映画『オペレーション・フォーチュン』の作品情報
- 原題:Operation Fortune: Ruse de Guerre
- 監督:ガイ・リッチー
- 脚本:アイヴァン・アトキンソン、マーン・デイヴィース、ガイ・リッチー
- キャスト:ジェイソン・ステイサム、オーブリー・プラザ、ヒュー・グラント
- 公開日:2023年1月4日
- 上映時間:1時間54分
- 製作国:アメリカ合衆国、イギリス
『オペレーション・フォーチュン』は、『リボルバー』、『キャッシュトラック』などを送り出してきた、ガイ・リッチー監督とジェイソン・ステイサムが5度目のタッグを組んだスパイアクション映画です。
イギリス諜報局MI6御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュンは、100億ドルで闇取引されるという「ハンドル」と呼ばれる謎のデバイスを追跡・回収するミッションに雇われました。MI6とのコーディネーターであるネイサン、アメリカ人で毒舌の天才ハッカーのサラ、新米スナイパーのJJとチームを組んで作戦を始めたオーソンは、能天気なハリウッドスターのダニーを脅して任務に巻き込み、億万長者の武器商人グレッグに接近します。作戦が進むにしたがって、裏に隠された巨大な陰謀が明らかになっていくのでした。
主人公フォーチュン役をステイサムが演じ、サラ役をオーブリー・プラザ、JJ役を『ジェントルメン』にも出演したバグジー・マローン、フランチェスコ役をジョシュ・ハートネットがそれぞれ担当。武器商人グレッグ役は『ジェントルマン』や『コードネーム U.N.C.L.E.』といったガイ・リッチー作品でもおなじみのヒュー・グラントです。
映画『オペレーション・フォーチュン』予告編
動画を再生するには2回クリックして下さい。
映画『オペレーション・フォーチュン』のスタッフ
監督・脚本:ガイ・リッチー
ガイ・リッチーは1968年生まれ、イギリス出身の映画監督、脚本家です。
2019年に公開されたディズニー実写映画『アラジン』(2019年)で興行的に大成功を収めましたが、リッチー監督の原点は軽快なテンポと緻密なストーリーを特色とする犯罪(クライム)コメディでした。
その作風は彼の長編映画デビュー作である『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)ですでに明確になっています。この映画はロンドンのチンピラ4人組がギャングの大麻と金を奪うことを計画したことから、予測不可能なストーリー展開になる犯罪コメディ。主役の1人を演じたジェイソン・ステイサムの知名度を一気に上げた作品でもあります。
個性的なキャストを集めた群集劇、短いカットでテンポよく進むストーリー展開、2転3転して迎える予測不可能な結末といったリッチー監督の作風はこの映画で確立されました。
その後リッチー監督は、『スナッチ』(2000年)、『リボルバー』(2005年)『ロックンローラ』(2008年)と似たようなスタイルの作品を生み出していきます。
しかし、『ロックンローラ』以後リッチー監督は一般的な映画に進出します。特にロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウを主演に迎えた「シャーロック・ホームズ」シリーズ(2009-2011年)や前述の『アラジン』(2019年)は興行的に大成功を収めました。
『アラジン』と同じ年に公開された『ジェントルメン』でリッチー監督は、約10年ぶりにクライムコメディの原点に回帰しています。
映画『ジェントルメン』のあらすじなどの詳しい解説は、以下の記事をお読み下さい。
映画『オペレーション・フォーチュン』の登場人物とキャスト
以下に映画『オペレーション・フォーチュン』の主要登場人物を解説します。見出しは「役の名前:俳優の名前」の順番です。
オーソン・フォーチュン/ジェイソン・ステイサム
オーソンは、敏腕エージェントでイギリス諜報局MI6などからの臨時の依頼で仕事をしています。
オーソン役を演じるジェイソン・ステイサムは、今やアクションヒーローの代名詞ですが、リッチー監督の作品では、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のときからの常連でした。
サラ・フィデル/オーブリー・プラザ
サラはアメリカ人の天才的ハッカーです。
サラ役を演じるオーブリー・プラザは、父親はプエルトリコ系、母親はイギリス・アイルランド系のアメリカ出身の女優です。アメリカNBCのシチュエーションコメディードラマ『パークス・アンド・レクリエーション』にエイプリル役でレギュラー出演して知られるようになりました。
2022年に公開された犯罪映画『エミリー・ザ・クリミナル』で主演とプロデューサーを務めて、高く評価されています。
JJ/バグジー・マローン
