サイレント映画の頃からある技法
サイレント映画では、リリースプリントを青く染めることで、夜間の雰囲気を出すことが行われました。夜の月の光は青ではありませんが、人間の目にはプルキニェ現象で青く見えるからです。
その他にカメラやフィルムを調整する、暗く露光する、天幕をかけるといった、さまざまな手段が用いられてきました。
現在では、昼間撮影した映像を、デジタル技術によってポストプロダクションで夜間の場面に加工できるようになっています。
トリュフォーの映画で広まった
英語でアメリカの夜は「day for night」と呼ばれます。ハリウッドでこのテクニックが多用されたことから、フランスでは「アメリカの夜/nuit américaine」と呼ばれるようになりました。
フランソワ・トリュフォー監督がアカデミー外国語映画賞を受賞した『アメリカの夜』(1973年)は、これにちなんでつけられたタイトルです。日本ではこの呼び方が「day for night」に代わって広まりました。
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