『ロキ』シーズン2はシーズン1と直結している
『ロキ』シーズン2は、『ロキ』シーズン1の結末に直結して始まります。
『ロキ』シーズン1のあらすじのまとめと、シーズン2のすべてのエピソードのあらすじは、以下の記事をお読み下さい
シルヴィによってタイムドアに放り込まれたロキは、TVAに到着します。しかし、そこは今までなかった「在り続ける者」の像が林立し、味方となったはずなのに彼のことを認識しないメビウスがいる、見知らぬTVAでした。
幸運なことに、そして驚くべきことに、ロキがどこに、正確にはいつに到達したのかという謎はすぐに解明されます。
シーズン2の始めは過去のTVA、別の時間軸ではない
『ロキ』シーズン1の終わりで、ロキが別のTVAにたどり着くと、彼は自分が出発した場所とは異なる別のタイムラインの分岐に迷い込んだ可能性があるかのように見えました。
しかし、『ロキ』シーズン2第1話で、そうではなかったことがすぐに明らかにされます。
ロキはTVAの過去に送られたことがわかります。ロキは彼のことを認識しないTVAで逃亡していたとき、床の大理石に大きなキズをつけてしまいました。次にロキが彼のことを認識する人たちがいるTVAに移動したとき、床の同じ場所にキズが残っていました。彼がシーズン1の結末に到着したTVAは、それまでの時間軸を共有する過去のTVAで、別の時間軸ではなかったのです。
メビウスが彼を認識しない理由も明らかになりました。彼らはまだ出会っていないのですから当然ですね。しかし、過去のTVAに在り続ける者の像があった理由はまだ謎のままです。
ロキはタイムスリップを繰り返している
彼自身や視聴者には理由が分かりませんが、ロキは「タイムスリップ」をコントロールできない状態に苦しんでいます。
これにより『ロキ』シーズン2第1話でロキは過去、現在、未来の間を行き来することになります。
エピソードの終わりに、この現象は解決したようですが、実際に効果があったかどうかは、時間が教えてくれるでしょう。
在り続ける者は過去のTVAでは知られていた
『ロキ』シーズン1の大きなプロットの転換点は、実はタイムキーパーはただのアンドロイドで、時の終わりに隠れ住む「在り続ける者」がタイムキーパーを使ってTVAをこっそり操っていたということです。
しかし、『ロキ』シーズン2は、TVAが最初からそうだったわけではなかったことを明らかにします。ロキが不本意に繰り返し訪れる過去のTVAでは、タイムキーパーの絵画、彫像は在り続ける者に置き換えられています。
TVAの歴史のある時点で在り続ける者は考えを変え、自分自身のイメージを取り除いて、職員の記憶を抹消したのかもしれません。
ラヴォナ・レンスレイヤーはマルチバース戦争で在り続けるものに協力していた
ロキが過去のTVAに迷い込んだとき、彼は壁に取り付けられたテープレコーダーから録音を再生します。
その声は、明らかにジョナサン・メイジャーズが演じる在り続ける者の声です。興味深いことに録音では、無数のカーンの変異体が戦い、時間さえもがほとんど壊れかけたマルチバース戦争で勝利を収めたことで、在り続ける者がTVAのラヴォナ・レンスレイヤーに対して感謝する言葉が残されていました。
彼女のこの時の記憶は消されたのか、そしてそれが未来にどう影響するかはまだわかりません。
TVAに時間は存在する!