JJは、新米スナイパーです。
JJ役を演じるバグジー・マローンは1990年生まれ、イギリス・マンチェスター出身のミュージシャン・俳優です。
俳優としてはガイ・リッチー監督作の『ジェントルメン』に出演しています。
ネイサン/ケイリー・エルウィス
ネイサンは、イギリスの諜報機関とオーソンたちを取り結ぶコーディネーターです。
ネイサン役を演じるケイリー・エルウィスは1962年生まれ、イギリス・ロンドン出身の俳優です。
1983年に『アナザー・カントリー』の美青年・ハーコート役で衝撃的なデビューを果たしたエルウィスは、その後ホラーからコメディまで、幅広いジャンルで活躍してきました。
2023年には『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のデンリンガー役で、やはりスパイを演じています。
ナイトン/エディ・マーサン
ナイトンは、オーソンたちに任務を依頼するイギリスの諜報機関の高官です。
ナイトン役を演じるエディ・マーサンは1968年生まれ、イギリス・ロンドン出身の俳優です。
ガイ・リッチー監督作では『シャーロック・ホームズ』(2009年)のレストレード警部役や、『ジェントルメン』のビッグ・デイヴ役で出演しています。
グレッグ・シモンズ/ヒュー・グラント
シモンズは、武器取引で財をなした億万長者です。
シモンズ役を演じるヒュー・グラントは1960年生まれ、イギリス出身の俳優です。
『モーリス』(1987年)や『日の名残り』(1993年)といった時代物で注目を集めた彼は、ロマンティック・コメディ『フォー・ウェディング』(1994年)で世界的に有名になります。
その後、『ノッティングヒルの恋人』(1999年)、「ブリジット・ジョーンズ」シリーズ(2001~2004年)、『ラブ・アクチュアリー』(2003年)といったヒット作に出演。なんとなく頼りなさそうで、礼儀正しく親しみの持てるキャラクターを演じて大人気を博します。
一方、2010年代に入って『クラウド・アトラス』(2012年)や『パディントン2』(2017年)で強烈な悪役の演技も見せるようになりました。
ガイ・リッチー監督の作品には、『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015年)のウェーバリー役や『ジェントルメン』(2019年)のフレッチャー役でおなじみです。
ダニー・フランチェスコ/ジョシュ・ハートネット
ダニー・フランチェスコはハリウッドのアクションスターです。
ダニー役を演じるジョシュ・ハートネットは1978年生まれ、アメリカ出身の俳優です。
1998年に『ハロウィンH20』や『パラサイト』といったホラー映画でデビューし、2001年には『パール・ハーバー』や『ブラックホーク・ダウン』といった戦争映画の話題作にも出演しています。
2023年には『オッペンハイマー』のアーネスト・ローレンス役を務めました。
ベン・ハリス/マックス・ビーズリー
ベン・ハリスはシモンズの弁護士です。
ベン・ハリス役を演じるマックス・ビーズリーは1971年生まれ、イギリス出身の俳優です。
テレビや映画の脇役として幅広く活躍し、ドラマ『SUITS/スーツ』などに出演しています。
マイク/ピーター・フェルディナンド
マイクは、オーソンと同じくフリーランスのスパイで、オーソンのライバルです。
マイク役を演じるピーター・フェルディナンドはイギリス出身の俳優です。地味ながら変幻自在のカメレオン俳優として、主にイギリス映画で活躍しています。
ガイ・リッチー監督作では『キング・アーサー』(2017年)に出演しています。
ジョン/ニコラス・フェイシー
ジョンはオーソンの元パートナーのハッカーです。オーソンは、ジョンは良かったと映画のなかで何回も言っており、マイクのチームに加わったことが示唆されますが、映画のどこで登場するかは不明です。
クレジットに名前があげられており、ナイトンのパソコンの画面に顔が出て、クライマックスの場面で登場するマイクの手下が似ている、という説があります。ちなみにジョンの代わりに組むことになったサラもハッカーです。
映画『オペレーション・フォーチュン』のあらすじ【ネタバレなし】
英国諜報局MI6御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュンに下された新たなミッション。それは100億ドルで闇取引されるとてつもなくヤバいブツ="ハンドル"を追跡・回収すること。
フォーチュンはMI6のコーディネーター・ネイサンや、クセ強の天才ハッカー・サラ、新米スナイパーのJJという即席チームを率いて行動を開始する。能天気ハリウッドスターのダニーを無理矢理任務に巻き込み、武器商人グレッグに大胆不敵に接近。
次第に明らかになっていく巨大な陰謀を、フォーチュンたちは阻止できるのか?そして、"ハンドル"の正体とは!?
