映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の作品情報
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)25本目、MCUフェーズ4で2本目の長編映画です。
テン・リングスのリーダーであるウェンウー/マンダリンの息子・シャン・チー(シャンチーとも表記)が自らの過去と向き合い、父と対決する物語です。
監督は日系アメリカ人を母に持つデスティン・ダニエル・クレットン。シャン・チー役を演じるのは中国系カナダ人の俳優・スタントマンであるシム・リウです。
- 原題:Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings
- 監督:デスティン・ダニエル・クレットン
- キャスト:シム・リウ、トニー・レオン、ミシェル・ヨー、オークワフィナ
- 公開年:2021年
- 上映時間:2時間12分
- 製作国:アメリカ
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の予告編
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映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の監督:デスティン・ダニエル・クレットン
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の監督を務めるデスティン・ダニエル・クレットンは日系アメリカ人を母に持つアメリカ人の映画監督です。彼の父親はアイルランドやスロバキアの血を引いています。
サンディエゴ州立大学で映画を学んだクレットンは、2009年に短編映画『Short Term 12(原題)』がサンダンス映画祭で審査員賞に輝いて注目を集めました。
この短編映画をもとにブリー・ラーソンを主演に迎えて製作した長編ヒューマンドラマ映画『ショート・ターム』(2013年)も高く評価されています。
MCUでキャプテン・マーベル役を務める女優・ブリー・ラーソンとクレットンは相性が良く、伝記映画『ガラスの城の約束』(2017年)でもラーソンとタッグを組んでいます。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の脚本:デビッド・カラハム
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の脚本を担当したのは中国系3世アメリカ人の脚本家・デビッド・カラハムです。彼の両親はどちらも中国系2世です。
カラハムはビデオ・ゲームの映画化『ドゥーム』(2005年)の脚本を共同執筆したことでキャリアをスタートさせました。
その後、「エクスペンダブルズ」シリーズや『ゴジラ』(2014年)の原案・脚本を務めて注目されるようになります。
MCUには『アントマン』(2015年)の製作段階でのリライトに参加。ソニーが展開するマーベル作品では2022年公開予定のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダース』続編の脚本家のひとりです。
さらにカラハムは2020年に公開されたDCEU作品『ワンダーウーマン1984』で監督のパティ・ジェンキンスなどとともに脚本を共同執筆しています。
このようにカラハムはMCU、ソニーのマーベル作品、DCエクステンデッド・ユニバースとコミックの映画化ではベテランと言える脚本家です。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のキャスト
Embed from Getty Imagesここからは映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の登場人物とキャストを紹介します。見出しは「役の名前:俳優の名前」の順番です。
シャン・チー(尚氣):シム・リウ
シャン・チーはテン・リングスのリーダーであるウェンウー/マンダリンの息子で子どものときから暗殺者となるため武術を仕込まれました。14歳のときに父のもとを去り、現在はサン・フランシスコのホテルでバレーサービスをしています。
バレーサービスとは高級ホテルやレストランが提供する、来場者の車を駐車場と入り口の間で回送するサービスです。
シャン・チーというキャラはもともと1972年にマーベル・コミックスがTVシリーズ『カンフー』を漫画化しようとしてワーナーに断られたときに考え出されたキャラです。
