【ネタバレ】映画『キリエのうた』(2023年)あらすじ結末と見どころを解説! 松村北斗さんのラブシーンはある? 小説と映画の違いは?

2023年9月28日木曜日

ヒューマンドラマ 音楽映画

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映画『キリエのうた』
この記事では、映画『キリエのうた』あらすじ結末と見どころや、ラブシーンやベッドシーンの有無、そして小説と映画の違いについて詳しく解説します。

映画『キリエのうた』の基本情報

  • タイトル:『キリエのうた』
  • 監督:岩井俊二
  • 脚本:岩井俊二
  • 原作:岩井俊二『キリエのうた』
  • キャスト:アイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、黒木華、広瀬すず
  • 公開日:2023年10月13日
  • 上映時間:2時間38分
  • 製作国:日本

『キリエのうた』は、『スワロウテイル』や『リリイ・シュシュのすべて』を生み出した監督・岩井俊二&音楽・小林武史のコンビによる音楽映画ヒューマンドラマです。

石巻、大阪、帯広、東京を舞台に、歌うことでしか〝声〟を出せない住所不定の路上シンガー・キリエ、彼女のマネージャーを自称する謎多き女イッコ、二人と数奇な絆で結ばれた夏彦、傷ついた人びとに寄り添う小学校教師・フミたちが、降りかかる苦難に翻弄されながら出会いと別れを繰り返す13年間にわたる愛の物語が、ドラマティックに描き出されます。

2023年6月に解散した人気グループ「BiSH」のメンバーとして活躍してきたアイナ・ジ・エンドがキリエ役で映画初主演。主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」を歌唱するほか、劇中曲として6曲を制作しました。

「SixTONES」の松村北斗が夏彦、「リップヴァンウィンクルの花嫁」の黒木華がフミ、「ラストレター」の広瀬すずがイッコを演じています。

映画『キリエのうた』予告編

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映画『キリエのうた』の登場人物とキャスト

ここでは映画『キリエのうた』の登場人物とキャストを一覧表で紹介します。各項目は「役の名前/俳優の名前:役の簡単な紹介」の順番です。

主要人物

  • 路花(るか)=キリエ/アイナ・ジ・エンド:路上ミュージシャン。歌うときしか「声」を出せない。
  • 潮見夏彦/松村北斗(SixTONES):行方不明のフィアンセを探し続ける青年。
  • 寺井風見/黒木華:心に傷を負った人たちに寄り添う小学校の教師。物語の展開に大きく関わる。
  • 広澤真緒里=一条逸子=イッコ/広瀬すず:夏彦が家庭教師をしていた女性で路花(キリエ)とも知り合い。キリエのマネージャーを買って出る。

路花(るか)=キリエの関係者

  • 小塚呼子/大塚愛:路花(るか)=キリエの母。
  • 沖津亜美/安藤裕子:児童福祉司。
  • イワン/矢山花:謎の少女。

広澤真緒里=一条逸子=イッコの関係者

  • 広澤楠美/奥菜恵:真緒里の母。
  • 広澤明美/浅田美代子:真緒里の祖母。
  • 横井哲治/石井竜也:楠美の元恋人。
  • イッコの元恋人/豊原功補
  • イッコの元恋人のガールフレンド/松本まりか
  • 波田目新平=ナミダメ/松浦祐也:IT会社社長。

夏彦の関係者

  • 潮見崇/樋口真嗣:夏彦の父。
  • 潮見真砂美/吉瀬美智子:夏彦の母。
  • 潮見加寿彦/江口洋介:夏彦の伯父。
  • マーク・カレン/ロバート・キャンベル:加寿彦のパートナー。

音楽関係者

  • 風琴(ふうきん)/村上虹郎:ギタリスト。
  • 松坂珈琲/笠原秀幸:ストリートミュージシャン。
  • 日高山茶花/粗品(霜降り明星):キーボード奏者。
  • 御手洗礼/七尾旅人:ストリートミュージシャン。
  • 根岸凡/北村有起哉:音楽プロデューサー。

