映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』の新キャラ・ブラッドスポートってどんなキャラ?
映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は2021年8月に公開されたDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の最新作。DCコミックスの“極”悪党が集結するこの映画で新しくDCEUに参戦するキャラの1人が射撃の名手・ブラッドスポートです。
DCEU映画ではマーベル(MCU)の「マイティ・ソー」シリーズでヘイムダル役を演じたイドリス・エルバがブラッドスポートに扮しています。
DCコミックスではクリプトナイト銃でスーパーマンを病院送りにしたブラッドスポート。この設定は映画にも引き継がれていますが、映画のブラッドスポートはリーダーの素質のある落ち着いた性格です。
さらに映画のブラッドスポートはハイテク装備のボディアーマーにヘルメットを装備しています。
この記事ではこのような映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の新キャラ・ブラッドスポートについて解説します。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のあらすじとブラッドスポートの役割
アメリカ政府の高官・アマンダ・ウォラーは刑務所に収監されている極悪犯罪人を選抜して「タスク・フォースX」という特殊部隊を組織します。超人的な犯罪者たちからなるこの部隊の別名は「スーサイド・スクワッド(自殺分隊)」です。
危険な任務を果たして生還したら10年減刑してやると言われて彼らが送り込まれた先は、コート・マルティーズと呼ばれる絶海の孤島。彼らの任務は、コート・マルティーズのヨトゥンヘイム研究所にある「プロジェクト・スターフィッシュ」を破壊することです。
ブラッドスポートは、リック・フラッグが率いる部隊とは別の部隊を率いるリーダーの役割を担っています。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』にウィル・スミスが出演しなかった理由
ブラッドスポートの役は前作『スーサイド・スクワッド』(2016年)でウィル・スミスが演じたデッドショットに相当する大役です。
ではなぜウィル・スミスは『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』に出演しなかったのでしょうか?
ウィル・スミスが『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』に出演しなかった理由はスケジュールの都合です。
『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のプロデューサー・ピーター・サフランはScreenrantのインタビューで、ジェームズ・ガン監督の日程が決定的であったと述べています。
ジェームズ・ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3』の仕事が控えており、どうしても9月に撮影を始める必要があったそうです。
ウィル・スミスのスケジュールがこれと合わなかったため、スミスを起用しないという決定は比較的容易に下されました。
しかし、将来スミスがDCEUに復帰できるように、映画のクリエイティブ・チームはスミスが演じたデッドショットに代わる新しいキャラを考えることにしたのです。
こうして、イドリス・エルバが演じるブラッドスポートがDCEUに参戦することになりました。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』でブラッドスポート役を演じるのはイドリス・エルバ!
イドリス・エルバとは
Embed from Getty Imagesブラッドスポート役を演じるイドリス・エルバは1972年生まれ、父はシエラ・レオネ人、母はガーナ人のイギリス人俳優です。
DJやミュージシャンとしても活躍するエルバは、少ない出番でも存在感のある演技をすることで定評があります。
スーパーヒーロー映画では、マーベル(MCU)の「マイティ・ソー」や「アベンジャーズ」シリーズでヘイムダル役を演じています。
ガン監督がエルバの出演を熱望
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』で監督・脚本を務めたジェームズ・ガンはスミスの代わりとしてエルバ以外の候補は考えていなかったそうです。
ガン監督は、エルバのためだけにブラッドスポートの役を書くほどの入れあげぶりだったとか。
かねてからガン監督の才能を高く評価していたエルバは、どのような役になるか知らなかったにもかかわらず、『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』に出演することを快諾します。
2020年9月にエルバが48歳の誕生日を迎えたとき、ガン監督はインスタグラムでエルバの『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』における演技を称賛。
役柄としても人間としても期待を超えているので、映画が公開される際には彼の演技をぜひ観客に見てもらいたいと語っています。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』までのブラッドスポートの人生
ブラッドスポートの本名、傭兵となるまでの人生
ブラッドスポートはロバート・デュボワとして傭兵の父のもとに生まれました。彼は生まれたときから父と同じように傭兵となるべく厳しい訓練を受けます。
デュボワの父は厳格で、彼が要求通りの成果をおさめないと厳しい罰を課しました。
あるとき、デュボワの父は罰のため彼を腹をすかしたネズミが一杯いる箱の中に24時間閉じ込め、それ以来デュボワはネズミ恐怖症になります。
大人になったデュボワは、父から受けた訓練を活かして軍隊に入り、リック・フラッグとともに軍務につきます。
除隊後、デュボワは「ブラッドスポート」と呼ばれる傭兵、殺し屋となりました。
家族