初期のコミックにおけるシャン・チーの外見は、当時人気のあったカンフー映画のスター・ブルース・リーをモデルにしています。1980年代にマーベル・コミックスのスタン・リーはブルース・リーの息子・ブランドン・リーに実写のシャン・チー役を演じる話を持ちかけています。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でシャン・チー役を演じるシム・リウは中国ハルビン市出身、カナダ国籍の俳優、スタントマンです。
ケイティ:オークワフィナ
ケイティはシャン・チーと同じホテルで働くバレーサービス、車の運転が得意です。彼女はシャン・チーとは高校生のときから親友ですが、彼の過去は知りません。
ケイティ役を演じるオークワフィナは中国系と韓国系の血の混じったニューヨーク生まれのラッパー・女優です。アニメ映画『ラーヤと龍の王国』(2021年)では龍の声を務めていました。
ウェンウー(文武)/マンダリン:トニー・レオン
ウェンウーは1000年以上前の中国で無限の力を持つ10個の腕輪(テン・リングス)を手に入れたことから大帝国・テン・リングスを築いてマンダリンとなりました。シャン・チーの母でもある妻を救うため、シャン・チーと妹を自分の宮殿に集めます。
ウェンウー役を演じるトニー・レオンは、王家衛やチャン・イーモウ監督の作品に出演して一世を風靡した香港出身の俳優です。
シャーリン(夏令):メン・ガー・チャン
シャーリンはシャン・チーの妹でウェンウーの娘です。女の子なので武術を習わせてもらえなかったシャーリンは独学で武術を習得、ウェンウーのもとを去りました。現在はマカウでファイト・クラブを経営しています。
シャーリン役を演じるメン・ガー・チャンは1987年生まれの舞台、ミュージカル女優で、この役が映画デビューとなります。メン・ガー・チャンについては以下の記事でくわしく解説しています。
イン・リー:ファラ・チェン
イン・リーはシャン・チーとシャーリンの母、ウェンウー/マンダリンの妻です。気を操ることが出来る彼女は、その術を息子・シャン・チーにも伝授していました。
イン・リー役を演じるファラ・チェンは1982年生まれ、香港を拠点に活躍する中国の女優です。
イン・ナン:ミシェル・ヨー
イン・ナンはイン・リーの姉妹、シャン・チーとシャーリンの伯母・叔母にあたります。イン・ナンも気の使い手で、神話の街の古代遺跡を守っています。
イン・ナン役を演じるミシェル・ヨーは『皇家戦士』(1986年)をはじめ1980年代からアクションスターとして活躍する中国系マレーシア人の女優です。
ウォン:ベネディクト・ウォン
ウォンはスティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジの盟友である魔術師です。ウォンはMCU映画『ドクター・ストレンジ』(2016年)ではカマール・タジの司書でスティーブン・ストレンジの教師のひとりでした。
MCUでウォン役を演じるベネディクト・ウォンはイギリス・マンチェスター出身の香港系の俳優です。
アボミネーション:ティム・ロス
アボミネーションは、『インクレディブル・ハルク』(2008年)でスーパーソルジャー血清を投与されて怪物になった軍人です。現在はウォンと仲良くなっています。
アボミネーション役は『インクレディブル・ハルク』のときと同じティム・ロスが務めています。
レーザーフィスト:フロリアン・ムンテアヌ
レーザーフィストはテン・リングスの暗殺者のひとり。片腕に剣を装着しているのが特徴です。
レーザーフィスト役を演じるフロリアン・ムンテアヌは1990年生まれ、ルーマニア系ドイツ人のモデル、俳優で元ヘビー級ボクサーです。シルヴェスター・スタローン脚本・原案・製作映画『クリード 炎の宿敵』(2018年)のヴィクター・ドラゴ役に抜擢されて注目を集めています。
デス・ディーラー:アンディ・リー
デス・ディーラーはテン・リングスの暗殺者のひとりです。
デス・ディーラー役を演じるアンディ・リーは、独学で武術を習得してアクション・グループ「マーシャル・クラブ」を立ち上げました。このグループは50万人以上のサブスクライバーを集めています。
バスの乗客:ザック・チェリー
シャン・チーがバスでレーザーフィストたちと戦う様子をライブ中継する乗客を演じるザック・チェリーは『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)に露天商で出演していました。
シャン・チーのユニバースがトム・ホランドのスパイダーマンが共通であることを思い出させてくれます。
トレバー・スラッタリー:ベン・キングズレー
