映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)用語まとめ

2023年8月27日日曜日

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映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)
この記事では映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)を鑑賞するのに役立つ用語を五十音順にまとめています。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)の用語をまとめてみた!

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の原作小説は世界観が丁寧に作り込まれており独特な用語が頻出します。

映画のなかで説明はほとんどされないため、あらかじめこれらの用語を知っておくと映画を理解しやすくなります。

そこで、この記事では『デューン/砂の惑星』で使われる独特な用語などを、原作小説をもとに五十音順でまとめてみました。

映画の場面の引用はすべて新作映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)からです。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)のネタバレも含むあらすじや登場人物の紹介は以下の記事をご覧ください。

この記事では映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)のあらすじと登場人物をネタバレも含めて解説し、原作小説との比較考察を行います。

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10月15日に公開された『DUNE/デューン 砂の惑星』は、フランク・ハーバートのSF文学の古典を豪華キャストで映像化した作品だ。

ア行

アムタル

アムタル(アムタル・ルールとも)はあるものの限界や欠点を見出すためテストをおこなうことを定めたフレーメンのしきたりです。物であれば破壊試験、人間であれば生命をかけた決闘になります。

映画の終盤でジャミスはジェシカやポールが予言に現れる人物であるか試すために、アムタルに従って命をかけた決闘を求めました。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)の結末についての詳しい解説と考察は以下の記事をご覧ください。

この記事では映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)の結末をわかりやすく解説し、その意味を考察します。映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)と原作のネタバレを含みますので未鑑賞の方はご注意下さい。

アラキス

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

アラキスは物語の主な舞台となる砂ばかりの惑星です。砂漠ばかりなことから砂丘を意味するデューンという別名でも知られます。北部に都市アラキーンがあり、惑星の大部分を占める砂漠には先住民であるフレーメンが住んでいます。

アラキーン

アラキーンは惑星アラキス北部の都市です。周りを天然の壁に囲われており守備がしやすいことから、レト・アトレイデス公爵はここをアラキスの拠点とします。

ヴォイス

ヴォイスはベネ・ゲセリットが教える特殊な声音で人を操る技術です。

映画の冒頭でジェシカはポールにヴォイスを使う練習をさせています。映画の中盤でハルコネン家の手下に捕まったポールとジェシカは兵士にヴォイスで拘束を解かせて脱出しました。

オーニソプター

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

オーニソプター(羽ばたき飛行機、略称ソプター)とはトンボのように羽ばたきで空を飛ぶ小型飛行機です。垂直離着陸機のように長い滑走路を必要とせず離着陸が可能な上、高速で飛行できます。

オーニソプターは偵察、少人数の人員輸送、気象観測などに用いられ、武装とシールド発生装置を搭載したモデルもあります。

カ行

カラダン

カラダンはアトレイデス家の故郷である水と緑が豊かな惑星です。

キャリーオール

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

キャリーオールは惑星上で大型機材の運搬に使われる飛行機です。画像奥に小さいですが気球のように見えるのがキャリーオールです。

映画ではサンドワームが出現したとき砂漠からスパイス採掘機を救出するのに駆けつけます。

教母

教母の本来の意味はベネ・ゲセリットの学監(校長)。「光をもたらす毒」と呼ばれる多量のスパイスを摂取して高度な意識のレベルに達した女性です。

フレーメンの間にも同じような儀式を通過した宗教的指導者である教母が存在します。

フレーメンの教母は、サンドワームが溺れ死ぬときに分泌する「生命の水」と呼ばれる液体を飲むことで祖先の集団意識を受け継いだ女性です。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

