークが異次元の扉を操作する一方、キャプテン・カーターはシュマ・ゴラスを押し戻して異次元へと姿を消しました。
70年後、異次元の扉が開いてキャプテン・カーターがニック・フューリーとクリント・バートン/ホークアイの前に姿を現します。ロジャースとの再会を期待していたキャプテン・カーターですが、戦争は70年前に連合軍の勝利に終わったことだけが慰めとなるのでした。
キャスト
- キャプテン・ペギー・カーター:ヘイリー・アトウェル
- ジェームス・“バッキー”・バーンズ:セバスチャン・スタン
- ハワード・スターク:ドミニク・クーパー
- エイブラハム・アースキン:スタンリー・トゥッチ
- アーニム・ゾラ:トビー・ジョーンズ
- ジョン・フリン:ブラッドリー・ホィットフォード
- ヨハン・シュミット/レッド・スカル:ロス・マルカード
- ナチの将軍:ダレル・ハモンド
- スティーブ・ロジャース/ヒドラ・ストンパー:ジョシュ・キートン
- ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
- クリント・バートン/ホークアイ:ジェレミー・レナー
- ダム・ダム・デューガン:ニール・マクドノー
シーズン1第1話の解説・考察
ドラマ『ロキ』シーズン1とのつながり
ドラマ『ロキ』シーズン1の最終話で、征服者・カーンの変異体である「在り続ける者」はロキとシルヴィに、自分こそが神聖時系列とTVAを管理していることを明かしました。
「在り続ける者」はTVAによって秩序を保たれる神聖時系列がなくなるとマルチバース戦争が始まると警告します。
しかし、TVAに深い憎しみを抱くシルヴィがこの警告を無視して「在り続ける者」を殺したため、マルチバースの時代が始まりました。
『ホワット・イフ』の最初のエピソードとなるキャプテン・カーターの物語では、マルチバースがどのようにして生まれるのかが明らかになります。
このエピソードでカーターは、映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と異なり、スティーブ・ロジャースにスーパー・ソルジャー血清を投与する実験を間近に見ることを選択。ヒドラのスパイによって負傷したスティーブ・ロジャースに代わってカーターがスーパー・ソルジャー血清を投与されます
このような分岐(ネクサス)イベントが発生すると、『ロキ』で見たように早速感知したTVAのミニットマンが乗り込んできて、分岐イベントをリセット/剪定していくはずです。
しかし、シルヴィが「在り続ける者」を殺したため、すべての分岐イベントから独自の時系列が始まることになりました。
こうしてキャプテン・カーターがキャプテン・アメリカに代わって活躍するもう一つの時系列が生じたのです。この時系列は次に述べるように無限の可能性を秘めています。
新たな時系列で実写映画の世界に無限の可能性が開かれる
『ホワット・イフ』はドラマ『ロキ』と同様に、MCUのフェーズ4に所属する作品です。このため『ホワット・イフ』で登場した新キャラが実写映画に登場する可能性もあります。
すでにヘイリー・アトウェル演じるキャプテン・カーターが映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』に登場するという噂も……。『ホワット・イフ』でこの後登場するゾンビになったトニー・スタークなども、実写映画に登場したら面白いですね。
一方、今回のエピソードで生じた時系列は実写映画でこれまで描かれた時系列とはまったく異なる歴史の可能性を秘めています。
まず、バッキー・バーンズは無傷で生き残ったため、ウィンター・ソルジャーになる可能性が激減しました。ウィンター・ソルジャーが存在しないと、ケネディ大統領やトニー・スタークの両親は彼に殺されないことになってしまいます。
さらに、テッセラクトが失われなかったため、ハワード・スタークがテッセラクトを使った研究を早くから始めることになります。そうすると、『キャプテン・マーベル』でマー・ベルがテッセラクトを手に入れる可能性が少なくなり、キャプテン・マーベルの誕生も危うくなりかねません。
また、実写の時系列ではペギー・カーターはS.H.I.E.L.D.の局長となって何十年もその地位にありますが、キャプテン・カーターではデスク・ワークには向いてなさそうです。キャプテン・カーターやヒドラ・ストンパーの成功をちゃっかり自分の手柄にしたフリン大佐がそのまま出世して、SSRからS.H.I.E.L.D.のトップになったら一体どのようなことになるのやら……。
レッド・スカルが召喚したモンスターの正体は?
今回のエピソードの終盤でレッド・スカルがテッセラクトを使って別の空間から召喚したタコのようなモンスターの正体は、「シュマ・ゴラス」ではないかと思われます。
シュマ・ゴラスは元来、小説「コナン・ザ・バーバリアン」シリーズに登場するモンスターで、マーベル・コミックスでは『Marvel Premiere(原題)』#3-10で初登場します。
シュマ・ゴラスは人類が誕生するはるか昔の地球を支配していた太古の神々に属する種族の一員で、別の次元に存在する生物です。カルト教団によって召喚されたシュマ・ゴラスは地球を飲み込みかねない大きな脅威で、ドクター・ストレンジはシュマ・ゴラスと対決することで正式に大魔術師と認められました。
アニメシリーズ『ホワット・イフ』ではシュマ・ゴラスの名前は言及されませんが、外見的特徴はコミックと同じです。最大の特徴である体の中央にある眼の部分はレッド・スカルが開けたポータルから見ることはできませんが、強力な触手はその力を見せつけています。
マーベル・コミックスはシュマ・ゴラスをサノスなみに危険なヴィランとして認定しており、映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』に登場する可能性も噂されています。
シーズン1第2話「もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら」のあらすじとキャスト(2021年8月18日配信)
あらすじ
廃墟の惑星・モラグでスター・ロードがインフィニティ・ストーンのひとつであるパワー・ストーンが入ったオーブを盗み出します。
駆けつけたコラスの前で覆面を脱いだスター・ロードはティ・チャラでした!このユニバースでティ・チャラ/スター・ロードは弱き者を救う義賊として、ロビン・フッドのような伝説のアウトローになっているようです。
ティ・チャラが率いるラヴェジャーズに入ることを断られたコラスは、やむなくティ・チャラに戦いを挑みますが、簡単に気絶させられてしまいます。コラスのことを不憫に思ったティ・チャラは彼を抱えて、迎えに来たヨンドゥとともにラナンの軍勢を壊滅させて去っていきます。