映画『オペレーション・フォーチュン』のあらすじ【ネタバレ】
イギリス・ロンドン
ウクライナのマフィアが「ハンドル」として知られ、100億ドルの価値があると推定されるデバイスを盗み出しました。
イギリス政府は、億万長者の武器ディーラーであるグレッグ・シモンズがそれを最高額で売却する前に、ネイサンのチームを雇ってハンドルを回収することにします。
ネイサンは、スーパースパイのオーソン・フォーチュンをリーダーに、ハッカーのサラ・フィデル、スナイパーのJJデイビスなどからなるチームを結成します。
スペイン・マドリッド
チームはマドリッドに向かい、空港でハンドルからのデータを含むハードドライブを輸送する運び屋を待ち伏せます。
しかし、そこにマイクというネイサンのライバルが現れて、ハードドライブを強奪していきました。マイクは、ハンドルを回収するために何者かによって雇われたようです。熟練したハッカーであるサラは、ハードドライブがマイクに奪われる前に、その内容をコピーすることに成功しました。
アメリカ・ロサンゼルス、フランス・カンヌ
シモンズがカンヌでチャリティガラを開催する計画を知ったチームは、シモンズのお気に入りの映画スターであるダニー・フランチェスコを脅して、チームがシモンズのヨットに潜入するのを手伝うように説得します。
オーソンはダニーのマネジャーに、サラはダニーのガールフレンド・ミケーラになりすまして、ダニーと一緒にシモンズのヨットで行われるチャリティガラに参加しました。
ダニーがシモンズの気を引いているすきに、オーソンとサラは、シモンズがハンドルを誰に売却するか探るため、彼のヨットに盗聴器を仕掛けました。
ウクライナ、トルコ・アンタルヤ
シモンズはダニーとサラをトルコのアンタルヤの別荘に招待します。
オーソンは、強盗に見せかけてウクライナのマフィアの家に潜入し、彼らのコンピュータにハッキングするプログラムをインストールしました。
イギリス政府は、ハンドルが世界中のどんなセキュリティシステムでも打破できる高度なAIであることをネイサンに警告します。
ハンドルの引き渡しがアンタルヤで行われることを知ったチームはトルコに向かいます。
シモンズがダニーに彼のコレクションを見せている間に、サラはシモンズのパソコンをハッキングしました。サラはハンドルに関する情報は入手できませんでしたが、シモンズを脅すのに使える情報をコピーします。
一方、オーソンとJJはトルコ政府内のシモンズの内通者の一人に張り込んでいます。内通者と連絡を取っていたのは、シモンズの弁護士・ベン・ハリスでした。オーソンはベン・ハリスを尾行しますが感づかれて乱闘になり、ベン・ハリスは展望台から転落して命を落とします。
オーソンはベン・ハリスになりすましてハンドルの引き渡しを行いますが、マイクとその部下が介入し、ウクライナのマフィアは皆殺しにされ、ハンドルが盗まれます。
この事件により、マイクはイギリス政府の依頼ではなく、独自に行動していることが明らかになりました。
ハンドルが奪われて手数料がふいになった上に、オーソンたちに弱みも握られているシモンズは、彼らに協力することにしました。
シモンズは、ハンドルの最終的な購入者がバイオテックの巨頭であるトレントとアーノルドであることを明かします。
トレントとアーノルドはハンドルを使用して世界的な金融崩壊を引き起こし、自分たちはその前に貯め込んだ金を使って大儲けするつもりだったのです。
シモンズはダニーを連れて、ハンドルがトレントたちに引き渡されて起動されるタワーに向かいます。
オーソンとJJが地上階の厳重なガードをクリアする間、シモンズとダニーはハンドルの取引を行うためにタワーに上がりました。
シモンズはトレントたちの目の前でミサイル攻撃を行って見せ、手数料が支払われない場合には彼らの愛する人々を非常に簡単に排除できることを示して、手数料をよこせと脅します。
シモンズとダニーは、彼らに考える時間を与えて立ち去りました。トレントとアーノルド、それにマイクたちは仲間割れを起こし、同士討ちを初めて全滅。オーソンが到着すると、残っているのはマイクだけでした。オーソンはマイクを排除し、ハンドルを回収します。
ドーハ
ネイサンは、オーソンたちのチームに別の仕事を提供しますが、彼らは休暇に行くことを決定します。
オーソンたちは、ウクライナのマフィアの別荘で奪った貴金属から得た収益を使って、ダニーの新しい映画に投資していました。ダニーの新作映画はアンタルヤでの出来事を描写したもので、ダニーがシモンズを演じ、シモンズがセットプロデューサーとして参加していたのです。
映画『オペレーション・フォーチュン』の結末をネタバレ解説
マドリッド空港の強盗事件では何が起きましたか?