原作小説ではジェシカがこの儀式を経てフレーメンの教母になっています。

ギルド

スペーシング・ギルド(略称ギルド、宇宙協会とも)はベネ・ゲセリットと並ぶ精神と身体を訓練する教育機関。

ギルドは星間の旅行、輸送、金融を独占しており帝国を支える3つの柱のひとつに数えられる重要な機関です。

クイサッハ・ハデラッハ

「道の短縮」、すなわち近道を意味する言葉。ベネ・ゲセリットが人間の交配計画によって生み出そうと長年画策してきた超能力者のことを指します。

集団記憶によって人類の記憶をすべて保持し、未来を予見する能力の持ち主です。

クリスナイフ

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

クリスナイフは惑星・アラキスの先住民・フレーメンの神聖なナイフ。サンドワームの歯を加工して作られ、長さ約20センチほどです。

ゴム・ジャッバール

ゴム・ジャッバールとは「強引な敵」という意味ですが、具体的には刺されると即死する毒針を指します。

ベネ・ゲセリットはこの毒針を人間の覚醒度や意志の強さを試す試験に用います。

映画の序盤でポールはベネ・ゲセリットの教母からこのテストを受けました。

サ行

サルサ・セクンドゥス

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

サルサ・セクンドゥスは皇帝コリノ家の故郷の惑星です。この惑星の狂信的な近衛兵軍団サルダウカーの軍事力でコリノ家は宇宙を支配する皇帝になりました。

コリノ家が都をカイテインに移してからは、帝国刑務所の所在地になっています。

惑星・アラキスの先住民・フレーメンはアラキスに移住する前にサルサ・セクンドゥスで9世代に渡り奴隷にされていたと言い伝えられています。

サーダカー

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

サーダカーは皇帝の狂信的な近衛兵。子どものときから厳しい訓練を受け、敵を殲滅するためには自分の身の危険をいとわない恐ろしい兵士たちです。

惑星・アラキスのアトレイデス家に対する攻撃にはハルコネン家の兵士に混ざって参加していました。フレーメンの不倶戴天の敵です。

サンドクローラー

「ハーベスター」の項目をご参照ください。

サンドワーム(砂虫)

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

サンドワームは惑星・アラキスの砂漠に生息する巨大な砂虫、全長400メートル以上になる個体も見られます。

アラキスの先住民・フレーメンから神聖視されており、シャイ=フルード、「砂漠の主」、「永遠の父」、「砂漠の祖父」、「メーカー」などと呼ばれています。

あだ名の通り非常に長寿で、同じサンドワームに食べられるか水に溺れでもしなければ死にません。

フレーメンは「メーカー・フック」と呼ばれる特殊なフックを使ってサンドワームの背中に乗って砂漠の中を移動します。

サンパー

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

サンパーはサンドワームをおびき寄せるため地面に挿して一定間隔で振動を送る装置です。

カインズ博士がサンドワームに乗って逃げようとするときに使っています。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

ちなみに彼女が手に持っていたのはサンドワームの上に乗って操るための「メーカー・フック」と呼ばれる特殊なフックです。

ジェディ・プライム

ジェディ・プライムはハルコネン家の故郷の惑星です。

シーチ

シーチとはフレーメンで「危険が迫ったときに集まる場所」という意味です。

砂漠の危険を避けるためフレーメンは部族共同体で洞窟に集まって生活しているため、一般的にシーチは部族が住む洞窟を指します。

シールド

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

シールドはホルツマン・ジェネレータによって体のまわりに作り出される防御フィールドです。シールドはゆっくりと移動する(設定により秒速6~9センチメートル)物体しか通しません。

レーザー光線に触れると亜原子核融合を起こして大爆発するため、シールドをつけている相手とは剣で戦うことになります。

映画ではシールドが有効で攻撃を防ぐと下図のように青い光が発せられます。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

これに対してシールドの効果がなくダメージを受けるとその部分が下図のように赤く光る演出です。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

シールド・ウォール

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

シールド・ウォールは惑星・アラキスの北部の山岳地帯で、コリオリ嵐の影響をまともに受けないわずかな地域です。

上の画像中央奥にアラキーンの街が小さく見えます。

スティル(保水)スーツ

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

スティルスーツは惑星・アラキスで開発された全身を覆う服。その素材は体が放出する熱を発散させ水分を吸収するマイクロ・サンドイッチです。

濾過されてキャッチポケットに集められた水を飲むことで、砂漠における体からの水分の損失を最低限に抑えられます。

スティルテント

スティルテントはスティルスーツと同じマイクロ・サンドイッチの布で作られ、中の人の水分を逃さない砂漠で使うテントです。

映画の後半で砂漠に逃げたポールとジェシカが使っています。

スパイス(メランジ)

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』で「スパイス」と言えば「スパイスのなかのスパイス」すなわちメランジと呼ばれる麻薬のことです。

メランジが生じる過程にはサンドワームが関与しているため、メランジは惑星・アラキスの砂漠でしか採取できません。詳しいことは「リトル・メーカー」の項目をご参照ください。

メランジは不老長寿や認知力を高める効果がありますが、中毒性があるため摂取には注意が必要です。

星間飛行をする宇宙船のパイロットは覚醒剤として常用しています。

ポールはメランジを吸引したことで予知能力が高まりました。

ソラリ

ソラリは帝国の通貨単位です。その購買力は皇帝、スペーシング・ギルド、大公家連合の3者の交渉で決められます。

タ行

タハディ・アル=ブラン

タハディ・アル=ブランは「やり直しのない究極の試練」という意味の言葉です。

タハディ・チャレンジ

タハディ・チャレンジはフレーメンが重要な問題を解決するために生命をかけた決闘を申し込むことです。

映画の終盤でジャミスがポールに申し込んだ決闘がタハディ・チャレンジです。

ハ行

ハーベスター

ハーベスター、またはハーベスター・ファクトリーは全長120メートル、全幅40メートルほどの巨大なスパイス(メランジ)採掘機です。

下図はハーベスターがサンドワームに飲み込まれていく場面です。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