その20年前、1988年、ヨンドゥは天人・エゴの依頼で彼の息子・ピーター・クイルを誘拐するため、地球にやって来ました。しかし、ヨンドゥからアウトソースされた仕事を引き受けた能天気な部下たちは、間違ってワカンダのバリアの外にいたティ・チャラをさらってきてしまいました。
外の世界を見たかったティ・チャラはワカンダに戻らずヨンドゥとともに宇宙をさすらいながら成長します。
それから20年が過ぎて2008年、ティ・チャラが率いるラヴェジャーズは金持ちから奪った財産を貧しい人たちに分け与える義賊として宇宙の尊敬を集めていました。
ティ・チャラの人を感化する力は、サノスさえ心を入れ替えて彼の手下になるほど強力です。
そのようなティ・チャラのところに、ネヴュラ(豊かな金髪!)が銀河裏社会の総元締め・タニリーア・ティヴァンことコレクターから「エンバーズ・オブ・ジェネシス」を盗む話を持ちかけます。
「エンバーズ・オブ・ジェネシス」とは生態系を生み出せるほど栄養がある古代の超新星の塵で、一握りでひとつの惑星の飢餓を根絶する力があります。ヨンドゥから故郷ワカンダが滅んだと聞かされ恵まれない人びとの故郷を救うことに生きがいを感じていたティ・チャラは、宇宙の飢餓を救えるこの話を引き受けました。
ノーウエアにいるコレクターに近づくため、ティ・チャラはモラグで手に入れたパワー・ストーン/オーブをコレクターに売り込みます。
こうしてコレクターの膨大なコレクションに忍び込んだティ・チャラは、そこで自分を探すためティ・チャカが宇宙に放った宇宙船を発見。彼はワカンダが滅亡していないことを知りました。
一方、ネヴュラはラヴェジャーズを裏切ったふりをしてコレクターの目をあざむき、エンバーズ・オブ・ジェネシスを手に入れます。
コレクターに追い詰められたティ・チャラは、コレクターの奴隷であったカリーナに救われ、駆けつけたヨンドゥと協力してコレクターを檻に閉じ込めます。ラヴェジャーズとネヴュラは、コレクターの手下になっていたブラック・オーダーを倒して脱出しました。
コレクターに捕まっていた人たちはカリーナの手で解放され、四面楚歌のコレクターを取り囲みます。
ラヴェジャーズは地球に行き、ティ・チャラは実父・ティ・チャカと再会します。
ティ・チャカからティ・チャラが宇宙船に連れて行かれた経緯を訊かれて返答に窮するヨンドゥ。ティ・チャラがすかさず「迷子になった私をヨンドゥが見つけてくれた」と助け船を出して家族再会の場を救いました。
その頃、地球の別の場所ではもう一つの家族の再会が……。ファストフード・レストランで働くピーター・クイルが店を掃除していると、天人・エゴが声をかけます。
「この再会は世界の終わりの始まりになるかもしれないが、その話はまた別の日に」ということで、第2話の幕がおります。
キャスト
- ティ・チャラ/スター・ロード:チャドウィック・ボーズマン
- ヨンドゥ・ウドンタ:マイケル・ルーカー
- サノス:ジョシュ・ブローリン
- ネヴュラ:カレン・ギラン
- タニリーア・ティヴァン/コレクター:ベニチオ・デル・トロ
- コラス・ザ・パーサー:ジャイモン・フンスー
- ハワード・ザ・ダック:セス・グリーン
- テイザーフェイス:クリス・サリヴァン
- クラグリン・オブフォンテリ:ショーン・ガン
- エゴ:カート・ラッセル
- カリーナ:オフェリア・ロビボンド
- プロキシマ・ミッドナイト:キャリー・クーン
- エボニー・マウ:トム・ボーン=ローラー
- ティ・チャカ:ジョン・カニ
- オコエ:ダナイ・グリラ
- ドラクス:フレッド・タタシオール
- コーバス・グレイブ:フレッド・タタシオール
- ピーター・クイル:ブライン・T・デラニー
シーズン1第2話の解説・考察
『ホワット・イフ』第2話のタイムラインは、ティ・チャラがピーター・クイルの代わりにスター・ロードになったら、というものでした。このことでMCUのこれまでの出来事と相違してくることと変わらないことを今回は解説・考察します。
ティ・チャラのスーパーパワーは説得力!
『ロキ』や『ホワット・イフ』では、時系列の分岐によってタイムラインが変わっても、キャラクターの持つ根本的な性格は変わらないことが確認されました。
『ロキ』の変異体たちはすべてアウトサイダーで悪巧みが大好きです。ペギー・カーターはキャプテン・カーターになってもスティーブ・ロジャースへの気持ちは変わっていません。
同じようにティ・チャラはブラックパンサーであっても、スター・ロードであっても、人びとを良い方向に向かわせる説得力がある点は同じです。
このようなティ・チャラの『ホワット・イフ』のタイムラインにおける最大の功績のひとつは、サノスにデシメーションを諦めさせたことです。
MCUの時系列では、故郷の惑星・タイタンの資源が枯渇して荒廃したため、サノスは宇宙の生物の半分を消滅させることを思いつきます。この目的のため、サノスはインフィニティ・ストーンを集めてデシメーション(大量殺戮)を実行に移したのでした。
『ホワット・イフ』で分岐した時系列では、ティ・チャラがサノスを「宇宙の資源を再分配する方法はひとつだけではない」と説得して、デシメーションを思いとどまらせています。
このようにマッド・タイタンの異名を持つサノスを変心させるほど、ティ・チャラの説得力は強力な武器です。ティ・チャラのセリフ「Sometimes the best weapon in your arsenal is just a good argument(説得力のある議論は最強の武器となることがある)」は第2話における最高の名言だと思います。
これまでのMCUの時系列でもティ・チャラは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でジーモの自殺を止めたり、『ブラックパンサー』でエムバクを味方につけたりと、強力な説得力を発揮していました。
こういったことから、ティ・チャラのスーパーパワーは説得力である、と言っても過言ではありません。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは存在しない
『ホワット・イフ』第2話のタイムラインではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが結成される可能性は皆無です。
リーダーとなるピーター・クイルは地球でファストフード・レストランの店員をしていました。ガモラの姿は見えず、ネヴュラは闇市で暗躍し、ティ・チャラとはいい仲の可能性があります。
ドラクスは故郷の惑星が侵略されなかったため妻子は健在でバーテンダーをしており、ティ・チャラと一緒にセルフィーに写っています。
ロケット・ラクーンやグルートの姿も見られませんでした。
キャプテン・アメリカは死んだ?
