あらすじ
エターナルズの歴史
映画『エターナルズ』は、宇宙の神のような種族・セレスティアルズによって作られたヒーロー、エターナルたちの、地球での活躍を描く物語です。
7000年以上前に10人のエターナルズは、人類をデヴィアンツと呼ばれる怪物から守るために、地球にやって来ました。
彼らは、何千年にもわたって人類をデヴィアンツの脅威から守りながら、人類の進歩を見守ることになります。
西暦1500年頃、最後のデヴィアンツが消滅したと思われたため、プライム・エターナルのアジャクは、チームを解散。メンバーそれぞれが、自らの人生を楽しむように言います。
時は流れて現在、デヴィアンツが地球に再び現れたことで、エターナルズはチームを再結集します。
エターナルズの真の目的
アジャクの死後プライム・エターナルとなったセルシは、セレスティアルズのリーダー・エリシェムと交信して、彼らの真の目的を知りました。
太古の昔にセレスティアルズは、地球のなかに新しいセレスティアルの種を植え付けました。セレスティアルは、知的生命体のエネルギーを吸収して成長します。
デヴィアンツは、もともと知的生命体が増えるよう、捕食動物の数を減らすために、セレスティアルズが開発した生物でした。しかし、デヴィアンツが人間も食べるようになったため、デヴィアンツから人間を守るため、新たにエターナルズが開発されたのです。
中国やインドのおかげで地球の人口が増えて、セレスティアルが成長するのに十分なエネルギーが蓄積され、新しいセレスティアルが、地上に姿を現すとき(エマージェンス)が近づきました。セレスティアルの出現と同時に、地球は破壊されて人類は滅亡、エターナルズは回収されて記憶を消される運命です。
エターナルズ同士が対立
エマージェンスのことを知らされていなかったエターナルズたちの意見は、分かれます。
セルシは、セレスティアルを眠りにつかせて人類を救う時間を稼ごう、と提案しました。
しかし、使命に忠実なイカリスは、地球が破壊されてもセレスティアルを守るべきだ、と主張します。セレスティアルが誕生することで、新しい惑星に新たな知的生命体と文明が生まれるからです。
セルシ、セナ、ファストス、ドルイグ、マッカリの5人は彼らのエネルギーをユニ・マインドで集めてセレスティアルを眠らせようとします。
これに対してイカリスとスプライトは、セルシたちを邪魔しようとします。
デヴィアンツに殺されたアジャクとギルガメッシュ、それとエターナルズ同士の内紛に加わりたくないキンゴの3人は、最後の決戦に参加しません。
続きが気になる終わり方
結局、地上に頭と手だけ現した巨大なセレスティアルは、セルシによって石に変えられ、地球は救われました。
しかし、『エターナルズ』の結末は、続きが気になるところをたくさん残した終わり方になっています。
イカリスは死亡したの?
『エターナルズ』の終盤で、イカリスは死んだように思われますが、本当にイカリスは死んだのでしょうか?
他のエターナルズはイカリスが死んだと思っている
エマージェンスを阻止しようとするセルシをイカリスは、彼女を愛しているので殺せません。絶望したイカリスは、太陽に向かって飛んでいきました。
映画は、イカリスが太陽に突入して死んだかどうかは映さずに、別のシーンになります。このため、イカリスの生死は、誰にもわかりません。
結末でのキンゴのセリフから、エターナルズたちは、イカリスが死んだと考えていることは明らかです。
しかし、エターナルズの誰も、アジャクが死んだことを感じ取っていないため、どうしてキンゴがイカリスの死を確認できたかはわかりません。
ですが、セルシは、イカリスの妻でもありプライム・エターナルでもあるので、何か感じ取った可能性は高いです。
イカリスが生きている可能性はある
とは言え、イカリスが生きている可能性もあります。