トレバー・スラッタリーは『アイアンマン3』(2013年)で偽マンダリンに扮していた役者です。捕まって刑務所に入っていましたが、マーベル・ワン=ショット『All Hail the King(原題)』(2014年)でテン・リングスのメンバーの手で脱獄しました。
トレバー・スラッタリー役を演じるのは、『アイアンマン3』などでこの役を演じたベン・キングズレーです。
モーリス(渾沌/帝江)
モーリスは中国神話に登場する神である渾沌または帝江にトレバー・スラッタリーがつけた名前です。渾沌は6本の脚と4枚の翼が特徴。体に目、鼻、耳、口といった開口部が一切なく、顔もありません。映画ではシャン・チーたちを神話の街に案内し、特にケイティと仲良くなるようです。
今後MCUで重要な役割を果たす可能性を秘めたキャラのひとつであるモーリスについては、以下の記事で詳しく解説しました。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の時系列
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はMCUの時系列では『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後になります。
ミッド=クレジット・シーンでブルース・バナーが腕をつっているため、「エンドゲーム」からあまり時間が経っていないようです。
しかし、同じシーンでキャプテン・マーベルの髪が長くなっていることや、シャン・チーの友人たちが最近結婚したことから、人びとがある程度落ち着きを取り戻すくらいの時間はたっています。
ターローへの道が1年に1回開かれるのが清明節の日。このため映画「シャンチー」の大半の出来事は「エンドゲーム」の翌年、2024年3月下旬から4月下旬の間に起こる設定です。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじを結末まで要約
今から1000年以上前の中国、ウェンウーは無限の力を秘めた10個の腕輪(テン・リングス)を手に入れました。彼は腕輪の力を使って大帝国・テン・リングスを築き、後にマンダリンと呼ばれるようになります。1996年、最後の秘境・神話の街ターローを目指すウェンウーは気を操る女に道を阻まれますが、彼女に一目惚れして結婚、シャン・チーが生まれました。【前置き】
家庭を持ったウェンウーは世界征服を諦めますが、間もなくかつての敵に妻を殺されたため、再びテン・リングスを組織。息子・シャン・チーも暗殺者として訓練します。しかし、シャン・チーは14歳のときアメリカに逃れ、サン・フランシスコで成長しました。ある日、シャン・チーはバスのなかでテン・リングスの暗殺者たちに襲われ、母からもらったペンダントを盗まれます。【起】
シャン・チーは、最近マカウから手紙を送ってきた妹のシャーリンが何か知っているかと思い、友人のケイティとともにマカウに飛びます。マカウのファイト・クラブでシャーリンと再会したシャン・チーですが、そこにテン・リングスを率いたウェンウー/マンダリンがやって来ました。彼らはウェンウー/マンダリンの宮殿に連れて行かれます。【承】
宮殿でウェンウーは神話の街の古代遺跡から死んだ妻の呼ぶ声が聞こえるので助けに行くと言います。反対するシャン・チーたちは牢獄に閉じ込められますが、シャーリンが昔使ったトンネルを通って脱出。モーリスという古代遺跡の動物に導かれて神話の街にたどり着きました。【転】
神話の街でシャン・チーたちは、彼の伯母・叔母で古代遺跡を守るイン・ナンに出会います。神話の街の古代遺跡の門の向こうには、大昔グレート・プロテクターと呼ばれる龍の力をかりて押し返した怪物・ドゥエラー・イン・ダークネスが潜んでいるのです。テン・リングスを率いて神話の街を襲ったウェンウーは魂を吸い取られてドゥエラー・イン・ダークネスを解き放ってしまいます。しかし、シャン・チーはグレート・プロテクターやケイティと協力してドゥエラー・イン・ダークネスを倒すのでした。【結】
テン・リングスとは
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のテン・リングスは、無限の力を秘めた10個の腕輪を指す場合と、ウェンウー/マンダリンが率いる組織を指す場合の両方があります。
10個の腕輪
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のテン・リングスは、もともとウェンウー/マンダリンが手に入れた無限の力を秘めた10個の腕輪です。