『ホワット・イフ』第2話でコレクターの武器コレクションにはキャプテン・アメリカの盾が収められていました。
『ホワット・イフ』第2話は主に2008年の出来事という設定で、キャプテン・アメリカが凍結状態から蘇る2011年より前です。つまり、キャプテン・アメリカの盾は彼が復活する前にコレクターの手に渡っていることになります。
これは、キャプテン・アメリカが凍結状態のまま死んだことを強く暗示するものと思われます。
アスガルドで何があった?
コレクターの武器コレクションには、ソーのハンマー・ムジョルニアや死の女神・ヘラのネクロソードも含まれていました。
ムジョルニアはMCUの時系列では2011年にオーディンからソーに与えられるはずのもの。それが2008年にコレクターのコレクションに入っているとなると、コレクターはアスガルドの王・オーディンを倒してムジョルニアを奪ってきた可能性が大きいです。
さらに、ヘラのネクロソードまでコレクターが手に入れている点も気になります。MCUではヘラを止めるためソーは『マイティ・ソー バトルロイヤル』でアスガルドを滅亡させなければならないほど、ヘラは強力でした。
そのようなヘラのネクロソードが無傷でコレクターの手に入っているところを見ると、コレクターはヘラも簡単に倒してネクロソードを手に入れています。
こういったことから、『ホワット・イフ』第2話の時系列でコレクターは、アスガルドを完全に支配するほど巨大な力を持っていると考えられます。
シーズン1第3話「もしも…世界が最強のヒーローたちを失ったら?」のあらすじとキャスト(2021年8月25日配信)
あらすじ
第3話の設定はアベンジャーズが結成される直前の2011年頃、メンバーの候補にあげられたヒーローたちが次々と殺されていきます。
ナターシャ・ロマノフがトニー・スタークに2酸化リチウムを注射したところ(『アイアンマン2』参照)、トニーは突然死。地球にやって来たソー(『マイティ・ソー』参照)はクリント・バートンに矢で射られて死亡、捕まったバートンも独房でいつの間にか変死していました。
アベンジャーズの候補が狙われていることに気づいたニック・フューリーは、ナターシャに次のターゲットはブルース・バナーであると教えます。
ナターシャはベティ・ロス博士(『インクレディブル・ハルク』参照)を大学に訪れトニー・スタークに使った注射器を分析してもらいます。その結果、薬品に異常はなく、注射器にナノテクの痕跡が見つかりました。ナターシャはベティがブルース・バナーを匿っていることをつきとめます。
そこをベティの父親・サディアス・ロス将軍が軍隊を引き連れて包囲。ナターシャはブルースがハルクに変身するのを止めようとします。しかし、ブルースは謎の銃弾に撃たれてハルクに変身したばかりでなく、そのまま爆発して死んでしまいました。
その頃、ソーが殺された現場のニューメキシコにはロキがアスガルドの軍勢を引き連れて復讐にやって来ます。ロキの持ってきた「古の冬の小箱」の力を見せつけられたニック・フューリーはソーを殺した犯人を見つけるため、ロキと協力することにします。
一方、エージェント・コールソンのパスワードを使ってS.H.I.E.L.Dの情報を閲覧するナターシャ。彼女は2年前に死んだ女性がデータベースにアクセスしていたことに気づきました。しかし、その直後にナターシャは何者かに襲われて殺されてしまいます。
ですが、ナターシャは死ぬ直前にフューリーに電話して、「ホープ」という手がかりを残します。フューリーは、ホープがハンク・ピムの娘であることに思い当たりました。
ホープ・ピムはS.H.I.E.L.Dの任務遂行中にウクライナで命を落としていました。そのことを恨んだハンク・ピムは、縮小テクノロジーを使ってイエロージャケットとなり、アベンジャーズを殺すことでS.H.I.E.L.D.に復讐していたのです。
ロキと手を組んだフューリーはハンク・ピム/イエロージャケットを打ち負かし、ハンク・ピムはアスガルドの囚人となりました。
アベンジャーズが全滅したのでロキは、そのまま地球の支配者となります。しかし、ロキに対抗するため新たなアベンジャーズを組織するつもりのフューリーは氷漬けのキャプテン・アメリカを見つけました。フューリーの側にはキャロル・ダンバース/キャプテン・マーベルの姿も……。
キャスト
- ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
- クリント・バートン/ホークアイ:ジェレミー・レナー
- ブルース・バナー/ハルク:マーク・ラファロ
- ロキ:トム・ヒドルストン
- フィル・コールソン:クラーク・グレッグ
- シフ:ジェイミー・アレクサンダー
- ブロック・ラムロー:フランク・グリロ
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ:レイク・ベル
- トニー・スターク/アイアンマン:ミック・ウィンガート
- ハンク・ピム/イエロージャケット:マイケル・ダグラス
- ベティ・ロス博士:ステファニー・パニセロ
- サディアス・ロス将軍:マイク・マギール
- キャロル・ダンバース/キャプテン・マーベル:アレクサンドラ・ダニエルズ
シーズン1第3話の解説・考察
「アベンジャーズ」はひとつだけのチームではない、“理念”である
第3話の最も重要なポイントは、結末でのニック・フューリーのメッセージです。トニー・スタークたちの棺を前にして彼は、アベンジャーズ・イニシアティブはひとつのチームや個々のヒーローに限定されない、大きな理念であると言って次のように締めくくります。
“The Avengers were always meant to be more than a team. They were an idea. The affirmation of humanity’s need to believe that in our darkest hour we will find our heroes.“
「アベンジャーズは最初からひとつのチームに限定されない、ひとつの理念だった。最も暗い時代にこそヒーローが登場すると信じねばならない人類に対する肯定的な答えなのだ。」
これは、アベンジャーズの精神は常に新たなヒーローたちに受け継がれていく、という明確なメッセージです。
新しいヒーローの時代に入る
フューリーのメッセージに続いて、キャプテン・アメリカの盾とキャプテン・マーベルが登場するのは、今後のMCUを象徴すると思われます。
「エンドゲーム」でキャプテン・アメリカのシンボルである盾はスティーブ・ロジャースの手からサム・ウィルソン/ファルコンに渡りました。ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の紆余曲折を経て、サム・ウィルソンは名実ともにキャプテン・アメリカになっています。