映画『キリエのうた』のあらすじ【ネタバレなし】

住所不定の路上シンガー、キリエは歌うことでしか〝声〟を出せない。マネージャーを自称する、謎多き女イッコ。二人と数奇な絆で結ばれた夏彦。別れと出逢いを繰り返しながら、それぞれの人生が交差し奏でる〝讃歌(うた)〟。「あの日」から13年の月日を経て岩井俊二が辿り着いた、心に棘が突き刺さる、忘れられない物語。

原作小説『キリエのうた』のあらすじ【ネタバレ注意】

キリエ(本名:小塚路花)は住所不定の路上シンガーとして生計を立てており、弾き語りのパフォーマンスで投げ銭を稼いでいました。彼女は歌うことは得意で、美しい歌声で多くの人々を惹きつけていましたが、驚くことに、普段の生活では声を出すことができないのです。

5月の夕方、キリエは新宿駅南口の路上で歌っていたところ、イッコという女性が現れ、彼女の歌声に感銘を受け、彼女のマネージャーになりたいと提案します。初対面のように見える2人ですが、実は彼らは過去に出会ったことがあるのです。

イッコ(本名:広澤真緒里)は以前、路花(キリエ)の姉・希(読み方:きりえ)が交際していた潮見夏彦に家庭教師をしてもらっていました。このためイッコは高校時代に夏彦から路花(キリエ)を紹介されていたのです。

夏彦は希との結婚を真剣に考えており、希は夏彦の子どもを身ごもっていました。夏彦は路花(キリエ)のことを、自分の妹のように可愛がっていました。

しかし、東北大震災の津波で希は行方不明になり、彼女の妹である路花(キリエ)もまたトラウマにより話すことができなくなってしまいます。夏彦は最愛の女性と未来の子供を同時に失い、深い傷を抱え、大学医学部進学を諦め、石巻でボランティアをすることにしました。

震災から2カ月後、大阪・藤井寺の公園で生活していた路花(キリエ)は、小学校教師・寺石風美によって保護されます。連絡を受けた夏彦は路花(キリエ)を引き取ってきますが、血縁関係がないため、児童相談所は2人を引き離してしまいました。それ以来、夏彦は路花(キリエ)の行方がわからなかったのです。

一方、イッコの夢は田舎から出て東京で新たな生活を始めることで、彼女は大学受験に成功します。しかし、経済的な理由から学費が払えなくなり、イッコは女性としてお金を稼ぐ道を選びました。イッコは男性を騙してお金を巻き上げる結婚詐欺などを行っており、警察に追われていたのです。

イッコはキリエにマイクやアンプなど機材や衣装を揃えてくれて、少しずつ規模の大きな路上ライブができるようになりました。ところがある日、結婚詐欺事件を起こしたイッコは姿を消してしまいます。

キリエも彼女の詐欺に関与している可能性が疑われたため、イッコの身元保証人であった夏彦が呼び出され、路花(キリエ)と再会しました。

キリエの歌はネット上で評判となり、音楽関係者の注目を集め、ファンを増やしていきました。彼女は一人で弾き語りをしていましたが、後にギタリストの風琴やキーボード奏者の茶花などの仲間と共にバンドを結成します。

キリエの音楽活動に協力しているミュージシャンの松坂珈琲たちは11月の連休に、さまざまなミュージシャンを集めた路上フェスを新宿中央公園で企画しました。

ライブ当日、キリエとバンドメンバーは素晴らしい演奏を披露しましたが、近隣のホテルや住民からの苦情により警察に止められ、ライブは中止に追い込まれました。しかし、その歌声はネット上で話題となり、警察の介入にもかかわらず、伝説的なライブとして語り継がれることとなったのでした。

映画『キリエのうた』にラブシーンやベッドシーンはあるの?

