映画『エターナルズ』のドルイグ
映画『エターナルズ』はマーベル・コミックスの同名のシリーズをもとにした実写映画です。
エターナルズは7000年前に人類をデヴィアントと呼ばれる怪物から守るために地球にやってきたヒーローたちです。彼らは世界中に散らばってさまざまな人物になりすまし、人間社会に溶け込んで人類の発展を見守ってきました。
映画の時系列は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の直後。宇宙の生命の半分を復活させたハルクの指パッチン(ブリップ)のエネルギーで、「エマージェンス」と呼ばれる異常事態が発生しました。
地球に散らばっているエターナルズを集めて、この事態に対処するのに残された時間は7日。イカリスに率いられたエターナルズは残りの仲間たちを探し始めます。
映画『エターナルズ』のネタバレも含めたあらすじの詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
MCUのエターナルズのメンバーの能力や性格については以下の記事にまとめています。
ドルイグはエターナルズのひとりで、自然の中のコミュニティで隠遁生活をしているようです。
映画のドルイグはコミックの設定と同じく、人の心を操ることができます。
彼は映画のなかでマッカリと仲良くなっています。
衣装効果監修のイーヴォ・コーヴニーによれば、映画『エターナルズ』のドルイグは「頭脳派(thinker)」と「武闘派(fighter)」の両方の要素を兼ね備えたキャラです。
MCUのドルイグは人類に失望してアマゾンに隠れた
映画『エターナルズ』のプロデューサーのひとりであるネイト・ムーアにScreenrantが行ったインタビューによれば、映画のドルイグは人類に失望しているそうです。
ドルイグは地球に到着したとき、人類の進歩を助ける使命にとてもやりがいを感じていました。しかし人類が進化して社会が形成されるようになると、人類はお互いを良く扱うわけではないことにドルイグは気づき始めます。
ドルイグは自分の力を使って人類をコントロールして良いことだけをさせることができるのに、任務があるため自分の思い通りにできず鬱憤がたまるようになりました。
この結果、彼は人類に失望。西暦1500年頃アマゾンで仲間のエターナルズと別れ自分だけのコミュニティーを創設したそうです。
彼は人間の心を操る力を使って、限定的な地域ではあれ自分が外の世界から守れる共同体を作っています。
映画『エターナルズ』でドルイグを演じる俳優はバリー・コーガン
映画『エターナルズ』でドルイグ役を演じるのはアイルランドの俳優バリー・コーガンです。
1992年にダブリンで生まれたコーガンは2011年に俳優としてのキャリアをスタート。2013年、アイルランドの犯罪社会を描いたアイルランドのTVシリーズ『Love/Hate(原題)』シーズン4に出演して注目されるようになりました。
2017年には『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』や『ダンケルク』といった話題作に出演。国際的にも注目を集める俳優です。
悪役や複雑な性格の役を演じるのが上手いコーガンは、コミックのドルイグの性格にぴったりです。
原作コミックのドルイグの基本情報
ドルイグというキャラクターはジャック・カービィによって作り出され、『Eternals(原題)』#11(1977年5月)で初登場しました。
ドルイグは2006~2007年のミニ・シリーズ『Eternals(原題)』と2021年から始まった新シリーズの『Eternals(原題)』にも登場します。
原作マーベル・コミックスのドルイグというキャラクターのポイントは、イカリスの親戚でありながらエターナルズの裏切り者である、ということです。
原作コミックのドルイグは、人の心を操ったり人のトラウマとなっている記憶を呼び起こしたりする能力を持っています。
原作コミックのドルイグの歴史
20世紀後半まで
原作コミックのドルイグはヴァルキンの息子で、イカリスの従兄弟という設定です。
20世紀、ドルイグはソ連の情報機関・KGBのエージェントとして活動し、人を拷問することを楽しむようになりました。
セレスティアルが地球の未来を決定するため地球を訪れたとき、ドルイグはセレスティアルを倒すため大昔に使われた至高の兵器を復活させようとします。
ドルイグはイカリスを拷問にかけて至高の兵器が「風のピラミッド」にあることをつきとめました。しかし、ドルイグがこの兵器を使う寸前に、イカリスが目から光線を発して兵器もろともドロイグを分子に分解してしまいます。
ドルイグの体はセレスティアルによって回収され、冒涜者が収容される領域に隔離されました。
21世紀
ドルイグは小国の首相に
2006~2007年に発行されたシリーズ『Eternals(原題)』でエターナルズはスプライトの画策で記憶を失い、普通の人間として暮らしています。
ドルイグの人間としての姿は、ヴォロゼイカ(チェチェンの北東にある旧ソ連邦の共和国という設定の架空の国)の首相・イヴァン・ドルイグです。彼は軍隊の裏切りで失脚したとき、エターナルズの力を取り戻します。
ドルイグの能力:人の心を操りトラウマとなっている記憶を呼び起こす
覚醒したドルイグの能力は、人の最もトラウマとなっている記憶を呼び起こして、人を動けなくする力です。面白いことに彼が読み取れるのは人のトラウマとなっている記憶だけです。
さらにドルイグは人の心に作用することで、人に自分の姿を見えなくできます。
これらの力を使ってドルイグはヴォロゼイカの権力をすぐに取り戻しました。
ドルイグは仲間を裏切ることをやめられない!
その後、ドルイグはドリーミング・セレスティアルによる地球の破壊を阻止するため他のエターナルズに協力します。
しかし、ここでもドルイグは仲間を裏切ることがやめられません!ドルイグは自分の国の情報機関を使ってまだ覚醒していないエターナルズをイカリスたちより先に探し出し、自分に従うようにマインド・コントロールしていました。
2021年から発行されはじめた新しいシリーズでも、ドルイグはエターナルズの背後でサノスと手を結んでいます。
裏切り者の可能性があるドルイグに要注意!
このように原作コミックのドルイグは人の弱みにつけ込んで人を自分の支配下に置こうとする要注意人物です。
これに対してMCUのドルイグはあまりひねくれた性格ではなさそう。
MCUのストーリーに原作のドルイグの性格がどこまで反映されるか、興味深いです。