一方、キャプテン・マーベルは『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のミッド=クレジット・シーンに登場しており、今後も主導的な役割が期待されます。
今回のエピソードで示唆されているように、キャプテン・マーベルはMCUの時系列ではスティーブ・ロジャースの次に古いヒーロー。ニック・フューリーがアベンジャーズ・イニシアティブを思いつくきっかけになったヒーローで、新しいアベンジャーズのリーダの資格は十分あります。
こういったことから、『ホワット・イフ』シーズン1第3話はMCUが着々と新しいヒーローたちの時代に入っていくことを強く印象づけるエピソードです。
『ホワット・イフ』のエピソードの間に関連はない
前回(シーズン1第2話)、2008年の世界でソーのハンマー・ムジョルニアやキャプテン・アメリカの盾はコレクターのコレクションに含まれていました。
今回(シーズン1第3話)、2011年の世界ではムジョルニアも盾もMCU本来の時系列の位置に戻っています。
前回奴隷たちの反乱でコレクターが倒された後、彼のコレクションはすべてもとの場所に返された、という可能性もあります。
しかし、ドラマ『ロキ』の結末でMCUは本格的にマルチユニバースの時代に突入しました。
このため『ホワット・イフ』のエピソードの間に関連はない、すべて別のユニバースでの出来事である、と考えるほうが自然です。したがって『ホワット・イフ』での出来事が今後MCUの長編映画に直接影響を及ぼすことも少ないと考えられます。
シーズン1第4話「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」のあらすじとキャスト(2021年9月1日配信)
あらすじ
第4話の主人公は魔術師・ドクター・ストレンジ。映画『ドクター・ストレンジ』では交通事故の怪我で手に後遺症が残り外科医としての生命を絶たれ魔術師となったストレンジ。『ホワット・イフ』のエピソードでは彼は無事で、かわりに彼の恋人・クリスティーン・パーマー博士が死んでしまいます。
恋人を失ってすっかり落ち込んだスティーブン・ストレンジ博士はカマータージで魔術を習い始めました。
ある日彼は時間を操ることのできる「アガモットの眼」を見つけ、過去に戻ってクリスティーンを救うことを思いつきます。このようなストレンジ博士にエンシェント・ワンとウォンは、時間をむやみに操ると現実を破壊する可能性があると注意します。
彼らの忠告を聞かず修行を続けること2年、ついにストレンジ博士は「アガモットの眼」を使ってクリスティーンを救うため、過去にもどりました。しかし彼が何度過去に戻っても、クリスティーンは毎回何らかの原因で死んでしまうのです!
エンシェント・ワンはクリスティーンの死は時間軸で変えられない「絶対点」であることを説明しますが、ストレンジ博士は耳を貸しません。このときエンシェント・ワンは暗黒次元の力を借りて、ストレンジ博士を知らない間に分裂させ、同じ宇宙で2つの時間軸を発生させました。(このことは物語の終盤で種明かしされます。)
善良なストレンジ博士はクリスティーンの死を受け入れますが、悪のストレンジ博士はさらなる魔力を求めてカリオストロの書庫に向かいます。そこで彼は何世紀もかかって無数の神秘的な存在のエネルギーを吸収してドルマムゥを倒し、ついに至高の魔術師となりました。
悪のストレンジ博士は、善良なストレンジ博士を倒して彼の力も吸収し、ついにクリスティーンを助けることに成功しました。しかしそのことで宇宙の崩壊が始まります。
ストレンジ博士はウォッチャーに助けを求めますが、彼は介入することを拒否します。ストレンジ博士の目の前でクリスティーンは崩壊し、ひとつの宇宙が完全に消滅するのでした。
キャスト
- スティーブン・ストレンジ博士/至高の魔術師:ベネディクト・カンバーバッチ
- クリスティーン・パーマー:レイチェル・マクアダムス
- ウォン:ベネディクト・ウォン
- エンシェント・ワン:ティルダ・スウィントン
- オー・ベン(カリオストロの書庫の番人):アイク・アマディ
- クリスティーン・エバーハート:レスリー・ビブ
シーズン1第4話の解説・考察
絶対点とは
絶対点とは時間軸の骨格となる変更不可能なポイント。これらのポイントをひとつでも変更すると宇宙全体が崩壊してしまうほど重要なものです。
なぜ絶定点を変更すると宇宙が崩壊するのか
悪のドクター・ストレンジは、何世紀も修行している間、時間を止めていたため、すでに時間軸が不安定になっています。クリスティーンの死を受け入れた善良なドクター・ストレンジが外に出ると周囲が溶け始めていたのはこのためです。
最終的に時間を完全に操作できるようになったドクター・ストレンジは、クリスティーンが死ぬ一点だけを取り出して変更することに成功しました。
しかし、クリスティーンの死はドクター・ストレンジが魔術師になるのに必要不可欠な絶対点。これを変更したことで時間軸に大きな矛盾が生じ、宇宙の崩壊に歯止めがかからなくなったのです。
絶対点は時間軸ごとに異なる
映画『ドクター・ストレンジ』におけるMCUの時間軸でクリスティーンは命を落とさないため、絶対点は時間軸ごとに固有のものであると考えられます。
それぞれの宇宙にその骨格となる絶対点が存在することで、マルチバースのなかでさまざまな宇宙同士に明確な個性が与えられるのです。
たとえば、クリスティーンの死は、今回のエピソードが映画『ドクター・ストレンジ』の時間軸と異なる宇宙であることを明らかにする絶対点と言えます。
MCUにおける絶対点の意味
このような絶対点はMCUのなかでどのような意味を持つでしょうか。
絶対点は、トニー・スターク/アイアンマンの死といった重要なイベントは時間軸のなかで変更できない、ということを意味します。
ここでは『アベンジャーズ/エンドゲーム』から2つの例をあげて考えてみましょう。
MCUにおける変更不能な絶対点の例1:アイアンマンの犠牲
「インフィニティ・ウォー」でドクター・ストレンジはサノスを倒す方法はひとつしかない、とトニー・スタークに言っていました。「エンドゲーム」の終わりでトニー・スタークはこの言葉を思い出し、自分が犠牲にならなければ宇宙を救うことができない、と考えたのです。
ここでトニー・スタークの犠牲は宇宙を救うために不可欠の絶対点と言えます。
MCUにおける変更不能な絶対点の例2:ブラック・ウィドウの犠牲
同じように「エンドゲーム」でのブラック・ウィドウの犠牲も絶対点であると考えられます。
