【2019年8月14日更新】
ロンドン・ヒースロー空港(LHR)
BBCの報道によりますと、8月23日と24日にヒースロー空港で予定されていたストライキは延期になりました。
空港会社の発表によりますと、労組側が会社からの新しい提案を承認するかどうかの投票を9月2日(月)まで行うため、8月中のストライキはなくなりました。
なお英国航空ブリティッシュ・エアウェイズのパイロットが予定しているストライキについては、別の記事で解説しています。
同じ時期に予定されているライアンエアーのストライキについては、こちらの記事で解説しています。
8月6日(火)にヒースロー空港で予定されていたストライキは回避されました。しかしながら、8月5日だけでヒースロー空港を発着地とする16のフライトがキャンセルされています。
スト期間中は保安検査などに通常より時間がかかるため、空港へは普段よりも時間的に余裕を持って到着するよう、空港会社は呼びかけていました。具体的には英国内およびヨーロッパへのフライトで2時間前に、日本も含むその他の地域へのフライトでは3時間前に空港に到着することを勧めています。
詳しいことはロンドン・ヒースロー空港のストライキ情報をご覧ください。
ガトウィック空港(LGW)における荷物検査職員のストライキは、全て回避されました。一方トイレなどの空港施設のメインテナンスに従事する職員の昇給に関しては現在労組による投票が行われています。投票の結果やストに関する報道はまだありません。
ロンドン・ヒースロー空港のストライキ情報
【8月6日更新】8月6日(月)にヒースロー空港で予定されていたストライキは回避されました。しかしながら、8月5日だけでヒースロー空港を発着地とする16のフライトがキャンセルされています。
英国航空ブリティッシュ・エアウェイズ
英国航空ブリティッシュ・エアウェイズはキャンセルされていた8月5日(月)のフライトを再開すると発表しました。英国航空のフライトの状況についてはこちらでご確認下さい。(英語)英国航空が準備したストに関する情報はこちらです。(英語)
ストへの対応としてヒースロー空港ターミナル5のセキュリティーチェックの列が減らされることが予定されていました。エグゼクティブ専用チェックインエリア「ファースト・ウィング」のチェックポイントも閉鎖される予定でした。
荷物にも制限が加えられ、乗客が機内に持ち込める荷物は、座席の下に収納できる手荷物のみでその他の荷物は全てチェックインしなくてはならないとしていました。この規則はヒースロー空港をトランジットに利用する乗客にも適用される予定でした。
英国航空は、検査に時間がかかるため乗客に荷物をできるだけ減らすよう求めていました。荷物のチェックインはフライト前日の午後6時から行えるとのことです。
機内で出される食事も、近距離のフライトを中心に一部減らされる予定でした。プレミアムの乗客には食事の代わりにバウチャーが提供されます。
エア・カナダ
エア・カナダもキャンセルされていた8月5日(月)のフライトを再開すると発表しました。ヴァージン・アトランティック
ヴァージンアトランティック航空は、スト中止とは関係なく混乱を避けるため米国便の発着空港を変更していますから、ホームページでチェックして下さい。(英語)8月5日、ガトウィック空港(LGW)に変更になった便(出発8月4日):
VS138 – New York-JFK-London Heathrow
VS154 – New York-JFK-London Heathrow
VS104 – Atlanta-London Heathrow
8月5日: ガトウィック空港(LGW)出発に変更になった便:
VS3 – London Heathrow-New York JFK
VS153 – London Heathrow-New York JFK
VS1 – London Heathrow-New York Newark
VS157 – London Heathrow-Boston
8月6日、ガトウィック空港(LGW)到着に変更になった便:
VS4 – New York-JFK-London Heathrow (8月5日発)
VS138 – New York-JFK-London Heathrow (8月5日発)
VS2 – Newark-London Heathrow (8月5日発)
VS158 – Boston-London Heathrow (8月6日発)
8月6日、ガトウィック空港(LGW)出発に変更になった便:
VS3 – London Heathrow-New York JFK
VS153 – London Heathrow-New York JFK
VS1 – London Heathrow-New York Newark
VS157 – London Heathrow-Boston
ヴァージン・アトランティック航空は乗客に普段よりも時間的余裕をもって空港に来るよう呼びかけています。
Flybe
近距離航空会社Flybeは8月5日のスト中止に関してコメントを発表しておりませんので、最新の状況は同社のホームページでご確認ください。(英語)Flybeは以下のフライトがストの影響を受けると発表していました。
8月5日
BE2104 London Heathrow – Edinburgh
BE2188 London Heathrow – Newquay
BE2110 London Heathrow – Edinburgh
8月6日
BE2102 London Heathrow – Edinburgh
BE2110 London Heathrow – Edinburgh
Flybeは、これらのフライトの乗客は8月3日、4日、7日、8日、9日のいずれかのフライトに予定変更ができるとしています。