マドリード空港でオーソンたちは、ハンドルに関する重要な情報が格納されたハードディスクを運ぶ人物を待ち伏せていました。
空港でオーソンは、彼のチームがハンドルを調査している唯一のチームではないことを発見します。
ネイサンはナイトンと協議し、イギリス政府の他の機関がオーソンのライバルであるマイク率いる別のスパイチームを雇ったのではないかと推測します。
マイクにハードディスクを奪われる直前に、サラがコピーに成功。ハンドルは孤児の子供たちのためにカンヌでチャリティガラを開催しているシモンズが仲介して売りに出されていることがわかりました。
ネイサンとオーソンはなぜダニー・フランチェスコをチームに加えたのですか?
シモンズを欺いて彼に近づくために、オーソンはシモンズのお気に入りの映画スター・ダニー・フランチェスコを仲間にすることに決定します。その目的はガラが開催されているヨットに潜入するためです。
ダニーはオーソンから突然アプローチされたとき、最初は断りますが、義理の妹との親密な関係の動画をオーソンたちに握られていることを告げられ、チームに参加するように脅迫されます。
サラはダニーのガールフレンド、オーソンはダニーの新しいマネージャーに扮装し、彼らはダニーとともにシモンズのヨットに乗り込みました。
ダニーに魅了されたシモンズが彼と話し込んでいるすきに、オーソンとサラは彼のコンピュータネットワークに侵入し、ヨット上のギャングスターたちを倒します。
ダニーが次の映画の役が風変わりな億万長者の役であると言うと、シモンズは喜んで、自分自身がその役のインスピレーションになると言い出し、ダニーをガールフレンドと一緒に自分の豪華なリゾートで休暇を過ごすよう招待します。
『オペレーション・フォーチュン』の「ハンドル」とは何ですか?
シモンズの別荘を調査し、ウクライナのギャングの隠れ家に侵入した後、オーソンたちは「ハンドル」が世界の金融市場を混乱させる能力を持つ高度な人工知能プログラムであることを発見しました。
ハンドルの最終的な買い手は、2人のバイオテックの富豪でした。彼らは世界の金融インフラを麻痺させて通貨の価値を失わせることで、金を貯め込んでいる自分たちが世界経済を握る計画でした。
シモンズはハンドルを富豪たちに売る仲介手数料を儲ける目論見でしたが、マイクにハンドルを奪われたため、オーソン、ダニー、サラから次の任務に協力するよう説得されました。
なぜマイクは裏切ったのですか?
マイクを雇ったのは政府ではなく、富豪たちがハンドルを手に入れるために彼を雇っていたのです。彼はハンドルの引き渡し場所をヘリコプターで襲撃してウクライナのマフィアを皆殺しにした上、オーソンからハンドルを奪います。
一方、サラとダニーは正体を見破られてシモンズのガードマンから追跡されますが、かろうじてマイクの攻撃を生き延びたオーソンによって救われました。オーソンたちは富豪たちがハンドルを起動する計画を知り、それを阻止しようとします。
なぜシモンズとダニーが「ハンドル」を止めに行くのですか?