ハルクはインフィニティ・ストーンズを使ってサノスに消された人びとを蘇らせるときに、ブラック・ウィドウも一生に生き返らせようとしました。しかしブラック・ウィドウは戻ってきませんでした。
ブラック・ウィドウの犠牲は、インフィニティ・ストーンズの力を使っても変られない絶対点だったのです。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』とドクター・ストレンジ
『ホワット・イフ』シーズン1第4話は、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で異なる宇宙のスパイダーマンたちがひとつの時間軸を共有することを可能にする布石となるかもしれません。
映画の世界ではトム・ホランドに加えてトビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドが演ずるスパイダーマンが存在します。彼らはマルチバースの異なる時間軸に存在すると考えるのが一般的です。
しかし、『ホワット・イフ』の今回のエピソードでは、同じキャラクターの別バージョンをひとつの宇宙のなかで2つの時間軸に存在させることに成功しました。
「ノー・ウェイ・ホーム」は、スパイダーマンであることを暴露されたピーター・パーカーが、ドクター・ストレンジの力を借りて再びスパイダーマンの正体を秘密にしようとする物語。ドクター・ストレンジの魔力によって異なる時間軸からスパイダーマンの変異体が登場する可能性も捨てきれません。
シーズン1第5話「もしも…ゾンビが出たら?」のあらすじとキャスト(2021年9月8日配信)
第5話は映画『アントマン&ワスプ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、もしアベンジャーズのメンバーがゾンビになってゾンビ・アポカリプス(終末)が始まったら、という物語です。
あらすじ
サノスが6個のインフィニティ・ストーンを集めて全宇宙の半分の生物を消滅させようとしていることを警告するためブルース・バナーは地球に送られます。
彼が到着した無人のサンクタム・サンクトラムの外には、すでにサノスの手下・カル・オブシディアンとエボニー・マウが待ち受けていました。ブルース・バナーが内面のハルクを呼び出せずピンチに陥っていると、アイアンマン、ドクター・ストレンジとウォンがスリング・リングから登場。カル・オブシディアンとエボニー・マウを倒してその肉に食らいつきます。
ブルース・バナーがホッとしたのもつかの間、ゾンビになっていたアイアンマンたちはブルース・バナーにも襲いかかってきました。そこにクローク・オブ・レヴィテーション、ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプとピーター・パーカー/スパイダーマンが駆けつけ、ゾンビを倒してブルース・バナーを救出します。
その2週間前、ハンク・ピムは何十年も前に行方不明になった妻・ジャネット・ヴァン・ダインを探して量子の世界に入りました。しかし、彼女は量子の世界のウィルスに感染してゾンビになっており、彼女に噛みつかれたピムもゾンビになってしまいます。
研究室に戻ってきた彼らはスコット・ラングに襲いかかり、ホープ・ヴァン・ダインは間一髪ワスプに変身して逃げました。
その後24時間でウィルスはアメリカ北西部一帯に広がり、急を聞いて駆けつけたアベンジャーズもウィルスに感染。こうして世界的なゾンビ・アポカリプス(この世の終わり)が始まったのです。
一方、ワスプとスパイダーマンに救われたブルース・バナーは、バッキー・バーンズ、オコエ、シャロン・カーター、ハッピー・ホーガン、カートの生存者グループに合流しました。
彼らはニュー・ジャージーのキャンプ・リーハイ基地からの信号でゾンビ・ウィルスの治療法が発見された可能性があると確信。鉄道でキャンプ・リーハイ基地を目指しますが、途中でゾンビに襲われ、ホーガンとカーターがゾンビになってしまいます。
この戦いでホープも傷を負いますが、ゾンビに変わる前に最後の力を振り絞って巨大化し、残りの生存者たちをキャンプ・リーハイ基地に届けました。彼らはキャンプ・リーハイでヴィジョンに出会います。
ヴィジョンは、彼のエネルギー源であるマインド・ストーンの発するエネルギーが脳に作用してゾンビ・ウィルス感染の治療になると言います。その証拠として、ガラス容器に入って生きているスコット・ラングの頭を見せました。
しかし、ヴィジョンはマインド・ストーンを使っても治療できないワンダ・マキシモフのゾンビも基地のなかに匿っていたのです。ヴィジョンは彼女の飢えを満たすため、生存者の肉を食べさせていました。
バッキー・バーンズは、ヴィジョンに捕まって少しずつ生贄にされていたティ・チャラ/ブラックパンサーを見つけます。しかし、バッキー・バーンズの攻撃で怒り狂ったワンダが暴走を開始、カート、オコエにバッキー・バーンズまでが次々とワンダの魔の手に捕まります。
ワンダなしには生きていけないヴィジョンは、他の人たちの治療に使えるようにとマインド・ストーンを自分の頭から外してブルース・バナーに託し、倒れました。
ブルース・バナーは他の生存者たちがクワドジェットで脱出する時間をかせぐため、マインド・ストーンをピーター・パーカーに渡してハルクに変身。ハルクがワンダやゾンビの大群と戦っているすきに、ピーターたちはクワドジェットで脱出しました。
ピーター・パーカー、ティ・チャラとスコット・ラングの3人はマインド・ストーンのエネルギーを世界中に放送するためワカンダを目指します。一方、廃墟のなかには5つの石がはめられほとんど完成したインフィニティ・ガントレットを手にしてニンマリするゾンビ・サノスの姿が……。
キャスト
- ブルース・バナー/ハルク:マーク・ラファロ
- ティ・チャラ/ブラックパンサー:チャドウィック・ボーズマン
- ヴィジョン:ポール・ベタニー
- ジェームス・“バッキー”・バーンズ:セバスチャン・スタン
- ホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ:エヴァンジェリン・リリー
- スコット・ラング/アントマン:ポール・ラッド
- ハッピー・ホーガン/ゾンビ・ハッピー:ジョン・ファヴロー
- オコエ:ダナイ・グリラ
- シャロン・カーター:エミリー・ヴァンキャンプ
- カート:デヴィッド・ダストマルチャン
- ピーター・パーカー/スパイダーマン:ハドソン・テムズ
- スティーヴ・ロジャース/キャプテン・アメリカ:ジョシュ・キートン
- エボニー・マウ:トム・ボーン=ローラー
シーズン1第5話の解説・考察
なぜゾンビ・スカーレット・ウィッチはマインド・ストーンでも治療できなかったのか?
