【映画用語】モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)とは

2023年7月17日月曜日

映画用語

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Anna Marie・ベルリン・リポート
モーション・ピクチャー・アソシエーションは、アメリカ映画の業界団体のひとつです。 ※この記事は映画用語集の一項目です。

モーション・ピクチャー・アソシエーションのメンバー

モーション・ピクチャー・アソシエーションは現在、アメリカのメジャー映画会社5社と動画ストリーミングサービスのNetflixで構成されています。

MPAに属するメジャー映画会社5社とは、ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズの5つのスタジオです。

モーション・ピクチャー・アソシエーションの活動内容

モーション・ピクチャー・アソシエーションの目的は、アメリカ映画産業の健全な存続と発展を促進することです。

この目的を達成するためにMPAは以下のような活動を行っています。

  • 映画鑑賞の年齢制限の枠となる、映画のレイティングシステムの策定
  • 著作権保護の促進
  • 海賊版対策
  • 市場拡大

モーション・ピクチャー・アソシエーションの歴史

モーション・ピクチャー・アソシエーションのもとになった業界団体であるアメリカ映画製作者配給者協会(Motion Picture Producers and Distributors of America、MPPDA)は1922年に設立されました。

当初の目的は、映画産業への投資を促すことと、映画が道徳的に健全なものであることを印象付けるPR活動などでした。

特に道徳的な面で、宗教や政治団体からの批判をかわし、国家の検閲を避けるため、映画の内容を自主的に規制するためのガイドラインをいち早く策定しています。1934年から1968年まで、メジャースタジオのほとんどすべての映画に適用されたガイドラインは、MPPDA初代会長のウィリアム・ハリソン・ヘイズにちなんで、「ヘイズ・コード」と呼ばれました。

1945年、ヘイズのあとを継いだエリック・ジョンストンは、組織の名称をMPPDAからMotion Picture Association of America (MPAA)に変更しました。日本ではMPAAを「アメリカ映画協会」と訳すことがあり、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)と混同しないよう、注意が必要です。

同年、アメリカ国外展開への対応として、アメリカ映画輸出協会(MPEA)も設立されています。

1968年、道徳的価値観の変化に対応するため、ヘイズ・コードにかわり、任意のレーティング・システムが導入されました。

21世紀になると、インターネットにおける海賊版対策や、多様性・多文化に対応した普及活動に積極的に取り組んでいます。

2019年、動画ストリーミングサービスのNetflixがMPAAに加盟しました。これは独自の映画製作を積極的に進めてきた同社が、メジャースタジオの仲間入りをしたことを示すものであると見られています。

同じく2019年、映画のグローバル化を反映して、組織の名称から「アメリカ」を外し、「モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)」になりました。

MPAの映画の番号

MPAでは、前身の団体のときから審査に合格した作品に番号をつけてきました。日本の映倫の番号も似たようなシステムです。

合格証の番号は映画のはじめか終わりのクレジットロールに表示されます。

MPAの番号はMPAの運営する映画のレイティング検索サイトfilmratings.comで検索できます。

英語版しかありませんが、「MOVIE RATING SEARCH(映画のレイティングを検索)」で「TITLE OF FILM(映画のタイトル)」、または「YEAR(年、1968年以降の作品のみ)」と「RATING(レイティング)」の組み合わせの2種類の検索が可能です。

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