映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022年)の作品情報
- 原題:Jurassic World Dominion
- 上映時間:2時間27分
- 製作国:アメリカ
- 監督:コリン・トレヴォロウ
- 脚本:エミリー・カーマイケル、コリン・トレヴォロウ、デレク・コノリー
- キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン
恐竜が再び地球の支配者となるか?
イスラ・ヌブラル島の壊滅や「ロックウッド・エステート」の事件で恐竜が逃げ出してから4年後。地球の各地で恐竜がのし歩き、人間を襲うようになりました。
そんななか遺伝子工学企業・バイオシン社は、イタリア・ドロミテ山中に恐竜のサンクチュアリ(保護地帯)を設けて、医学や農業のためにゲノムの研究を行っています。バイオシン社は、「ジュラシック・パーク」で恐竜の胚を盗んだドジソン博士がCEOを務める会社です。
バイオシン社、メイジーとベータを誘拐
クレア・ディアリングはジア・ロドリゲスやフランクリン・ウエッブとともに相変わらず恐竜保護グループの活動をしています。彼女たちは不法に恐竜が飼育されている農場に忍び込んで、虐待されている恐竜を救出しました。
一方、クレアのパートナー・オーウェン・グラディは、野生化した恐竜を保護しながら、シエラネバダ山中の小屋にクレア、メイジーとともに暮らしています。
メイジーはベンジャミン・ロックウッドが遺伝子工学で作り出した孫娘で、今や14歳になります。
オーウェンたちは、彼女が遺伝子産業に見つからないように、山小屋で隠れて育てているのです。しかし、思春期になるメイジーは自由に外の世界へ出ていけなくて、面白くありません。
ある日、メイジーが焚き火でトーストを炙っていると、ヴェロキラプトルの子どもが近寄ってきます。
この子どもはオーウェンが育てたブルーが単為生殖で産んだ子どもだったのです!ブルーはオーウェンの山小屋の近くに捨てられたバスのなかで、子どもを育てていました。後でメイジーはブルーの子どもを「ベータ」と名付けます。
そんな彼らを、バイオシンに雇われたならず者たちが遠くから監視しています。彼らはまずベータを罠で捕まえました。さらに彼らは、山小屋を飛び出したメイジーも誘拐していきます。
巨大イナゴの大量発生
その頃、絶滅したはずの巨大イナゴが大量発生して、穀物が食い荒らされるという謎の事件が続発していました。しかもそのイナゴは、バイオシン社の生産する種から育った穀物だけは食べないというのです。
調査を依頼された古植物学者のエリー・サトラー博士は、巨大イナゴが白亜紀のものであると推測。「ジュラシック・パーク」からの知り合いである古生物学者・アラン・グラント博士に協力を求めます。もともとエリーに気の合ったアランは、もちろん彼女に協力することに。
オーウェンとクレア、マルタ島の恐竜闇市に潜入
メイジーとベータ誘拐犯の手がかりを求めて、クレアはCIAで働くフランクリンに相談します。メイジーとベータが地中海マルタ島に連れて行かれたらしいという情報を入手したオーウェンたちは、早速マルタ島へ飛びました。
マルタ島でオーウェンは、「ジュラシック・ワールド」で一緒に恐竜を育てていたバリーと再会します。バリーは「ジュラシック・ワールド」が潰れたあと、普通の仕事は長続きせず、フランスの警察の潜入捜査員をしていたのでした。
バリーは、メイジーとブルーがマルタ島を経由してイタリアのバイオシン社の施設へ運ばれる途中であると言います。
バリーの手引でマルタ島の恐竜闇市に潜入したオーウェンとクレア。闇市で、クレアはベータを運んできた貨物機のパイロット・ケイラ・ワッツに遭遇。クレアはケイラにメイジーを見なかったか尋ねます。
ケイラは、前に空港でメイジーを目撃していましたが、トラブルに巻き込まれたくないので、クレアに帰れと言います。
そこへタイミング悪く当局の手入れがあって恐竜が街へ逃げ出し、大混乱になりました。
アトロキラプトルに追いかけられてピンチに陥ったクレアを見かねて、ケイラは彼女たちに協力することにしました。
ケイラは、恐竜の追跡を振り切ったオーウェンとクレアを自分の飛行機でバイオシン社の施設へ送り届けることにします。
アランとエリー、バイオシン社の研究施設に潜入
エリーとアランは、バイオシン社に雇われているカオス理論研究者・イアン・マルコム博士の招待で、バイオシン社の研究施設にやってきます。
マルコム博士は、ドジソン博士の右腕で広報責任者のラムジー・コールから怪しげな研究が行われいることを知らされ、危機感を抱いていたのです。
メイジー誕生秘話が明かされる
同じ頃、バイオシン社の研究施設で働く遺伝子学者・ヘンリー・ウー博士のもとに、メイジーとベータが連れてこられます。ウー博士はメイジーに彼女たちを誘拐させた理由を説明します。
ウー博士は、世界に食糧危機を起こしつつある巨大イナゴの開発者だったのです!