第5話で登場したゾンビのなかで、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチのゾンビはマインド・ストーンでも治療できないほど強力。このエピソードのラスボスと言えるほど他のゾンビより抜きん出ていました。
その力はようやくハルクが互角に渡り合えるほどで、オコエやバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーは簡単に打ち負かされています。
スカーレット・ウィッチのゾンビがこれほど強力であるのは、彼女がMCU最強のキャラクターとなる可能性を秘めているからです。
MCUで彼女の力は『ワンダヴィジョン』の最終回で解き放たれるのですが、それ以前でもスカーレット・ウィッチは単身サノスと互角に渡り合えるほど強力でした。
サノスが相手ではアイアンマンでさえも他のヒーローと力を合わせなければならなかったことを考えると、スカーレット・ウィッチがいかに強力であるかがわかります。
『ワンダヴィジョン』の最終回でスカーレット・ウィッチはMCU最強の能力である「カオス・マジック」を使えることが明らかになりました。このドラマシリーズに登場した同じく魔法使いであるアガサ・ハークネスによれば、スカーレット・ウィッチの力は至高の魔術師を上回るとか。このようにスカーレット・ウィッチのなかに秘められている力は計り知れません。
原作コミックでは解き放たれたスカーレット・ウィッチの魔力は宇宙に死とカオスをもたらしました。『ホワット・イフ』シーズン1第5話のゾンビとなったスカーレット・ウィッチの姿には、MCUに今後彼女がもたらす恐怖の一端を垣間見ることができます。
ウアトゥの締めくくりの言葉の意味は?
第5話を締めくくるウアトゥ/ザ・ウォッチャーの言葉は「闇の時代でも人間は全力でこの星を守る。その結果宇宙が消滅しようとも……」というものでした。
この言葉はいろいろに解釈できる含蓄のあるものです。
解釈1:マインド・ストーンがゾンビ・サノスの手に渡る
最も単純な解釈は、ティ・チャラたちがワカンダに到着しても、ゾンビとなったサノスにマインド・ストーンを奪われるだけである、ということになります。サノス・ゾンビが完成したインフィニティ・ガントレットで何をするかは描かれていませんが、「全宇宙の生物のゾンビ化」はごく普通の推測です。
しかし、もう少し頭を働かせて、オリジナルの時間軸でサノスが全宇宙の半分の生物を消滅させようとした動機を考えると、このセリフは別の意味を持ってきます。
解釈2:アベンジャーズの行為は予期せぬ副作用をもたらす
サノスは全宇宙の半分の生物を消滅させることで、迫りくる資源枯渇から宇宙を救おうとしていました。アベンジャーズは、自分たちの友人や家族なども含めた人類のためだけを考えて、サノスのこの行為を元に戻したのです。
その結果人類の半分が5年後に復活した、すなわち地球の人口が一気に倍になったことで生じた混乱は、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で描かれています。
さらに、映画『エターナルズ』予告編では『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサノスの行為を帳消しにしたことで、「エマージェンスが始まるのに必要なエネルギーが供給された」と言われています。
「エマージェンス」が何を指すのかはまだ不明ですが、アベンジャーズが地球を救うために行ったことが宇宙に予期せぬ副作用をもたらしたことは確実です。
このように第5話を締めくくるウアトゥのセリフは、アベンジャーズの行為が人類や宇宙にもたらした予期せぬ副作用を示唆したものとも考えられます。
シーズン1第6話「もしも…キルモンガーがトニー・スタークを救ったら…?」のあらすじとキャスト(2021年9月15日配信)
第6話は映画『アイアンマン』と『ブラックパンサー』で、もしトニー・スタークとキルモンガーが手を結んだら、という物語です。
あらすじ
アフガニスタン訪問中のトニー・スタークの一行はテン・リングスの襲撃を受けます。そこにアメリカ海軍特殊部隊のエリック・“キルモンガー”・スティーヴンスが現れて、テロリストを撃退しました。
感激したトニー・スタークはアメリカに帰ってキルモンガーをスターク・インダストリーズの保安責任者に任命します。
そのことを発表する記者会見の席上でキルモンガーはスタークの会社のCOO・オバディア・ステインが今回のテン・リングス襲撃の黒幕であることを暴露。キルモンガーをすっかり信用したスタークはステインをクビにして、キルモンガーをCOOに昇格させました。
さらにスタークは命を救ってくれた恩返しに、キルモンガーが構想していた自動戦闘ドローンを制作することに協力すると言い出します。
ガンダムのようなこの戦闘ロボット・“リベレーター”の素材にはヴィヴラニウムが使われることに。量産に入るには大量のヴィヴラニウムが必要なため、スタークはローズ空軍大佐にユリシーズ・クロウからブラック・マーケットでヴィヴラニウムを買い付けるよう手配します。
一方、キルモンガーはクロウに命じて、この取引の情報がワカンダにも伝わるようにしていました。予想通りローズとクロウの取引の場所をブラックパンサーが襲撃します。しかし、待ち伏せていたキルモンガーがブラックパンサーとローズを殺して、お互いに殺し合ったように見せかけました。
ドローンを使ってこのことを知ったトニー・スタークはロボットにキルモンガーを捕まえさせようとしますが、逆にキルモンガーに殺されてしまいます。キルモンガーはワカンダの槍を使って、トニー・スタークがワカンダ人に殺されたように見せかけました。
その後キルモンガーはワカンダに帰ってクロウを殺し、伯父であるワカンダ王の信頼を得ます。
ワカンダがローズとスタークを殺したと信じるサディアス・ロス将軍は、報復のためロボットの大部隊にワカンダを攻撃させます。
キルモンガーはワカンダの軍勢を率いてロボット部隊を壊滅させ、ワカンダのヒーローとなりました。
戦いの後、キルモンガーはハート型のハーブを飲んで新たなブラックパンサーとなります。ティ・チャラの霊から「満足か」と訊かれたキルモンガーは、父や抑圧された兄弟姉妹に復讐するために必要なことをしただけだ、と応えるのでした。