マーベル・コミックスのマンダリンは、本名は不明ですがジンギスカンの末裔と言われる科学者です。「精霊の谷」を探検していたマンダリンは何百年も前に墜落した宇宙船で無限の力を持つ10個の指輪を見つけました。このことでマンダリンは世界征服の野望を抱き、アイアンマンやアベンジャーズと対立することになります。
映画では指輪ではなく腕輪になりましたが、宇宙に起源があることはミッド=クレジット・シーンで示唆されています。
組織としてのテン・リングス
テン・リングスはウェンウー/マンダリンが作った組織の名前でもあります。
ウェンウー/マンダリンは10個の腕輪の力で諸国を征服し、テン・リングスと呼ばれる帝国を築きました。
腕輪の力で1000年以上生きながらえたウェンウーは、最後の秘境・神話の街でイン・リーに一目惚れ。彼女と結婚して子どもが出来たため、テン・リングスを封印します。
しかし、昔の敵が復讐にやってきて妻を殺したことで、復讐に燃えるウェンウー/マンダリンは暗殺団を組織しました。この組織はかつてのテン・リングスの名前と旗を継承しています。
アイアンマンの敵のテン・リングスとは違う
ウェンウー/マンダリンのテン・リングスは、「アイアンマン」シリーズでアイアンマンが戦うテロリスト組織だったテン・リングスとほとんど関係ないと思われます。
「アイアンマン」シリーズのテン・リングスはアメリカ征服を目論むアルドリッチ・キリアンが、自分のテロ活動の隠れ蓑に使っていた組織です。この目的のためにアルドリッチは俳優・トレバー・スラッタリーを雇ってマンダリンに扮装させていました。
アイアンマンの活躍でキリアンが倒された後、スラッタリーはアメリカの刑務所に収監されます。そこに本物のマンダリンの手下がドキュメンタリーの取材を口実に潜入、スラッタリーはマンダリンの名を騙った罰を受けるため誘拐されたのです。
神話の街の古代遺跡とは
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の最後の決戦の場となるのが、上にあげたレゴのテーマでもある古代遺跡・ターローです。
日本語版では古代遺跡ですが、英語版ではAncient Village、太古の村と呼ばれています。
ミシェル・ヨーが、自分の役は神話の街を守る番人であると説明していたことから、この村が神話の街であることがわかります。
レゴのセットの目玉であるドラゴンは、シャン・チーを助けて映画の究極のスーパーヴィランと戦うグレート・プロテクター(「聖なる守護者」)です。
このレゴのセットにはモーリスという名の顔がなくて羽が生えた動物も含まれており、映画の世界を細かく反映しています。
グレート・プロテクター(「聖なる守護者」)とは
グレート・プロテクター(「聖なる守護者」)は予告編でもその姿がチラッと見られたドラゴンです。
大昔に人類を脅かす異次元の魔物をダークゲートの向こうに追い返し、それ以来異次元との境界である門を守ってきました。
このドラゴンのウロコは堅固なものでさまざまな用途に使われています。
まず、異次元の門はこのドラゴンのウロコで覆われています。
さらに、神話の街の住民が使う武器や防具もドラゴンのウロコで作られたものです。
最後にシャン・チーに与えられる杖、シャーリンに与えられる縄付き短刀、ケイティに与えられる弓もドラゴンのウロコから作られています。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の「魔物」はドゥエラー・イン・ダークネス
ターローのダークゲートの向こうに閉じ込められている「魔物」はドゥエラー・イン・ダークネスと呼ばれています。ドゥエラー・イン・ダークネスは「暗闇に住むもの」という意味。映画ではコウモリとタコ・イカを混ぜたような怪物です。
マーベル・コミックスに登場するドゥエラー・イン・ダークネスはタコのような頭をしたヴィランで、人間の恐怖を食い物にしています。コミックではドクター・ストレンジが戦う大物ヴィランのひとりであるため、映画「ドクター・ストレンジ2」のヴィランではないかと予想する人もいました。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじ:前置き
ここからは『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじを前置きと起承転結の5部に分け、ネタバレも含めてくわしく解説します。
ウェンウー/マンダリンのオリジン
今から1000年以上前の中国、ウェンウー/マンダリンはテン・リングス(10個の腕輪)の力を使ってテン・リングスと呼ばれる帝国を築きました。
その後ウェンウーはテン・リングスの力で1000年以上も生き続けます。時は移って1996年、ウェンウーは最後の秘境・神話の街・ターローを目指しました。