ドジソン博士は、巨大イナゴにバイオシン社以外の穀物を食い尽くさせることで食糧供給を独占し、世界支配を目論んでいました。
ウー博士は、ドジソン博士の陰謀を阻止するために、メイジーたちのDNAを研究する必要があった、と言います。
メイジーの母親で天才科学者だったシャーロット・ロックウッド博士は、「ジュラシック・パーク」でウー博士の同僚でした。
子どもが欲しかったシャーロットは、自分の遺伝子をもとに単為生殖でメイジーを懐妊、出産したのです。
ところがメイジー出産後、シャーロットは自分が遺伝子異常の不治の病に侵されていることを知ります。ですが死の直前、彼女はメイジーの遺伝子を正常に戻すことに成功しました。
ウー博士は同じ手法で病原体を開発して巨大イナゴを絶滅させようとしています。そのために彼は単為生殖で誕生したメイジーたちのDNAを調べる必要がある、と言うのです。
ジュラシック・ワールドのシャーロットに関する詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
バイオシン社の研究施設から脱出
オーウェンとクレアを乗せたケイラの飛行機は、バイオシン社の上空でケツァルコアトルスに襲われ墜落。クレアはパラシュートで脱出、オーウェンとケイラは胴体着陸します。
クレアはテリジノサウルスに見つかりそうになったところを沼に潜って危機一髪。オーウェンとケイラはピロラプトルの追跡や、ギガノトサウルスとティラノサウルス・レックスが初対面したところを逃げ切りました。
一方、アランとエリーはバイオシン社の地下で巨大イナゴのサンプルを入手することに成功。彼らは脱出の途中で、ウー博士のすきを見て逃げ出したメイジーやラムジーと合流します。
巨大イナゴの陰謀が暴露されることを恐れたドジソン博士は、巨大イナゴを焼き殺そうとします。しかし、火のついたイナゴが外に逃げ出し、恐竜の住む谷は大山火事になりました。
谷のなかでオーウェン、クレア、ケイラのグループに、アラン、エリー、メイジー、ラムジーのグループとマルコム博士も合流します。彼らは研究所の本部にもどって上空の防御を解除して、ヘリコプターで脱出することにしました。
研究所のなかでオーウェンは、メイジーやアランとともにベータを保護します。
ドジソン博士は恐竜の胚を持って逃げようとしますが、ハイパーループが故障。トンネルに閉じ込められたところをディロフォサウルスに襲撃されて死亡しました。
一方、恐竜たちは体内に埋め込まれたチップの指令で、シェルターに集められます。そのなかには直前に到着した獰猛な地上最大の肉食恐竜・ギガノトサウルスの姿もありました。
ギガノトサウルスが頂点に立つのが面白くない「ジュラシック・パーク」からのベテラン・ティラノサウルス・レックスのレクシィ。彼女はテリジノサウルスと協力してギガノトサウルスを倒します。
そのすきにオーウェンたちは、ケイラが操縦するヘリコプターでウー博士も連れて脱出しました。
結末
アラン、エリー、マルコム博士、ラムジーはバイオシン社の陰謀について証言することになりました。
家に戻ったオーウェン、クレア、メイジーは、ベータをブルーに返してあげます。
ウー博士は巨大イナゴを絶滅させることに成功。
バイオシン社の施設は国連が管理する恐竜の保護地帯となりました。
世界中で恐竜と人間は共生する明るい未来が示されて、ここに『ジュラシック・パーク』から始まった壮大な物語は幕を下ろすのでした。