一方、ティ・チャラの妹・シュリはアメリカにペッパー・ポッツを訪れ、2人で協力してキルモンガーの正体を世界に暴露して復讐しようと提案します。
キャスト
- エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス:マイケル・B.・ジョーダン
- ハッピー・ホーガン:ジョン・ファヴロー
- ティ・チャラ/ブラックパンサー:チャドウィック・ボーズマン
- ラモンダ王妃:アンジェラ・バセット
- オコエ:ダナイ・グリラ
- ユリシーズ・クロウ:アンディ・サーキス
- ジェームズ・ローズ:ドン・チードル
- ジャーヴィス:ポール・ベタニー
- クリスティーン・エヴァーハート:レスリー・ビブ
- ティ・チャカ:ジョン・カニ
- トニー・スターク:ミック・ウィンガート
- オバディア・ステイン:キフ・ヴァンデンホイヴェル
- ペッパー・ポッツ:ベス・ホイト
- サディアス・ロス将軍:マイク・マギール
- シュリ:オジュマ・アカガ
シーズン1第6話の解説・考察
キルモンガーがブラックパンサーとなる第6話ではMCUにおけるヒーローとヴィランの道徳的考え方が重要なテーマです。
MCUにおけるヒーローとは
第6話の冒頭でウアトゥ/ザ・ウォッチャーは「生まれつきヒーローであるひとはいない。ヒーローは暗闇のなかで作り出され、戦いのなかで形をとり、犠牲によって明らかにされる」と語っています。
ナレーションのバックグラウンドの映像は、トニー・スタークがアイアンマンとなって人類のために戦い、最後は自分を犠牲にしてサノスを倒す姿です。
トニー・スタークがアイアンマンとなるきっかけは、自己保存と復讐でした。映画『アイアンマン』でテン・リングスに捕まったトニー・スタークは、彼らのアジトから脱出して復讐するためにパワードスーツを開発します。
このようにアイアンマン誕生の裏には暗い動機がありました。しかしトニー・スターク/アイアンマンはその力を人類を守る戦いに使うことで、ヒーローの形をとるようになります。
そしてヒーロとしてのアイアンマンの名前を明らかに不滅のものにしたのが、「エンドゲーム」における自己犠牲だったのです。
こういったことからウアトゥの冒頭の言葉は、「ヒーローとは大義のために戦い、必要ならば自分を犠牲にできる人物」というMCUにおけるヒーロー像を明確に示したものと言えます。
憎めない悪役、アンチ=ヴィラン
これに対して、MCUにおけるヴィランのなかにも、混乱を起こしたり反社会的な行為を行う動機が道徳的に必ずしも悪とは断定できないキャラクターが存在します。
宇宙における資源の枯渇を回避するために全宇宙の生命の半分を抹殺したサノスがその最も印象深い例です。
このように大義や理想のために反社会的な行為を行う悪役をアンチ=ヴィランと呼びます。
今回のエピソードでキルモンガーが人を欺いたり殺したりしてでもブラックパンサーになった動機は、黒人の社会的地位向上でした。この意味でキルモンガーも典型的なアンチ=ヴィランと言えます。
MCUのフェーズ4では、このような憎めない悪役・アンチ=ヴィランが増えてきました。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のカーリー・モーゲンソーや『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のウェンウー/マンダリンもアンチ=ヴィランです。
ヴィジョンを失った悲しみのあまり現実改変を行うカオス・マジックに開眼してしまったワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ。同じく家族を失った悲しみから「ローニン」となって悪人を容赦なく切り捨てていたクリント・バートン/ホークアイなども善悪では割り切れないキャラクターです。
こういった道徳的にあいまいなキャラクターは、物語に深みと現実性を与えるのに不可欠であり、今後のMCUでますます大きな役割を担っていくに違いありません。
シーズン1第7話「もしも…ソーがひとりっ子だったら」のあらすじとキャスト(2021年9月22日配信)
あらすじ
第7話の設定は映画『マイティ・ソー』(2011年)でオーディンがロキを養子にせず、ソーがひとりっ子として成長したら、というものです。
『ホワット・イフ』ではキャラクターの基本的な性格は変わらないため、第7話のソーも映画『マイティ・ソー』と同じ、明るく楽しく無責任、ビール大好きなソーです。
さて、父・オーディンが眠りに落ち、母・フリッガが夏至祝いに出かける間、ソーは次の王になるため9つの世界について勉強することになりました。親の目が届かなくなったソーは、早速シフや「3人の戦士」たちを連れてラスベガスに乗り込み大パーティーを始めます。
全宇宙のエイリアンを集めた大パーティーを察知してラスベガスに駆けつけたジェーン・フォスターやダーシー・ルイスたちもパーティーに加わりました。巨人族のもとで立派な巨人に成長したロキはこの宇宙ではソーの遊び友達です。ソーとロキの2人は本質的には仲良しなのかもしれません。
翌日、S.H.I.E.L.D.長官代行・マリア・ヒルがジェーンを迎えにやってきます。前夜ラスベガスのパーティー会場に駆けつけたニック・フューリーは意識不明の重傷を負っていたのです。
そうするうちにソーのパーティーは全世界に広がり、地球にエイリアンが大挙して押し寄せる危機と化しています。マリア・ヒルはキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルを呼び寄せてソーを倒すことにしました。
キャプテン・マーベルは戦いでこれ以上被害がでないように、ソーをシベリアに無理やり連れていくことにします。一方、核兵器の使用も辞さないヒルの強硬策に反対のジェーンはヘイムダルに連絡してフリッガのもとにテレポートしてもらい、彼女に事情を説明しました。
キャプテン・マーベルとソーが激突して核兵器が発射されようとする直前、フリッガが現れ近く地球を訪れると予告します。ソーは大慌てで大パーティーの後片付けをして、キャプテン・マーベルとともにフリッガを出迎えました。
その後、ソーはジェーンをデートに誘ってめでたしめでたし、とはなりません。
ソーの前にウルトロンの一団がポータルから姿を現します。ウルトロンのリーダーは6個のインフィニティ・ストーンを全て手に入れ、ヴィジョンの体を乗っ取っていました!