その他の航空会社
スイス航空、ルフトハンザ航空、エティハド航空、カタール航空、エアリンガス、TAPポルトガル航空、エールフランス、アメリカン航空にストの影響が見られました。カタール航空はヴァージン・アトランティック航空と同じく、フライトをガトウィック空港に変更しています。
これらの航空会社で旅行される予定のある方は、フライトの情報を頻繁にチェックされることをおすすめします。
労使交渉の現状
2019年7月12日、カスタマーサービス、エンジニア、保安職員を含めて4,000人以上にのぼるヒースロー空港職員は、賃上げを求めてストライキに訴えることを決定しました。ヒースロー空港の側はストライキ対策は準備されており、空港の安全に支障はないとしています。
しかしながらスト期間中は保安検査などに通常より時間がかかるため、空港へは普段よりも時間的に余裕を持って到着するよう、空港会社は呼びかけています。具体的には英国内およびヨーロッパへのフライトで2時間前に、日本も含むその他の地域へのフライトでは3時間前に空港に到着することを勧めています。
【7月24日追加】
ヒースロー空港の消防・救急隊員90名以上も、来月の空港ストに参加すると発表しました。なお7月26日と27日に予定されているストライキには消防救急隊員は参加しません。
【2019年7月25日】追加
空港会社側は労組に対して、第1線スタッフに2年半で7.3%の昇給を提示しました。この提案を受け入れるかどうか投票にかけるため、労組側は7月26日と27日に予定されていたストライキを中止すると発表しました。
【8月2日追加】
労働組合側は空港会社からの提案を拒否した模様で、8月5日から6日の2日間にわたりヒースロー空港でストライキが行われる可能性が高くなりました。
【8月5日追加】
8月5日に予定されていたストライキは中止されました。
【8月6日追加】
8月6日に予定されていたストライキは回避されました。しかしながら労使間交渉はいまだ最終的決着に至っておりません。労組側は会社側の提案を持ち帰り決議にかけるとしており、ストライキを完全に中止したわけではありません。
【8月14日追加】
8月14日に空港会社は、労組側が会社からの新たな提案を検討するために8月23日と24日のストライキを延期したと発表しました。
8月14日現在、8月中にストライキは予定されていません。
スタンステッド空港のストライキ情報
スタンステッド空港のEasyJet労組は雇用者側から新たな提案を受けて、7月26日(金)から28日(日)のストライキは中止すると発表しました。スタンステッド空港のストライキは労組側が雇用者側の提案を受け入れたため回避されました。
労働組合側の主張
イギリス労組団体「ユナイト」の発表によりますと、組合員は1年半で2.7%の賃上げを要求していたのが拒否されたのを受けて8回投票を行った末、ついにストライキに打って出ることを決定したそうです。
同時に労組側は、同じ仕事に対して支払われる賃金に格差があることや、ヒースロー空港会社社長が法外の報酬を得ていることにも抗議しています。
社長の給与に関しては空港会社側の年間発表によりますと、2017年の210万ポンド(約2億8,500万円)から2018年には420万ポンド(約5億7,000万円)と倍増しています。
これに対して空港会社側が労組に提示した賃上げは、最も給与の少ない職員で一日あたり3.75ポンド(約509円)にすぎないとして、労組側は激しく反発しています。
ヒースロー空港会社側の主張
これに対して空港会社側は労組に交渉の席に戻るよう呼びかけています。
空港会社側は「会社としては第一線で働く職員の70%以上の人たちに少なくとも4.6%の賃上げを実現する段階的給与案を提案しました。この案は全体として小売物価指数(RPI)を上回るもので、給与の低い職員の賃上げを特に意図したものです。」と説明しています。
同時に空港会社側は、空港が最も混雑する時期のストに備えて、発着便に支障の出ないよう非常対策を準備しているとのことです。
会社側はこのことに関して、「空港会社はパートナーの航空会社と協力して、夏休みを楽しみにしているお客様に与える影響を最低限にとどめるよう鋭意努力しております」と発表しています。
ストライキの補償は?
航空会社とは関係のない空港スタッフのストライキによる遅延、欠航に関しては航空会社に補償の義務は法律上存在しないとされています。
しかしながらこの場合でも航空会社にはストの影響を受けた乗客の手助けをする義務があります。この義務には、別のフライトの予約、軽食や食事、さらにはホテルの宿泊まで含まれます。詳細はキャンセルされたフライトごとに異なるため航空会社に問い合わせる必要があります。旅行保険に入っている方は、保険の契約内容を再確認することをおすすめします。
どのような移動手段や宿泊施設を提案してくるかは、状況によって左右されますから、一概には言えません。ストライキにあったときの最も確実な対処方法は、空港に予定より早めに行って航空会社のカウンターでどのような代替手段を提供してくれるのか粘り強く交渉することです。
しかしながら、どうしても急用で空港に長時間粘ることができない場合には、自力で移動手段を確保することになります。
いずれにしてもその国に居住しているのでなければ、あとになって損害賠償の交渉は困難ですから、航空会社からよりよいオファーを引き出すチャンスは事実上ストライキ当日の空港カウンターだけなのです。
空港で長期間待機することになった場合も、飲み物や食べ物の提供はあまり期待できないので、空港に着く前にある程度軽食を買い込んでおいたほうが得策でしょう。
旅行を予定している日がストライキにあたっている場合は、可能であれば早めにキャンセルや変更をすることも考えられます。