甲虫のようなボディに無限軌道がついている姿から、アラキスの砂漠でスパイスを採取する機械はクローラーまたはサンドクローラーと呼ばれます。

パラコンパス

パラコンパスは局地的な磁気の変則から方角を特定できる装置です。対応する図表があれば磁気嵐などのなかでも使えます。

ハンター・シーカー

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

ハンター・シーカーは遠隔操作で空中を移動する小型の武器。ポール暗殺未遂事件で使われました。

フレムキット

フレムキットはフレーメンが使う砂漠で生き残るためのキットです。

映画では砂漠に捨てられるポールとジェシカが生き残れるようにユエ博士が羽ばたき飛行機のなかに隠してくれていました。

フレーメン

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

フレーメンは惑星・アラキスの砂漠に昔から住み着いている先住民です。スパイスを長年に渡って摂取してきたことで眼が青くなっています。

ベネ・ゲセリット

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

ベネ・ゲセリットは女子の精神的、身体的訓練を行う教育機関です。ポールの母・レディ・ジェシカもベネ・ゲセリットの教育を受けました。

ここで訓練を受けた女性は相手が本当のことを言っているかどうか見分ける力や、自分の声で相手を思い通りに動かす「ヴォイス(声)」といった超能力を持っています。

さらに部外者から「ウィアディング(魔法) 」と呼ばれる特殊な武術も身につけています。

このような能力や、奉仕のためだけに生きるという思想を徹底的に叩き込まれたベネ・ゲセリットの女性は王室や公家の妻として引く手あまたです。

このことを利用してベネ・ゲセリットは人間の交配計画で超能力者を生み出そうと長年画策しています。

マ行

マーディ

マーディはフレーメンの間に伝わる救世主伝説で「私たちを楽園に導く者」という意味です。

リサン・アル・ガイブと並んでフレーメンの救世主信仰の重要な概念です。

映画ではチャニが終盤の決闘の前にポールのことをマーディとは思えない、と言っていました。

ムアッディブ

 

ムアッディブは砂漠に住むカンガルーネズミを指すフレーメンの名称、砂漠のなかで生き残る能力からフレーメンの間では一目置かれる存在です。

月のうさぎのようにフレーメンはアラキスの衛星表面の模様がカンガルーネズミであると信じています。

映画のなかではポールとジェシカが休息する砂漠のテントの上に見られました。

原作小説でフレーメンの一員として受け入れられたポールは、「ポール=ムアッディブ」を新たな名前として選びます。

メランジ

「スパイス」の項目をご参照ください。

メンタート

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)

メンタートは高度な論理学の教育を受けた人間コンピュータです。君主のために戦略、陰謀、暗殺などを計画します。

アトレイデス家のスフィル・ハワトやハルコネン家のパイター・ド・ヴリースがメンタートの例です。

メンタートが必要になった理由は、はるか昔、思考機械と人間との間に大戦争(ブレトリアン・ジハド)があってから、人類は人工知能を作らないことにしたからです。

ラ行

リサン・アル・ガイブ

リサン・アル・ガイブは「外界からの声」という意味で、外の世界からやって来る預言者を指します。この信仰はベネ・ゲセリットの布教使節団がフレーメンの間に植え付けたものです。

アラビア語に由来する用語でリサンは「舌」、アル・ガイブは「隠された、見られていない」という意味です。デューンの世界では「水を与えるもの」という意味も持っています。

「マーディ」と並んでフレーメンの救世主信仰の重要な概念です。

フレーメンはポールとジェシカが予言に約束された救世主であると信じ、彼らがアラキスに到着したとき「リサン・アル・ガイブ」と呼びかけていました。

リトル・メーカー

サンドワームになる前の段階の植物と動物の中間の生物。リトル・メーカーの分泌物がスパイス(メランジ)の原料となります。

リトル・メーカーからサンドワームが生まれ、サンドワームは砂漠にスパイスを撒き散らします。それを餌にしたサンド・プランクトンと呼ばれる微生物がサンドワームの餌です。

このサンド・プランクトンが成長して地中に潜伏してリトル・メーカーになる、という循環になっています。

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