アップの歴史
映画でクローズアップは、英国のジョージ・アルバート・スミスが早くも1898年からミディアム・クローズアップを使い始め、『おばあさんの虫眼鏡』(1900年)では超クローズアップも使っています。
映画文法の基礎を築いたD・W・グリフィスも、クローズアップをさまざまな作品で効果的に使用しました。
特に『女の叫び』(1911年)では、拳銃と思ったものがレンチに過ぎなかったという場面で、クローズアップがどんでん返しの効果をあげています。
アップの使われ方
クローズアップは、主にキャラクターの感情や仕草などを強調するため、カットアウェイショット(メインの映像とは切り離された補助的なショット)として用いられます。
小さな画面でも感情などの効果を強調するため、クローズアップは映画よりもテレビで用いられることが多かったです。
逆にクローズアップをあまり使わないようにすると、感情的にならず距離をおいた印象を聴衆に与えます。
またクローズアップは小さなセットで済ませられるため、低予算映画で使用されることが多いです。
アップの種類
クローズアップは被写体への近づき方によっていくつかの種類に分けられます。
- ミディアム・クローズアップ(MCU):ミディアム・ショットとクローズアップの中間。肩から顔まで。
- クローズアップ(CU):顔など特徴的な部分を画面いっぱいにとらえる。
- 超クローズアップ(ECUまたはXCU):眼などディテールのみを画面いっぱいにとらえる。
- リーンイン:ロングやミディアム・ショットからクローズアップしていく。
- リーンアウト:クローズアップからロング・ショットへ移行する。
- リーン:リーンインした後にリーンアウトする。
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