背景
第2次世界大戦終了後、日本は連合国軍総司令部(GHQ)の管理のもとにポツダム宣言で求められたさまざまな改革を行います。映画も管理下に置かれ、教育改革などを担当する民間情報教育局(CIE)の所管となりました。
戦争中に戦意高揚映画を作っていた映画会社は、CIEの政策を反映した映画を製作するようになります。その特徴がよくあらわれた最初の作品は、漫才コンビ「エンタツ・アチャコ」主演の『東京五人男』(1945年)です。
代表的作品
「民主主義映画」とも呼ばれるこれらの映画は、宣伝教育を主眼にした映画ではなく、映画として娯楽性や芸術性の高い作品が多く製作されました。黒澤明監督『わが青春に悔なし』(1946年)や木下恵介監督『お嬢さん乾杯!』(1949年)はその代表作です。
「(ワン)アイデア映画」とは違う
ちなみに、予測不能のプロットなど奇抜なアイデアが売りの映画を「(ワン)アイデア映画」と呼ぶことがありますが、歴史的映画用語としての「アイデア映画」とは無関係です。
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