【映画用語】赤狩りとは

2022年7月13日水曜日

映画用語

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ダルトン・トランボ入獄時の写真(1950年)
赤狩りとは、共産主義や無政府主義など左翼思想が拡散・台頭することに対する社会や国家の恐怖を扇動することです。 ※この記事は映画用語集の一項目です。

アメリカ映画産業における赤狩り

アメリカ映画産業における赤狩りは、第2次世界大戦後の1940年代後半から1950年代にかけて特に盛んになりました。

映画界で特に有名な犠牲者は、「ハリウッド・テン」と呼ばれる共産主義との関わりが疑われた10人の映画脚本家や監督たちでした。

彼ら以外にも、この時期アメリカ娯楽産業全体で、俳優や監督、脚本家、音楽家で共産主義と関わりがあるとみなされたひとたちが、大手スタジオからの仕事をすべて断られています。

「ハリウッド・ブラックリスト」

このように共産主義者とそのシンパを芸能界の仕事から排除するのが「ハリウッド・ブラックリスト」です。

ちなみにこのブラックリストは、2005年から始まった、映画化されていない優秀な脚本を選ぶプロジェクトである「ブラックリスト(The Black List)」とは無関係です。

「ハリウッド・ブラックリスト」の根源

「ハリウッド・ブラックリスト」の根源は、1930年代に映画産業で製作者と労組、特にスクリーン・ライターズ・ギルドとの対立が激しくなったことにあります。

このころから業界内ばかりでなく、雑誌などで映画業界内の左翼思想の持ち主と思われる人物がリストアップされることになりました。

特に『ハリウッド・リポーター』の創始者・ウィリアム・R・ウィルカーソンが1946年に作成したリストが社会的に大きく取り上げられ、「ハリウッド・テン」の追放につながります。

ハリウッドにおける赤狩りの終焉

その後アメリカ娯楽産業では1950年代を通じて赤狩りの嵐が吹き荒れました。

映画界で赤狩りが一息つくのは、1960年に公開された映画『栄光への脱出』に「ハリウッド・テン」にあげられた脚本家・ダルトン・トランボがクレジットされたときであると見られています。

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