シモンズとダニーがハンドルを起動するタワーに乗り込んだ目的は、富豪たちの気をそらして、オーソンがタワーに侵入する時間を稼ぐためです。
シモンズは、自分が富豪たちの家族を簡単に排除できると言って脅します。富豪たちは脅しに屈しますが、マイクが予想外に裏切り、デバイスを自分のものにしようとして、同士討ちが始まり、ハンドルの起動どころではなくなりました。
オーソンが最終的にトップレベルにたどり着くころには、富豪やボディガードたちは銃撃戦で死んでおり、オーソンは1人残ったマイクと対決して、ハンドルの回収に成功。オーソンはついに復讐を果たしたのでした。
オーソンは別の任務を提供されますか?
ミッションを完了した後、オーソン、J.J.、サラはネイサンと会うためにドーハに向かいます。ネイサンはチームに別の任務があると伝えますが、オーソンはまず豪華な休暇に行くことに決めます。
映画の最初でナイトンは、オーソンが急な海外休暇を取る傾向があるため、彼を雇うことに疑念を抱いていました。オーソンは仕事の後はしっかり休養を取ることに決めているようです。
ネイサンはオーソンに数日後に戻るように説得しようとしますが、彼はJ.J.とサラと一緒に数週間の旅行に出発します。
『オペレーション・フォーチュン』にはポストクレジットシーンがありますか?
クレジットの後に短いシーンがあり、それはダニーの新しい映画のセットの場面です。
実はダニーはミッションを次の役の研究に使用していました。
ダニーは、シモンズに似たキャラクターに扮しています。ダニーが撮影しているシーンは、映画のクライマックスでバイオモーグルたちに対決する場面を再現したもので、シモンズが放つ恐ろしい脅しの言葉も、一字一句変えずにセリフに取り入れられていました。ダニーがカメラの後ろに回ると、シモンズがスタッフの一員に加わっていることが明らかになります。
『オペレーション・フォーチュン』に続編はありますか?
結末で次のミッションの可能性に言及されていることから、『オペレーション・フォーチュン』には続編が製作される可能性は十分あります。
オーソン、サラ、JJのトリオの息もあってきましたし、ダニーとシモンズもなかなか良い化学反応を見せていました。
しかし、興行収入の成績が映画の続編の制作の有無をほとんど決定することから、『オペレーション・フォーチュン2』は難しいかもしれません。
リッチーの最近の映画が大ヒットする傾向があったのとは異なり、『オペレーション・フォーチュン』はあまり成功していません。
アメリカ国内公開の2か月前に、特定のヨーロッパ諸国で公開され、興行収入は3,000万ドルしか稼ぎませんでした(Box Office Mojoより)。アメリカでの初週末も成功せず(ただし、『クリード 過去の逆襲』と競合していたことはまずかったです)、予算の5,000万ドルを回収する可能性が低いため、続編は難しい状況です。
最大の問題はマーケティングです。映画は2021年末からマーケティングが本格的に始まり、2022年1月から2月にかけて公開が段階的に始まる予定でした。しかし、ウクライナの情勢が緊迫したため、2022年2月に公開の延期が発表されました。原因は『オペレーション・フォーチュン』のギャングの多くがウクライナ人だったからです。公開延期を決定したスタジオの判断は正しかったかもしれませんが、映画が公開されなかったため、マーケティングは大きな打撃を受けることになりました。
しかし、興行収入が悪い映画でも、ストリーミングプラットフォームで観客を獲得することがあります。『オペレーション・フォーチュン』がストリーミングで人気が出てくれば、ライオンズゲートは続編の検討を考える可能性があります。
続編製作にあたり、スタジオはキャストを再び集めるという問題も抱えています。『オペレーション・フォーチュン』にはジェイソン・ステイサムをはじめ、集客力のあるAリストの映画スターがたくさん出演しており、続編の開発を進める上で、この問題は最も簡単に解決できます。
ジェイソン・ステイサムとヒュー・グラントはリッチーとの常連コラボレーターであり、他の俳優たちもスクリーン上で楽しんでいるように見えるため、スターの力だけならば『オペレーション・フォーチュン2』が実現する可能性は充分にあります。