TVAのユニークな要素の1つは、それが時間の外に存在するとされていることです。
しかし、ロキのタイムスリップは、TVAのなかにも時間が存在することを示唆しています。
ウロボロスはこの状態について詳しく知っているようですが、時間のない場所で時間旅行をすることは意味がないと思っているようです。
しかし、時間旅行が可能であること、そして、第1話でTVAのエージェントの記憶消去についてさらに示唆されていることから、TVAは以前に考えられていたよりも伝統的な環境のなかに存在していることは間違いありません。
ただし、それがどこで、いつなのかはまだ謎のままです。
魅力的な謎の新キャラ・ウロボロス
『ロキ』シーズン2で加わった新キャラのなかで最も魅力的なのは、キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー助演男優賞を受賞!)演じるTVAのエンジニア、ウロボロスです。
TVAやその設備について本まで書いたというウロボロスは、シーズン全体でさまざまな興味深い情報を明らかにしてくれると思います。
しかし、彼についてはもっと複雑な謎の部分があるようです。
ウロボロスは、メビウスが彼を400年前に訪れたことを覚えていましたが、メビウス自身はそのことを覚えていませんでした。
これはメビウスの単なる物忘れだったのでしょうか? ウロボロスは、記憶を一度も消去されたことのない、唯一のTVAエージェントである可能性も捨てきれません。
ちなみにウロボロスとは、古代世界に広く見られたシンボルの1つで、自分の尾を噛んで環のようになったヘビもしくは竜を図案化したものです。
MCUのウロボロスについての詳しい解説と考察は、以下の記事をお読みください。
ロキのタイムスリップが意味すること
『アベンジャーズ: エンドゲーム』で時間旅行が主要な要素として導入されたとき、それはMCU内で時間旅行がどのように機能するかも定義しました。
MCUにおける時間旅行のルールは、過去に行われた変更は時間旅行者自身の未来に影響を与えない、ということです。過去に変更が加えられると、そこから新しい分岐したタイムラインが形成されるからです。
このルールで理論的には、時間旅行者が自分自身の存在を消すことができるという「祖父のパラドックス」を回避できます。
しかし、シーズン2第1話でロキがタイムスリップした過去での行動はこれに矛盾し、即座に未来に影響を与えていました。
例えば、現在のウロボロスは、ロキが過去にタイムスリップして彼と話すのと同時に、ロキと過去に出会ったことを思い出すようになっています。過去から未来に影響を与える能力は非常に強力であり、将来のカーンとの戦いにおいてカギとなるかもしれません。
時間織り機の機能
『ロキ』シーズン2第1話で、TVAは電力の問題が発生しています。
ウロボロスたちはすぐに、これは巨大な時間織り機に問題があるためであると察知します。
この機械が具体的にどのように機能するかは詳細に説明されていません。大まかに言って時間織り機は、時間のすべての枝を切り取ってまとめ、それらを一定の安定した形状を持つ単一の物理的な糸に集めています。
しかし、TVAが(おそらく一時的に)剪定を停止したため、時間織り機はタイムラインで過負荷になっています。それを修正する唯一の方法は剪定を再開することですが、それは同時に何百万人もの人々の人生を奪うという恐ろしい選択肢です。
時間織り機の機能は、北欧神話において世界の中心に生えてさまざまな世界に通じる一本の神聖な木である世界樹、ユクドラシルを想起させます。虹色の光は「ソー」シリーズでさまざまな世界の間を瞬時に移動できる虹の橋、ビフレストに似ています。
時間織り機が収納されている部屋に通じるドアですが、どこかで見たような……。
実はこのドアのデザインは、映画「X-メン」シリーズで登場するセレブロのドアにそっくりだとファンの間で話題になっています。
ロキのタイムスリップは時間織り機で解決した?
ロキのタイムスリップは原因不明ですが、ウロボロスは彼とメビウスに、それを止めるには時間織り機を使うことができると説明します。
メビウスは、時間織り機が収納されていると見られる大きな部屋に入って時間オーラ抽出機をセットし、それからロキが正確なタイミングで自分自身を剪定できるようになったら、彼をタイムラインから引きずり出す計画です。
この計画はタイミングがカギですが、最後に見かけ上はうまくいったようです。物語が進むと、ロキのタイムスリップが本当に修正されたかどうかがわかるでしょう。
ロキは未来でシルヴィと再会した!
ロキはメビウスが時間織り機で抽出器をセットするのを待っている間、初めて未来へとタイムスリップします。
未来のTVAでは、職員たちが退去しているようです。このことは時間織り機の過負荷と関係があるかもしれません。
ロキは自分を剪定するのに必要なタイムスティックを見つけることができません。途方に暮れて廊下を歩いていると、ロキはエレベーターの扉を押し開けてシルヴィが現れるのを見かけます。その瞬間、ロキは背後から何者かによって剪定されて、メビウスの待つ現在のTVAに戻りました。
ロキを剪定したのは誰で、なぜシルヴィが現れる直前に彼の周りで謎の電話が鳴っていたのか、これらの謎は別のエピソードで明らかにされることになります。
シルヴィの行く先は?
『ロキ』シーズン2第1話には、短いミッド=クレジット・シーンが含まれていました。そこでは、シルヴィが『ロキ』シーズン1の最終回で在り続ける者を殺した後、どこに行ったのかが明らかにされます。
シルヴィの行き先は1982年のオクラホマ州ブロクストンですが、彼女はそれを意図的に選んだようには見えません。
コミックでブロクストンは、ソーがラグナロクの後にアスガルドを再建する地でした。コミックでシルヴィのモデルの1人であるシルヴィ・ラシュトンの出身地もブロクストンです。
MCUでニュー・アスガルドはノルウェーにあることになっていました。『ロキ』シーズン2でシルヴィがブロクストンで新生活を始めるのは、コミックへのオマージュとなっています。
シルヴィは、ファーストフードレストランに入って、新たな自由を実感します。『ロキ』シーズン2の第1話は、「何でも試してみたい」と言う彼女の希望に満ちた言葉で締めくくられました。