デュボワは結婚していた時期があり、16歳になるタイラという名の娘がいます。
デュボワは妻と何らかの理由で別れました。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』でブラッドスポートがスーサイド・スクワッドに加わった理由
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』でブラッドスポートは、スーパーマンをクリプトナイトの銃弾で撃ってICU送りにした罪で、ベル・レブ刑務所に収監されています。
ブラッドスポートがスーサイド・スクワッドに加わる理由は、娘・タイラが刑務所に送られるのを回避するためです。
16歳になるタイラはスタイル・ウォッチを盗んだため逮捕されました。ルイジアナ州では16歳でも状況によっては成人として裁かれ、大人の刑務所に送られる可能性があるのです。
これにつけ込んでスーサイド・スクワッドを組織するアマンダ・ウォラーは、タイラをブラッドスポートと同じ極悪犯罪人が収監されるベル・レブ刑務所に送る、と言って彼を脅します。
娘が刑務所で死ぬかもしれないと恐れたブラッドスポートはしぶしぶアマンダ・ウォラーの要求通り、スーサイド・スクワッドに加わることにしました。
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のブラッドスポートの能力・装備
ブラッドスポートは軍隊の経験がある、射撃や武術に優れた人物で、以下にあげるような卓越した能力を持っています。
- 世界的な射撃の腕:超音速で飛ぶスーパーマンにクリプトナイト銃を命中させるほどです
- 近接戦の高度なスキル(強襲術):護送中に護衛を一撃で倒せるほどです
- ステルス:暗殺者としての教育を受けており、ペンのような身近なものでも武器にします
ブラッドスポートの装備はハイテク・ボディアーマーとヘルメットです。
折りたたみ可能なヘルメットは正体を隠すマスクであると同時に、防弾になっています。
ボディアーマーには銃、刀、弓など14もの武器がコンパクトに収納されており、ブラッドスポートは状況に合わせてこれらの武器を次々と繰り出して戦います。ガン監督によれば、この機能は原作コミックでレックス・ルーサーがブラッドスポートに次々と武器を転送することの代わりになっているそうです。
Script, costumes, & props had to work hand-in-hand every step of the way to design the #Bloodsport outfit. Most complicated costume I’ve had to work on by far. Props to my teammates Judianna Makovsky in costumes & Drew Petrotta in props! https://t.co/gOibtTSgjP
— James Gunn (@JamesGunn) October 24, 2021
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のブラッドスポートの性格
映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のブラッドスポートは娘のことになると頭に血が上ることがありますが、おおむね落ち着いた性格です。
ピースメーカー、キング・シャーク、ポルカドットマン、ラットキャッチャー2といった一癖も二癖もあるチームメイトを上手にまとめています。特にラットキャッチャー2を気づかう姿には、娘を持つ父親としてのソフトな面が垣間見られます。
アマンダ・ウォラーから、あらゆる心理学的プロフィールからリーダーになる素質がある、と認められて今回の任務のリーダーに選ばれました。
このような映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のブラッドスポートの性格は、次に解説するコミックのブラッドースポートの性格とは正反対です。
ブラッドスポートは前述のように子どものときからネズミ恐怖症に悩まされています。しかし映画の結末ではラットキャッチャー2のペットのネズミ・セバスチャンを撫ぜており、少しは克服できるようになりました。
コミックのブラッドスポートはスーパーマンを病院送りにしたアンチヒーロー
1987年にDCコミックスに初登場したブラッドスポートは、もともとベトナム戦争の兵役を免れるためカナダに逃げたロバート・デュボワという名の人物です。彼の弟が身代わりにベトナムに出征して両手足を失ったことからデュボワは精神に異常をきたします。
カナダの精神病院にいた彼を、スーパーマンの宿敵であるレックス・ルーサーが引き取り、スーパーマンを殺すよう教え込んでブラッドスポートが誕生。ルーサーは彼にさまざまなハイテク兵器を与えますが、そのなかにはクリプトナイトの針を発射する銃も含まれていました。
ルーサーはこれらの兵器をテレポーターでブラッドスポートに次々と転送します。
クリプトナイト銃でスーパーマンを負傷させたブラッドスポートは暴走をはじめ、ルーサーでさえも恐れるほどの過激なヴィランとなっていきます。
コミックではこの他にもブラッドスポートを名乗る人物が存在しますが、アフリカ系アメリカ人であるデュボワが映画のブラッドスポートに一番近い人物です。
人間味あふれるDCEUのブラッドスポート、続編の可能性は?
この記事では映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』に登場する新キャラ・ブラッドスポートについて解説しました。
今回の映画でイドリス・エルバが演じたブラッドスポートは、コミックとは異なり人間味あふれるアンチヒーローとなっています。
このようなブラッドスポートがDCEUに再び登場する可能性はあるのでしょうか?
イドリス・エルバはインタビューで、ブラッドスポートを再び演じるならば続編ではなく、スーパーマンと対決する前日譚をやってみたい、と意欲を示しています。
DCEUでは今回の映画で初登場したピースメーカーをはじめ、テレビシリーズの企画も今後積極的に進めていくようです。イドリス・エルバが演じるブラッドスポートが映画やテレビに帰ってくる可能性は少なくないと思われます。