ウェンウーの乗った車が竹林のなかを走っていると、竹が迫ってきて車は崖から転落。ウェンウーはテン・リングスを使って脱出します。
彼は竹林の空き地で出会ったイン・リーにターローへ案内することを要求しますが、彼女は拒否。戦い始める2人は、やがてダンスをするペアのようになって、マンダリンは気を操るイン・リーに打ち負かされました。2人は運命の出会いだったようです。
ちなみに「マンダリン」という呼び名は、21世紀に彼の名を騙ってテロ活動を始めた組織が、ウェンウーの本名がわからなかったので勝手につけた名前です。
シャン・チー誕生
イン・リーとマンダリンが結婚して授かった子どもがシャン・チーとシャーリンです。
2000年代前半、7歳になったシャン・チーにイン・リーは神話の街のことを話して聞かせます。彼女はシャン・チーに緑色のペンダントを与え、これを持っていればふるさと・神話の街・ターローへ帰る道を見つけられる、と言うのでした。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじ:起・サン・フランシスコ
シャン・チー、成長してサン・フランシスコのホテルに就職
さらに時は移って現代、シャン・チーはショーンという名前で、ホテルのバレーサービスをしています。シャン・チーには同じくホテルのバレーサービスをする親友のケイティがいて、2人は勝手に他人の車を乗り回しています。
ある夜、シャン・チーはケイティと一緒に、結婚したばかりの友人たちとバーに飲みに行きました。シャン・チーとケイティは2人が初めて出会ったときの話をします。
シャン・チーの高校生活の第1日。彼をからかういじめっ子の目の前でケイティは「ホテル・カリフォルニア」を歌い出します。いじめっ子が面食らったスキにケイティはいじめっ子から車の鍵を奪い、彼の車を盗んでシャン・チーと一緒に乗り回し、このときから2人は親友となりました。
新婚の友人はシャン・チーとケイティは人生を無駄にしていると言いますが、2人は気にせずカラオケに出かけます。
翌日、シャン・チーはケイティの両親の家に彼女を迎えにいきます。ケイティがもっと良い仕事につくことを望む母に続き、祖母はシャン・チーにケイティといつ結婚するのだと言って追い打ちをかけてきました。
シャン・チーのネックレスが奪われる
うんざりしたシャン・チーとケイティは仕事に行くためバスに乗ります。バスの中で男がシャン・チーに近寄ってきて、シャン・チーが母からもらったネックレスをよこせと言います。シャン・チーはこの要求を拒否して戦いが始まりました。
シャン・チーが3人の男を倒すと、バスの後ろにいたレーザーフィストが参戦。バスの連結部を切ってほとんど真っ二つにします。この様子をビデオ中継している男がいるのは後で重要な意味を持つ布石です。
バスの乗客を前に集めたシャン・チーはケイティに急カーブを切らせ、バスを切断してレーザーフィストから逃れます。しかし、シャン・チーは戦っているときにネックレスを奪われてしまいました。
自分の部屋に戻ったシャン・チーはケイティに最近マカウにいる妹から絵葉書をもらったことを打ち明け、次に狙われているのは彼女だと言います。ケイティはシャン・チーと一緒に彼の妹を探しに行くことにしました。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじ:承・マカウ
マカウへ飛ぶシャン・チーとケイティ
マカウに向かう飛行機のなかでシャン・チーはケイティに自分の来歴と本名を打ち明けます。シャン・チーは父から暗殺者として育てられましたが、父が彼に最初の任務を与えた14歳のときに父のもとから逃げ出したのです。
マカウに着いたシャン・チーたちは絵葉書に書かれていた住所のビルを訪れます。エレベーターのなかでシャン・チーはよくわからない書類にサインします。
エレベーターを出るとジョン・ジョンという男が2人を出迎えました。そこは「ザ・ゴールデン・ダガー」という世界中に対戦を配信するファイト・クラブだったのです。
クラブではウォンとアボミネーションが檻のなかで対戦しており、ウォンはポータルを使ってアボミネーションのパンチを逆戻りさせて勝利します。ロッカールームでウォンはアボミネーションに「パンチを引け」とアドバイスして、一緒にポータルを通ってどこへともなく帰っていきました。
続いてシャン・チーもリングに立つことになります。彼はバスでの戦いのビデオがバイラルになっており、エレベーターのなかでサインした書類はファイト・クラブの契約書でした。
シャン・チー、妹と再会
シャン・チーは妹のシャーリンと対戦し、彼女に負けます。試合の後、シャン・チーとケイティはシャーリンのオフィスに招かれ、ファイト・クラブはシャーリンが経営していることがわかります。
