ドレッドノータス(Dreadnoughtus)
ドレッドノータスは、竜脚類ティタノサウルス類に属する恐竜のひとつの属です。
陸に住む脊椎動物のなかで史上最大級の体の大きさ。唯一知られている化石から推測される体の大きさは、全長約26メートル、全高12.2メートルと言われています。
ドレッドノータスの化石は2005年に発見されたばかりです。
映画では2021年11月に解禁された「プロローグ」でその姿が見られます。さらに中盤、アラン、エリー、ラムジーがバイオシン社の恐竜保護施設へ向かう飛行機から、水浴びするドレッドノータスを眼にします。
最後にシェルターに避難したドレッドノータスは、結末で恐竜保護区域で無事に暮らしているところが映されます。
ケツァルコアトルス(Quetzalcoatlus)
ケツァルコアトルスは翼竜に属する恐竜のひとつの属です。
ケツァルコアトルスは、『ジュラシック・ワールド』に登場したプテラノドンよりも大きい、史上最大級の飛翔動物です。
映画のなかでは中盤にケイラの輸送機がケツァルコアトルスに襲われます。
結末では、ケツァルコアトルスがプテラノドンなどの翼竜や、他の鳥と飛ぶ姿が見られ、平和に共存しているようです。
オヴィラプトル(Oviraptor)
オヴィラプトルは、小型獣脚類の恐竜のひとつの属です。「卵泥棒」という名前が示すように、他の恐竜の卵を食べていたと推測されます。体はヴェロキラプトルよりも小さいです。
オヴィラプトルは「プロローグ」に姿が見られたものの、完成した映画のなかに出番はありませんでした。
カットされたシーンで、マルタ島の闇市でリストロサウルスと戦っています。
リストロサウルス(Lystrosaurus)
リストロサウルスは、草食性の単弓類に属する恐竜のひとつの属です。体長は約90〜120センチメートル、ズングリした体型です。
リストロサウルスは、マルタ島の恐竜闇市でちらっと登場する場面があります。
ナーストケラトプス(Nasutoceratops)
ナーストケラトプスは、セントロサウルス亜科の角竜です。
トリケラトプスに似ていますが、眼の上に2本の角が生えているだけで、鼻の上の角は発達していません。
映画の冒頭で、クレアたちが密猟者の農場からナーストケラトプスの子どもを救出したほか、米コロラド州やカルガリーの自然の中を歩き回っていました。
モロス・イントレピダス(Moros intrepidus)
モロス・イントレピダスはティラノサウルス上科に属する獣脚類の恐竜のひとつの属です。
ティラノサウルス・レックスを小型にした体型で、「プロローグ」でティラノサウルス・レックスの歯を掃除している姿が見られます。
モロス・イントレピダスは、2013年に化石が発見され、2019年に新しい属として認められたばかりで、最速で「ジュラシック・パーク」フランチャイズに登場です。
イグアノドン(Iguanodon)
イグアノドンは、イグアノドン類に属する恐竜のひとつの属で、恐竜研究史の最初期に発見された恐竜です。
「ジュラシック・ワールド」フランチャイズでは、ドミニオンの「プロローグ」で初登場。映画終盤の山火事のシーンで逃げる姿が見られます。
アトロキラプトル(Atrociraptor)
アトロキラプトルは、ドロマエオサウルス科サウロルニトレステス亜科に属する獣脚類の恐竜のひとつの属です。
実際のアトロキラプトルは最初ヴェロキラプトル亜科に分類されましたが、2009年に発表された系統解析でサウロルニトレステス亜科に分類されました。
映画のアトロキラプトルは「デザイナー恐竜」ということで、白、赤、茶色、黒とさまざまな色の個体が登場!彼らはポインターでマークされたターゲットを追跡するようにインプットされており、マルタの街でクレア、オーウェン、バリーを追跡します。
ピロラプトル(Pyroraptor)
ピロラプトルは、ドロマエオサウルス科の恐竜のひとつの属です。
映画のなかでは中盤、凍った湖に不時着したケイラとオーウェンがピロラプトルに遭遇します。
炎のように赤い羽根に覆われ、水中を泳げるピロラプトルの追跡から、2人は命からがら逃げ出しました。
テリジノサウルス(Therizinosaurus)
テリジノサウルスは巨大な爪のついた前足が特徴の恐竜です。
墜落する輸送機からただひとりパラシュートで脱出したクレアが、降り立った森のなかで遭遇する恐竜です。
長い爪の恐ろしい外観ですが、実際には草食だったと推測されています。
終盤のクライマックスでは、ティラノサウルス・レックス(レクシィ)と協力してギガノトサウルスと戦うことに……。
ギガノトサウルス(Giganotosaurus)
ギガノトサウルスは、獣脚類に属する大型の恐竜のひとつの属です。
体長は約13メートルと推定され、ティラノサウルス・レックスを上回る、最大級の獣脚類の恐竜と認められています。
映画では、バイオシン社の恐竜保護施設に到着したばかりということになっています。森のなかで古株のレクシィはこのギガノトサウルスに遭遇し、レクシィは勝ち目がないとすぐに尻尾を巻いて退散しました。
終盤、山火事で恐竜たちがシェルターに集められたとき、ギガノトサウルスも混じっていました。
同じようにシェルターに来た、レクシィとテリジノサウルスがギガノトサウルスに立ち向かい、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(ドミニオン)』最後の恐竜の決戦となります。
「ドミニオン」で再登場する恐竜たち
このように「ドミニオン」には新しい恐竜たちがたくさん登場します。そればかりでなく「ジュラシック・パーク」、「ジュラシック・ワールド」シリーズの過去作に登場した恐竜たちも再登場!長いシリーズの歴史を反映しています。
ここでは、「ドミニオン」に再登場する主な恐竜たちを簡単に表形式でまとめておきます。
- アロサウルス
- アンキロサウルス
- コンプソグナトゥス
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ヴェロキラプトル(ブルー)
- モササウルス
- パラサウロロフス
- ガリミムス
まとめ:ハイブリッド恐竜は登場しない
この記事では映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(ドミニオン)』に初めて登場する11種族の恐竜たちを紹介しました。
さて、『ジュラシック・ワールド』では恐竜のDNAとその他の生物のDNAを合成して創造された新しい恐竜である「ハイブリッド恐竜」というコンセプトが加わっていました。
『ジュラシック・ワールド』のヴィランであるインドミナス・レックスは最も有名な例です。
しかし、「ドミニオン」にはインドミナス・レックスを含めハイブリッド恐竜は一切登場しません。
これは今回の映画の重要なテーマが、自然との共生であることと関係があると思われます。
映画のなかでマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、「人類は自然に対して支配力を持たない、人類は自然に従属している(We not only lack dominion over nature, we're subordinate to it.)」と若者たちに説いていました。
人間は私利私欲で自然を支配しようとしてはいけない、というメッセージがこの映画には込められています。自然の多様性を大切にしようという意味で、実在のさまざまな恐竜たちが登場することになったのではないか、とも思えるのです。