安藤サクラの魅力が爆発! 映画『BAD LANDS バッド・ランズ』(2023年)ネタバレあらすじと結末、原作との違いや見どころを解説

2023年9月27日水曜日

クライム(犯罪) サスペンス

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映画『BAD LANDS バッド・ランズ』ポスター
この記事では、映画『BAD LANDS バッド・ランズ』のネタバレあらすじと結末、原作との違いや見どころを解説します。

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』の作品概要

  • タイトル:『BAD LANDS バッド・ランズ』
  • 監督:原田眞人
  • 脚本:原田眞人
  • 原作:黒川博行『勁草』
  • キャスト:安藤サクラ、山田涼介、生瀬勝久
  • 公開日:2023年9月29日
  • 上映時間:2時間23分
  • 製作国:日本

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』は、直木賞作家・黒川博行の小説『勁草』を実写映画化した作品。安藤サクラ山田涼介が特殊詐欺を生業とする姉弟役を演じるクライムサスペンスです。

『ヘルドッグス』、『関ヶ原』の原田眞人が監督・脚本・プロデュースを務めました。

大阪で特殊詐欺に手を染める橋岡煉梨(ネリ)と弟の矢代穣(ジョー)。ある夜、思いがけず3億円もの大金を手にしたことから、2人は警察ばかりでなくさまざまな巨悪からも狙われることに……。

幼い頃からネリのことをよく知る元ヤクザ・曼荼羅を宇崎竜童、特殊詐欺グループの名簿屋という裏の顔を持つNPO法人理事長・高城を生瀬勝久、大阪府警で特殊詐欺の捜査をする刑事・佐竹を吉原光夫、特殊詐欺合同特別捜査班の班長・日野を江口のりこが演じています。

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』予告編

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原作小説『勁草』

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』の原作は、直木賞作家・黒川博行の小説『勁草』(読み方:けいそう)です。

以下に主な登場人物とあらすじを解説します。

あらすじは前半がネタばれなし、後半がネタバレです。

主な登場人物

  • 橋岡恒彦:オレオレ詐欺の被害者から金を受け取る「受け子」の指示役。「名簿屋」の高城に雇われている。映画では橋岡煉梨(ネリ)という女性のキャラクターに変更。
  • 矢代穣:「受け子」の指示役。高城に雇われ、橋岡と一緒に詐欺のターゲットの調査をしている。
  • 高城政司:「名簿屋」、橋岡と矢代の雇い主。貧困ビジネスを行うNPO法人を運営する裏で「受け子」を差配して詐欺グループの仲介を行っている。
  • 佐竹正敏特殊詐欺特別班の刑事。湯川の先輩。
  • 湯川優特殊詐欺特別班の刑事。佐竹の相棒。

原作小説『勁草』のあらすじ(前半)

33歳の橋岡恒彦は、「名簿屋」の高城政司に雇われています。高城は貧困ビジネス「大阪ふれあい運動事業推進協議会」の代表者で、裏ではオレオレ詐欺の標的リストを作り、橋岡に受け子の手配をさせていました。

高齢者からだまし取ったお金のほとんどは高城のポケットに入り、金庫や銀行口座には莫大な金額がたまっているようです。

そんな中、橋岡と一緒に詐欺のターゲットを事前に調査していた矢代穣が賭け事でヤクザに借金を作り、橋岡もその連帯保証人にされてしまいました。お金を返すため、2人は高城に頼み込みますが、高城は断り、怒った矢代は高城を殺害してしまいます。

成り行きで殺人の共犯にされた橋岡。彼は、なんとか高城の死を隠せば、お金を山分けできると考え、死体の遺棄も手伝います。

一方、大阪府警特殊詐欺班の刑事・佐竹と湯川は、オレオレ詐欺事件を捜査していました。2人は詐欺現場を見張って、写真から橋岡を割り出します。さらに橋岡が支払いに使った紙幣の指紋が決め手となって、橋岡を追うことになりました。

詐欺グループの関係者である道具屋・新井登茂子は高城の行方を追っており、事務所で橋岡と矢代に質問しますが、2人は知らないふり。新井は怪しいと感じ、詐欺グループの裏にいるヤクザの徳山に連絡します。

徳山が高城の事務所を訪れ、橋岡と矢代に高城の行方を問い詰めますが、矢代は口を割りません。

一方、刑事の佐竹と湯川は橋岡たちを泳がせていましたが、別の事件が起きてしまいます。

佐竹たちは、グループの掛け子・小沼の足取りから、グループのリーダーである青木亮を逮捕しました。

原作小説『勁草』のあらすじ(後半)

橋岡と矢代は、ヤクザや警察から逃れようと必死です。高城の通帳からお金を引き出そうとしましたが、銀行の厳格なセキュリティに苦しむこととなりました。

暗証番号や本人確認書類の不足から、ATMではわずか一日10万円しか引き出せず、絶体絶命の状況に追い込まれました。そこで、矢代は印鑑紛失届を提出することを決意します。

橋岡と矢代は、掛け子の平岡の話を通じて、高城がオレオレ詐欺の中心的な存在であることを知ります。高城は金主(会長)としてオペレーションを指揮し、詐欺の利益を牛耳っていました。