シャーリンは女の子なのでウェンウーから武術の訓練を禁じられていました。しかし、彼女はこっそり独学で武術を習得していたのです。
シャン・チーが彼女を置いて逃げたことを責めるシャーリンに、シャン・チーは何故絵葉書を送ったのだと尋ねますが、彼女はそんなものは送っていないという返事。
ウェンウー/マンダリン登場
そこにテン・リングスの兵士たちが突入してきます。シャン・チーたちは窓から足場に逃れます。
足場でシャン・チーがテン・リングスの兵士たちやデス・ディーラーと戦っていると、ケイティは足場から転落しますが、シャン・チーとシャーリンによって救われました。
この戦いの間に、デス・ディーラーはシャーリンのネックレスを奪います。シャン・チーがデス・ディーラーを打ち負かしそうになったとき、ウェンウーが現れてシャン・チーを止めます。ウェンウー/マンダリンはシャン・チー、シャーリン、ケイティの3人を自分の宮殿に連れて行きました。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじ:転・マンダリンの宮殿
親子の再会
家族で食事をした後、ウェンウーはシャン・チーたちを神殿に連れて行きます。そこで彼は2つのペンダントを龍の彫刻の目になるように置きました。すると水が彼らを取り囲み、床には映画の冒頭で出てきた竹林のなかを通る道が浮かび上がってきました。
ウェンウーは、この道の先にある神話の街にシャン・チーたちの母親がいると言います。シャン・チーは、母は死んだはずだと言いますが、ウェンウーは彼女が助けを求める声が聞こえると言って相手にしません。
ウェンウーは神話の街の人びとが邪魔をするようであれば村を滅ぼす、という恐ろしい決意を明らかにします。この言葉に反発するシャン・チーたちをウェンウーは牢獄に閉じ込めます。
マンダリンの宮殿を脱出
牢獄でシャン・チーたちは『アイアンマン3』に出てきた偽マンダリンことトレバー・スラッタリーに会います。トレバーは『アイアンマン3』の後、アメリカの刑務所に収監されていましたが、テン・リングスに誘拐されマンダリンの宮殿で囚われの身となっていました。
トレバーにはモーリスという名の顔がなくて羽が生えたペットがいます。モーリスは神話の街に住んでいた動物で、村への道を知っていると言います。
一方、シャーリンは子どものときに宮殿を抜け出すのに使っていたトンネルを見つけました。彼らはトンネルを通ってガレージに忍び込み、レーザーフィストの車を奪って脱走します。
シャン・チーたちは、冒頭でウェンウーの行く手をはばんだ竹林に到着します。モーリスは竹林の動きに合わせてタイミングよく隙間を突破していくことを教えてくれました。
ケイティの抜群の運転技術で彼らは竹林を抜け、神話の街に到着します。神話の街にはシャン・チーたちの伯母・叔母・イン・ナンがいました。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじ:結・古代遺跡での戦い
神話の街・ターローでシャン・チーは父と対決することを決意
ナンは神話の街の古代遺跡がユニバースの境界に位置しており怪物の侵入を防いでいる、と言います。門の後ろにはドラゴンの助けをかりて倒された古代の怪物・ドゥエラー・イン・ダークネスが封じ込められているのです。
宮殿の書斎でウェンウーは彼を呼ぶ妻の声を耳にしました。ドゥエラー・イン・ダークネスはテン・リングスの力で門を打ち破るため、ウェンウーをおびき寄せようとしているのです。
村でシャン・チーたちはドラゴンのウロコから作られた防具と武器を与えられます。シャン・チーは杖、シャーリンは縄のついた短刀、ケイティは弓をもらいました。さらにシャン・チーはナンから気を操る術を伝授されます。
シャン・チーたちの母が殺されたときのフラッシュバック。彼女はウェンウーと敵対する「アイアン・ギャング」によって殺されました。ウェンウーはテン・リングスを使って彼らを皆殺しにします。シャン・チーの最初の任務は彼の母を殺させた人物のひとりを殺すことでした。
現在に戻り、シャン・チーはケイティに14歳のときターゲットの男を殺したことを打ち明け、父と対決する決意を示します。
ターローを襲うウェンウー/マンダリンとテン・リングス
翌朝、ウェンウーとテン・リングスが村を襲撃しました。ウェンウーはシャン・チーをノックアウトして水に落とします。自分を呼ぶ声のするダークゲートの前に来たウェンウーはテン・リングスで門を壊して妻を救い出そうとします。しかし割れ目から出てきたのはドゥエラー・イン・ダークネスの手下であるコウモリのような魔物たちでした。
