エージェントの仕事
エージェントの仕事は、監督や俳優といったクライアントのために仕事を探して、出演契約の交渉を代行することです。エージェントはクライアントのギャラの一定割合(通常10%)を報酬として受け取ります。
有力なエージェントほど、クライアントの将来のために作品や役柄のアドバイスや選択から売り込みにも関わって、業界内での地位や出演料の相場を高めてくれます。
このため将来性のあるタレントや大物俳優は、有名な大手のエージェントと契約したがる傾向があるのです。
ちなみにエージェントが所属している事務所・組織は、「エージェンシー」とも呼びます。
主なエージェンシー
アメリカ映画ビジネスにおける主要なエージェンシーには、クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(略称CAA)、ICMパートナーズ(略称ICM)、ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント(略称WME)、ユナイテッド・タレント・エージェンシー(略称UTA)などがあります。
イギリス・ロンドンではユナイテッド・エージェンツ、42マネジメント&プロダクション、カーティス・ブラウンなどが有名です。
エージェントの英語は?
英語で「エージェント」に該当する言葉は、talent agentまたはbooking agentです。
マネージャーとの違い
エージェントと似た職種のひとつにマネージャーがあります。これら2つの職種の境界は、近年曖昧になりつつある傾向があります。
マネージャーの典型的な仕事は、アーティストの日々の業務を管理し、キャリアにかかわる長期的計画や個人的決定などで職業上の相談に乗ることです。こういった仕事は、エージェントの仕事とほぼ重なります。
しかしながら、米国カリフォルニア州などのように、ライセンスを所持したエージェントしかできない仕事を法律で定めている場合があります。
たとえばカリフォルニア州の法律では、ライセンスを所持したエージェントしかクライアントのために仕事を探すことができません。ですが、現実にはマネージャーが仕事を探してきても刑事罰を受けるわけではないため、法律違反を承知でマネージャーが仕事を取ってくることも少なくありません。
さらにライターズ・ギルド、スクリーン・アクターズ・ギルド、ディレクターズ・ギルドは、エージェントとの間に規則や特権、報酬の上限を定めた協定を結んでいます。しかし、マネージャーにはこれらの規則は適用されません。
→映画用語集へ戻る