徳山が所属するヤクザの亥誠組が彼を探しにきた理由は、亥誠組が「用心棒」代金とオレオレ詐欺の売上金をもらっていたからです。

徳山は犯罪の証拠を隠滅しようとする橋岡と矢代を見つけ、危機が迫ります。橋岡が殴られそうになったとき、矢代が徳山の頭をゴルフクラブで殴って、徳山の命が奪われ、事件は更なる暗転を迎えました。

橋岡と矢代は徳山の遺体を高城と同じ場所に埋めました。亥誠組の組員たちが2人の元に訪れます。矢代は拉致されますが、橋岡は奇跡的に逃れることに成功しました。しかし、警察の追及は避けられません。

橋岡は1千万円を銀行から引き出し、沖縄へ逃走しますが、残っている高城の預金が気になります。再び大阪に戻り、お金を引き出そうとしますが、矢代が提出した印鑑紛失届が受理されたため、以前の銀行印で現金が引き出せなくなってしまいました。

途方にくれた橋岡は、石垣島へ向かう決断を下します。しかし、刑事たちは彼の足跡を追い、石垣島で追跡劇が繰り広げられます。

橋岡はホテルのバルコニーから飛び降りて岸壁に身を潜めましたが、たばこの火の明かりで佐竹と湯川に見つかってしまいます。

追い詰められた橋本は崖を登ろうとしますが、足をかけた窪みが崩れて空中へ投げ出されたのでした。

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』のあらすじ【ネタバレなし】

<持たざる者>が<持つ者>から生きる糧を掠め取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリと弟・ジョー。二人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出す…ただそれだけだったはずの2人に迫る様々な巨悪。 果たして、ネリとジョーはこの<危険な地>から逃れられるのか。何が嘘で、真実か。誰が敵で、味方か。事態は、予想もつかない領域へと加速していく——。

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』最大の見どころは安藤サクラの新境地!

日本の映画界において、安藤サクラはすでに確固たる地位を築いています。しかし、映画『BAD LANDS バッド・ランズ』は、彼女の新たな代表作となることは間違いありません。

今回は、映画『BAD LANDS バッド・ランズ』の見どころを、安藤サクラの演技に焦点を置いて解説します。

冒頭、安藤演じる橋岡煉梨(ネリ)がキャップを目深にかぶり、ビリヤード場「BAD LANDS」でコーヒーを飲みながら特殊詐欺グループの名簿屋を名乗る高城(生瀬勝久)から指示を受けるシーン。ここで早くも、安藤サクラの演技が目を引きます。その関西弁を交えた演技や、生瀬勝久との絶妙なテンポが、観る者を作品の世界に引き込んでいくのです。

この作品を観た多くの人が感じるのは、「こんな安藤サクラは見たことない!」という驚きです。

安藤はこれまでに多くの代表作や評価された役柄を演じてきました。カンヌを席巻した是枝裕和監督作 『万引き家族』や『怪物』における信代役や早織役、日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞に輝いた『百円の恋』の一子役や『ある男』の里枝役など、数え上げればきりがありません。

しかし、『BAD LANDS バッド・ランズ』で安藤は、それらとはまったく異なる新たな魅力を発揮しています。

リアルな演技の説得力

ネリ役は特殊詐欺の受け子のリーダーであり、社会の最底辺で生き抜くキャラクターです。この難役を安藤サクラは魔法のような説得力で演じ、違和感を感じさせません。

その演技には、まるで特殊詐欺の世界に潜入し、綿密な取材を積み重ねてきたかのようなリアルさがあります。

そんな安藤の演技は、地に足のついた、生々しいものであり、彼女の役者としての深みを示しています。

演技に反映される安藤サクラの人柄

リアルな演技を実現するために安藤サクラは、「求道者」とも言える姿勢で役作りに取り組んでいます。

彼女は常に新しい役柄や監督との仕事を楽しむ姿勢を持ち、映画界とのゆかりがある家庭で育ちながらも、市井の感覚を失わずに演技に臨んでいます。その姿勢は、作品を通じて観る者にも伝わり、安藤サクラへの支持が高まる理由のひとつです。

安藤サクラは芝居だけでなく、人柄でも多くの支持を受けています。彼女は撮影現場での態度や気遣いにおいても一貫性を保ち、終始朗らかで誰に対しても親切です。この姿勢は、映画界との繋がりがある家庭で育ちながらも、一般人の感覚を保ちながら過ごしてきたことから生まれたものかもしれません。

安藤サクラの新たな魅力が爆発する『BAD LANDS バッド・ランズ』

この記事では、映画『BAD LANDS バッド・ランズ』のネタバレあらすじと結末、原作との違いや見どころを解説しました。

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』は、安藤サクラが新たな魅力を発揮する作品となっています。特殊詐欺の世界で生きるネリと、彼女の弟であるジョーを演じる山田涼介との相性も素晴らしく、共演者との信頼関係が作品に良い影響を与えています。

この作品は、映画館の大スクリーンで観る価値があります。安藤サクラの演技が一層輝く瞬間を目撃し、彼女の新たな一面に触れることができるでしょう。

また、ネリとジョーの兄弟愛や犯罪の闇との戦いが描かれる物語は、見逃せない要素が詰まっています。この作品を通じて、彼女の魅力に再び魅了されることでしょう。

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