キャスト
- ソー:クリス・ヘムスワース
- ジェーン・フォスター:ナタリー・ポートマン
- ロキ:トム・ヒドルストン
- ダーシー:カット・デニングス
- キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル:アレクサンドラ・ダニエルス
- ニック・フューリー:サミュエル・L.・ジャクソン
- グランドマスター:ジェフ・ゴルドブラム
- マリア・ヒル:コービー・スマルダース
- エージェント・コールソン:クラーク・グレッグ
- ブロック・ラムロウ:フランク・グリッロ
- コーグ:タイカ・ワイティティ
- ネビュラ:カレン・ギラン
- レディ・シフ:ジェイミー・アレクサンダー
- ハワード・ザ・ダック:セス・グリーン
- トパーズ:レイチェル・ハウス
- フリッガ:ジョゼッテ・イールズ
- ホーガン:デヴィッド・チェン
- ヴォルスタッグ:フレッド・タタシオール
- ドラックス:フレッド・タタシオール
- ファンドラル:マックス・ミッテルマン
- スルト:クランシー・ブラウン
シーズン1第8話「もしも…ウルトロンが勝ったら」のあらすじとキャスト(2021年9月29日配信)
第8話は、もしも映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)でウルトロンがマインド・ストーンとヴィブラニウムの体を手に入れたら、という設定です。
あらすじ
マインド・ストーンとヴィジョンのヴィブラニウムの体を手に入れたウルトロンはアベンジャーズを打ち負かして核戦争を始めます。
そこにサノスがインフィニティ・ガントレットを完成させるために地球にやって来ますが、ウルトロンによって真っ二つにされ即死。ウルトロンはすべてのインフィニティ・ストーンを手に入れました。
ウルトロンはインフィニティ・ストーンの力でロボットの大軍団を作り宇宙の生命を抹殺することで平和を手に入れようとします。これを防ぐために残されたヒーローはキャプテン・マーベル、ホークアイ、ブラック・ウィドウの3人だけです。
惑星・ザンダーでキャプテン・マーベルはウルトロンと対決。彼女はウルトロンを惑星の核で破壊しようとしますが、逆に惑星もろとも爆破されてしまいました。
やがてウルトロンはマルチバースの存在を知り、ウォッチャーを襲撃します。
ホークアイとブラック・ウィドウはアーニム・ゾラの意識のコピーを発見。ゾラの意識をウルトロンにアップロードすることで内部からウルトロンを破壊しようとします。
ウルトロンとの接点を得るため、彼らはウルトロンのロボット軍団をおびき寄せました。ホークアイが犠牲となったものの、ブラック・ウィドウはゾラの意識をウルトロンの手下のロボットに移植します。
しかし、ウルトロンはすでに別のユニバースに移動していたため、ゾラの意識をウルトロンにアップロードできません。
いくつものユニバースにまたがるウルトロンの執拗な追跡を何とか逃れたウォッチャー。彼は第4話で至高の魔術師になったドクター・ストレンジに助けを求めるのでした。
キャスト
- ザ・ウォッチャー:ジェフリー・ライト
- クリント・バートン/ホークアイ:ジェレミー・レナー
- ドクター・ストレンジ/至高のストレンジ:ベネディクト・カンバーバッチ
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ:レイク・ベル
- アーニム・ゾラ:トビー・ジョーンズ
- ウルトロン/サブ=ウルトロン・セントリー:ロス・マーカンド
- スティーヴ・ロジャース/キャプテン・アメリカ:ジョシュ・キートン
- トニー・スターク/アイアンマン:ニック・ウィンガート
- キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル:アレクサンドラ・ダニエルズ
シーズン1第9話「もしも…ウォッチャーが誓いを破ったら?」のあらすじとキャスト(2021年10月6日配信)
あらすじ
第8話からの続き。ウルトロンを倒すためザ・ウォッチャーはさまざまなユニバースからヒーローたちをピックアップします。
キャプテン・カーター、スター=ロード・ティ・チャラ、パーティー・ソー、キルモンガー、ガモラ、至高のストレンジの6人は「ガーディアンズ・オブ・ザ・マルチバース」を結成。無人のユニバースでウルトロンを迎え撃つことにしました。
しかし、準備が整う前にパーティー・ソーの雷でウルトロンに居場所を見つけられてしまい、闘いが始まります。
6人の連携プレーで、ティ・チャラはウルトロンのマインドストーンを奪うことに成功。ウルトロンのホーム・ユニバースでガモラがマインドストーンを破壊しようとすると、そこにナターシャ・ロマノフが現れマインドストーンを奪います。
自分が最後に生き残ったヒーローだと思っていたナターシャにキャプテン・カーターは他のユニバースからウルトロンを倒すために集まったということを説明しました。そこにウルトロンがマインドストーンを取り戻しにやってきます。
キャプテン・カーターとナターシャは協力してアーニム・ゾラの意識が記録された矢をウルトロンに命中させることに成功。ウルトロンのプログラムは消去されてしまいます。
ウルトロンから6つのインフィニティ・ストーンを奪ったキルモンガーは、それらを自分たちのユニバースを元通りにするのに使おうと提案します。ところがウルトロンの体を奪ったゾラもインフィニティ・ストーンを狙い、キルモンガーと奪い合いになりました。
2人が戦っている間に至高のストレンジはポケット・ディメンジョンを作り2人をそのなかに閉じ込めてしまいます。
至高のストレンジは自らが崩壊させたユニバースでゾラとキルモンガーが逃げ出さないよう見張りをすることになりました。他のヒーローたちはザ・ウォッチャーがそれぞれのユニバースに帰します。
ナターシャはアヴェンジャーズが殺されたユニヴァースに行き、ニック・フューリーに協力してロキと戦うことになりました。
ミッド=クレジット・シーン
もとのユニバースに戻ってバトロックを倒したキャプテン・カーター。彼女のユニバースのナターシャはバトロックの積み荷の中にヒドラ・ストンパーがあると言います。
しかもヒドラ・ストンパーの中には何者かがいると言うのでした。
キャスト
- ザ・ウォッチャー:ジェフリー・ライト
- ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
- ペギー・カーター/キャプテン・カーター
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ:レイク・ベル
- ブロック・ラムロウ:フランク・グリッロ
- バトロック:ジョルジュ・サン=ピエール
- スター=ロード ティチャラ:チャドウィック・ボーズマン
- ピーター・クイル:ブライン・T・デラニー
- トニー・スターク/アイアンマン:ニック・ウィンガート
- ガモラ:シンシア・マクウィリアムズ
- キルモンガー:マイケル・B.・ジョーダン
- シュリ:オジュマ・アカガ
- ソー:クリス・ヘムスワース
- ドクター・ストレンジ/至高のストレンジ:ベネディクト・カンバーバッチ
- ウルトロン:ロス・マーカンド
- アーニム・ゾラ:トビー・ジョーンズ
- ロキ:トム・ヒドルストン
- エゴ:カート・ラッセル