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の結末については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のキャスト
ここからは映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の主なキャストを紹介します。見出しは「役の名前:俳優の名前」です。
オーウェン・グラディ:クリス・プラット
恐竜行動学の専門家・オーウェンは、「ジュラシック・ワールド」でヴェロキラプトルのブルーたちを飼育していました。
今回の映画では、恐竜相手のカウボーイをしながらパートナーのクレアとともに、メイジーを山小屋で人目を忍びつつ育てています。
クレア・ディアリング:ブライス・ダラス・ハワード
クレアは「ジュラシック・ワールド」の公園運営マネージャでした。「ジュラシック・ワールド」が潰れたあとは、恐竜保護グループを立ち上げました。
今回の映画では、恐竜保護活動をしながら、オーウェンとともにメイジーを育てています。
メイジー・ロックウッド:イザベラ・サーモン
メイジー・ロックウッドは、クローン技術で作られた少女です。
メイジーは、遺伝子上の祖父・ベンジャミン・ロックウッドの所有する「ロックウッド・エステート」で成長しました。
ベンジャミンの死後、オーウェンとクレアが親代わりになって、彼女を育てています。
アラン・グラント博士:サム・ニール
アラン・グラント博士は、『ジュラシック・パーク』に出てきた古生物学者です。
アランは恐竜の発掘に打ち込んでいたところを、エリー・サトラー博士に誘われてバイオシン社の陰謀調査に乗り出します。
エリー・サトラー博士:ローラ・ダーン
エリー・サトラー博士もアランと同じく『ジュラシック・パーク』に出てきた古植物学者です。
もともとアランとエリーは良い仲だったのですが、アランが恐竜発掘にのめり込みすぎたため、2人の関係は駄目になっていました。
エリーは、バイオシン社に潜入して遺伝子改造されたイナゴの真相を暴く証人になってほしいと、久々にアランを訪ねてきました。
イアン・マルコム博士:ジェフ・ゴールドブラム
カオス理論の研究者であるイアン・マルコム博士は、ドジソン博士のバイオシン社に雇われています。
遺伝子改造されたイナゴの陰謀を知らされたマルコム博士は、エリーたちがバイオシン社の研究施設の奥深くに入れるよう手配します。
ルイス・ドジソン博士:キャンベル・スコット
ドジソン博士は『ジュラシック・パーク』で恐竜の胚を盗んだ人物。今回の映画ではバイオシン社のCEOになって、世界征服を計画しています。
ヘンリー・ウー博士:B・D・ウォン
ウー博士は、『ジュラシック・パーク』以来、さまざまな恐竜の創造に従事してきた遺伝子工学者です。
ケイラ・ワッツ:ディワンダ・ワイズ
ケイラは元空軍のパイロットで、現在は自分の貨物機で恐竜の密輸などをしています。
ラムジー・コール:マムドゥ・アチー
ラムジーはドジソン博士の右腕で、バイオシン社の広報責任者です。
バリー:オマール・シー
バリーは、「ジュラシック・ワールド」でオーウェンとともにブルーたちの世話をしていました。
今回の映画ではフランスの警察に協力しています。