イカリスは、太陽の熱も平気かもしれませんし、エリシェムがすかさず回収した可能性も捨てきれません。
イカリスの生死を明確にしなかったことで、マーベル・スタジオは、イカリスがMCUに再登場する可能性を残した、と言えます。
ちなみに、イカリスが太陽に向かって飛んでいく場面は、原作コミックにもあるイカルスの神話とイカリスを関連付ける象徴的なものです。
原作コミックのイカリスとイカルスの関係などについての解説は以下の記事をご覧ください。
生き残ったエターナルズの運命
地球の中から出現しようとしたセレスティアルを石に変えてしまったセルシたちは、その後、別々の道を歩むことにします。
宇宙に出発したエターナルズ
セナ、マッカリ、ドルイグの3人は、宇宙船ドモで地球を離れることにしました。
彼らは、宇宙にいる他のエターナルズを探して、セレスティアルズとエターナルズの真の目的を知らせる覚悟です。ポスト=クレジット・シーンで明らかになるように、彼らは早くも数週間後には、別のエターナルと遭遇することになります。
エリシェムに拉致されたエターナルズ
セルシ、キンゴ、ファストス、スプライトは地球に残ることにします。
セルシは、ユニ・マインドの残りのエネルギーで、スプライトを希望通り普通の人間に変えてやりました。スプライトは、大人になるまでキンゴが面倒を見ることになります。
ファストスは、家族を連れてサウス・ダコタ州にあるアジャクの農場に引っ越しました。
ロンドンに戻ったセルシは、デーン・ウィットマンから変わらぬ愛を告白されます。
そこに突然、エリシェムが姿を現し、セルシ、キンゴ、ファストスの3人を宇宙に拉致していきました。
スプライトはエターナルをやめて人間になったので、キンゴの付き人のもとに残されたと思われます。
セルシたちはどこに連れて行かれたの?
『エターナルズ』の結末で地球を電撃訪問したエリシェムは、セルシ、ファストス、キンゴの3人を拉致していきました。
セルシたちが連れて行かれた場所は、エターナルズが作られた「ワールド・フォージ」と呼ばれる場所だと思われます。
ワールド・フォージでは、エターナルズの生産が行われるばかりでなく、セレスティアルズがエターナルズの記憶を蓄積・分析して、新しい惑星や文明を作る資料にしています。
エリシェムは、セルシたちの記憶を分析するために、彼女たちを連れていきました。
エリシェムは、セルシたちの地球での記憶を研究して、彼女たちが地球を救った決断が正しかったかどうか判断する、と言いました。
エリシェムは、セルシたちが命令に反し、セレスティアルを犠牲にして地球を救った理由を知ろうとしています。
セルシたちの行動が間違っていたと判断したら、エリシェムは、再び地球を訪れて審判を下すつもりです。
デーン・ウィットマン/ブラック・ナイトとエボニー・ブレードの将来について考察
映画本編で出番の少なかったデーン・ウィットマン(キット・ハリントン)ですが、ポスト=クレジット・シーンで、今後MCUにおいて活躍する可能性が暗示されています。
エボニー・ブレードを受け継いだデーン・ウィットマン/ブラック・ナイト
ポスト=クレジット・シーンでデーン・ウィットマンは、エボニー・ブレードと思われる古い剣を前にしています。
映画の中で人類滅亡の可能性があると思ったセルシは、デーンに疎遠になっていた彼の伯父と会うようにすすめていました。
映画の結末で、デーンは、彼の家の複雑な過去をセルシに打ち明けようとしたところで、彼女をエリシェムに拉致されてしまいます。
ポスト=クレジット・シーンでデーンは、エボニー・ブレードと思われる古い剣を使って、セルシの行方を探そうとしているかのように見えます。
そこに突然、剣を手にすることでブラック・ナイトとなり、その名前に伴う試練を受ける覚悟があるか、と問いかける声がしました。
半吸血鬼ブレードがMCUに登場!