映画『キリエのうた』にはSixTONESの松村北斗さんが出演しています。

原作小説では松村北斗さんが演じる夏彦は、恋人の希と関係を持っていて、彼女は妊娠しています。

このため松村北斗さんのファンの間では、映画にラブシーンやベッドシーンがあるのではないかと期待する声もありました。

結論としては、映画『キリエのうた』に松村北斗さんのラブシーンやベッドシーンはありません。

原作小説でも、キスシーンを上回る夏彦と希の強い性描写はありませんでした。

映画は映倫区分でG、年齢にかかわらず誰でも鑑賞できることになっています。PGやRと異なり、性表現や身体の露出、暴力の描写といった、子どもに見せられないようなシーンは存在しません。

『ライアー×ライアー』でもそうですが、松村北斗さんの清潔感や爽やかさは本当に素晴らしいですね。

『キリエのうた』 原作小説と映画の違いは?

『キリエのうた』の小説は映画の脚本と監督を務めた岩井俊二さんが執筆し、2023年7月に文藝春秋社より発行されました。

文藝春秋のプレスリリースによれば、岩井監督はこの作品について次のように語っています。

初めは、とある未発表小説の中に書いた女の子2人の小さな物語だった。それがいつしか13年にも及ぶ話になり、自分の想像を越えた重たい十字架をこの子たちに背負わせることになった。彼らはこの世界を自らの足で歩き、懸命に、そして自由奔放に生きている。この空の下のどこかで。

岩井監督は、長編映画デビュー作の『Love Letter』以来、映画の公開直前に原作小説を発表することを何度も行っています。

岩井監督は小説家を目指していたため、人物の心理描写などが細かいです。映画の演出の背景となる、登場人物の来歴や心情の細かい描写を小説で読むことができます。

これまで発表された原作小説は、登場人物やストーリーで大きな違いはありませんでした。『キリエのうた』もこの点で大きな違いはありません。

ただし原作小説の登場人物で、映画の主要なキャストに名前があがっていないキャラクターが存在します。

まず、路花の姉である希(きりえ)というキャラクターがキャストにあげられていません。小説で希(きりえ)は夏彦の婚約者で、彼の子どもを妊娠していた重要なキャラクターでした。

映画で希(きりえ)役は、アイナ・ジ・エンドさんが一人二役で演じています。

また、イッコを夜の世界に連れていき、お金を稼ぐ方法を教えた夜のフィクサー・柚子子という女性も映画のキャストに名前があがっていません。

映画『キリエのうた』の楽曲

音楽映画である『キリエのうた』の見どころのひとつは、劇中に登場する様々な楽曲です。

映画の中で弾き語りライブなど多くのオリジナル楽曲が披露されています。

原作小説のなかでも、タイトルや歌詞が登場していました。

以下に映画『キリエのうた』に登場する楽曲をまとめてみます。

主題歌は「キリエ・憐れみの讃歌」

映画『キリエのうた』の主題歌は、主演を務めたアイナ・ジ・エンドさんが歌う「キリエ・憐れみの讃歌」です。

この曲を作詞作曲したのは、小林武史さんです。

映画『キリエのうた』楽曲一覧

  • 幻影
  • 名前のない街
  • 前髪あげたくない
  • 燃え尽きる月
  • 憐れみの傘下
  • 虹色クジラ
  • ずるいよな

劇中で流れるアイナ・ジ・エンド作詞作曲の作品は、彼女が演じる主人公“キリエ”名義でリリースされた以下のアルバムに収録されています。

このアルバムに収録された作品はすべて小林武史さんがサウンドプロデュース。劇中で流れる音楽とは異なるアレンジです。

魂の救済を描いた物語と音楽の独自のコラボレーション

この記事では、映画『キリエのうた』のあらすじ結末、見どころ、ラブシーンの有無、そして小説と映画の違いについて詳しく解説しました。

岩井俊二監督によるこの映画は、石巻、大阪、帯広、東京など、監督と関わりの深い場所を舞台に、13年にわたる壮大な愛のドラマを描いています。

物語を彩る楽曲は、小林武史さんと主演のアイナ・ジ・エンドさんが共同で制作したオリジナル楽曲が使用されており、音楽と物語が絶妙に組み合わさっています。

この映画は、傷ついた魂の救済を描いた物語と音楽の独自のコラボレーションが見どころの一つです。感動的なストーリーと素晴らしい音楽は、映画館で存分に楽しむ価値があります。

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