村で村人たちがテン・リングスと戦っていると、魔物たちを見たイン・ナンが協力して戦わなければならない、と言います。魔物が人間の魂を吸い取ることでドゥエラー・イン・ダークネスが力を得るのを防ぐため、力を合わせねばならない、と言うのです。
レーザーフィストは最初言うことを聞きませんが、デス・ディーラーが魂を吸い取られて死ぬのを目の当たりにして、手のひらを返したようにテン・リングスに村人たちと団結するよう命じます。
ウェンウー、息子・シャン・チーを守って死亡
水の中でシャン・チーはグレート・プロテクターに助けられて息を吹き返しました。シャン・チーはグレート・プロテクターに乗って水の中から現れ、ウェンウーからテン・リングスを奪うため戦います。
ウェンウーを倒したシャン・チーがとどめを刺さないでいると、ダークゲートを壊して姿を現したドゥエラー・イン・ダークネスがシャン・チーを襲います。ウェンウーはとっさにテン・リングスを取り戻してシャン・チーを救いました。
シャン・チーを守ったウェンウーは魂を吸い取られてしまいますが、死ぬ間際にテン・リングスをシャン・チーに託します。多くの人の魂を吸い取ったドゥエラー・イン・ダークネスはグレート・プロテクターの魂を吸い取りかねないくらい強力になっていました。
シャン・チー、究極のヴィランを倒す
しかし、ドゥエラー・イン・ダークネスの喉をケイティが矢で射って気を失わせたところに、シャン・チーが突入。シャン・チーはテン・リングスをドゥエラー・イン・ダークネスの腹部に埋め込み回転させて八つ裂きにします!
この激戦の間、モーリスは戦場に倒れるトレバーを見つけます。トレバー死亡、と思いきや、トレバーは死んだふりをしていただけで、モーリスにも同じようにしろと言うのでした。
戦いが終わって、村人たちはシャン・チーたちとともに死者を葬り、グレート・プロテクターは去っていきます。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の結末1:ウォンがシャン・チーとケイティを迎えに来る
アメリカに帰ったシャン・チーとケイティは、冒頭に出てきた新婚の友人たちに今回の冒険の話をしますが、信じてもらえません。
そこにウォンがスリング・リングから突如現れ、シャン・チーとケイティに一緒にカマー・タージへ来るように言うのでした。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の結末2:ミッド=クレジット・シーン
ウォンはシャン・リーとケイティをカマー・タージに連れていき、ブルース・バナーやキャプテン・マーベルも加わって会議を始めました。
ブルースは腕につり包帯をしており、キャプテン・マーベルの髪は長いです。彼らは「エンドゲーム」のときにナターシャが使っていたホログラムで会話をします。
彼らの誰もテン・リングスの起源がわかりませんが、宇宙には未知のことがまだたくさんある、と言います。ですが、テン・リングスがビーコンのような信号を発していることはわかりました。キャプテン・マーベルに呼び出しがあったため、会議はお開きになります。
ウォンはシャン・チーとケイティに「サーカスへようこそ」と言い、3人はカラオケで「ホテル・カリフォルニア」を合唱するのでした。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の結末3:ポスト=クレジット・シーン
宮殿の部屋にいるシャーリンを手下が呼びに来ます。彼女は手下に囲まれて王座につきました。
テン・リングスの旗は赤になっており、カメラがズームアウトすると、多くの男女がトレーニングに励む姿が映されます。
最後は「テン・リングスは帰ってくる」です!
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はオリジンストーリーであると同時に新たな物語のはじまりでもある
この記事では『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のあらすじや登場人物をネタバレも含めて徹底的に解説しました。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』はMCUフェーズ4の2本目にあたる長編映画。フェーズ4で新たに加わるスーパーヒーローのひとりであるシャン・チーのオリジンばかりでなく、これからの物語のさまざまな布石も描かれています。
シャーリン率いるテン・リングスも帰ってくるということで、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のキャラが再登場する日は遠くはないことは確実です。