この声は、MCUで長編映画の製作が決定している吸血鬼と人間の混血・ブレード(マハーシャラ・アリ)の声です。
剣には「死がその報い(Death is his reward)」という謎めいたメッセージが……。
原作コミックで、デーン・ウィットマン/ブラック・ナイトが振るう魔法の剣・エボニー・ブレードは、使う者の魂を滅ぼす力がありました。
さらにデーン・ウィットマン/ブラック・ナイトは、吸血鬼の剣を手にしたこともあります。
キット・ハリントンが演じるデーン・ウィットマンのキャラクターが、次にMCUのどの作品で登場するかは2024年12月の時点で不明です。
ハリー・スタイルズのエロス/スターフォックスの将来について考察
『エターナルズ』のミッド=クレジット・シーンでは、さらに2人の重要なキャラクターがMCU初登場を果たします。
ハリー・スタイルズ演じるエロス/スターフォックスと、パットン・オズワルトが声を演じるピップ・ザ・トロールです。
ピップとエロス、宇宙船ドモに現れる
宇宙船ドモで地球を脱出したセナ、マッカリ、ドルイグの3人。彼らが、どうして今まで他のエターナルズの存在を知らなかったのだろうと不思議がっていると、奇妙な音ともにポータルが出現します。
そこから姿を現したピップは、宇宙の犯罪と戦う彼のパートナーを紹介。ピップは、エロス/スターフォックスをテレポーテーションの力で宇宙船に呼び寄せました。
エロス/スターフォックスは他のエターナルズの居場所を知っており、セナたちが彼らを見つける手助けをする、と言います。
MCUにサノス復活?
タイタンのエターナルであるエロス/スターフォックスは、サノスの弟にあたります。
エロス/スターフォックスに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
マーベル・コミックスでエロス/スターフォックスのコンビは、サノスの暴走を止めるため時空を超える冒険をしていました。
MCUで、サノスは消滅したことになっていますが、このポスト=クレジット・シーンが、MCUでのサノス復活につながるか、これからの展開が楽しみです。
結末のメッセージの意味を考察
映画『エターナルズ』は、「エターナルズは帰ってくる」と予告されて終わります。
具体的にエターナルズが、MCUのどの作品に再登場するかは、2024年12月の時点でわかっていません。
2024年7月のInverseの記事で、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、『エターナルズ』続編の計画は、現時点ではないと語っています。
しかし、ポスト=クレジット・シーンも含めて『エターナルズ』に登場したキャラが、将来長編映画やスピンオフのTVシリーズで登場する可能性は残されている、と思われます。
映画『エターナルズ』全体のメッセージを考察
『エターナルズ』の結末は、必ずしもスッキリするものではありません。しかしながら、映画全体は人間性に対する肯定的なメッセージにあふれています。
人間の感情を学んだエターナルズ
エターナルズは、セレスティアルズが作った高度に発達したロボットにすぎませんが、長い歴史の中で人間的な感情や葛藤を実感することになりました。
ドルイグは、自分の力を使って人間がお互いに傷つけ合うのをやめさせるため、アマゾンの奥地にコミュニテイを築いていました。ファストスは、自分のもたらした技術が原爆の基礎となってがっかりしますが、自分の家族を持つことで、再び希望を見出しています。
セルシは、地球に到着したときから地球と人類に愛着を持っています。任務に忠実なイカリスは、地球の運命と距離を置き、仲間のエターナルズと対立することになりました。
しかし、そのイカリスでさえも、セルシへの愛や仲間との友情を捨てきれず、人類を滅ぼすことはできません。
不合理な感情こそ人間性
人間は完璧なものではありませんが、エターナルズやセレスティアルズも人類から学べることがあります。
計算だけではわからない不合理な感情こそが人間の素晴らしさである、というメッセージを、映画『エターナルズ』全体から読み取れると思われます。
『エターナルズ』主要メンバーの死亡/生存リスト
この記事では、MCU映画『エターナルズ』の結末を徹底的にネタバレ解説しました。
最後に、エターナルズ主要メンバーの映画終了時における死亡/生存状況をリストにまとめておきます。
原作コミックのエターナルズは、何回も死から復活しています。コミックの設定を受け継ぐならば、今回の映画で死亡、行方不明となったエターナルズが、ドラマや映画で復活する可能性は十分にあります。
MCUに参戦したエターナルズに、また会える日が楽しみですね。
- アジャク:死亡
- ギルガメッシュ:死亡
- イカリス:行方不明(おそらく死亡)
- セルシ:行方不明(エリシェムに拉致される)
- キンゴ:行方不明(エリシェムに拉致される)
- フォストス:行方不明(エリシェムに拉致される)
- セナ:生存(宇宙船ドモで逃亡)
- マッカリ:生存(宇宙船ドモで逃亡)
- ドルイグ:生存(宇宙船ドモで逃亡)
- スプライト:生存(人間に変えられた)
- デーン・ウィットマン:生存