映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』の基本情報
- 原題:Snake Eyes: G.I.Joe Origins
- 監督:ロバート・シュウェントケ
- 脚本:エヴァン・スピリオトポウロス
- キャスト:ヘンリー・ゴールディング、小路アンドリュー、平岳大
- 公開日:2021年7月23日
- 製作国:アメリカ
- 上映時間:2時間01分
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』はアクション映画「G.I.ジョー」シリーズに登場した忍者・スネークアイズのオリジンストーリーを描くスピンオフ作品です。
スネークアイズ役にはこれまで同役を務めたレイ・パークに代わってヘンリー・ゴールディングが起用されました。
スネークアイズの宿敵となるストーム・シャドー役は小路アンドリュー。その他、ハードマスター、ブラインドマスター、バロネス、スカーレットといったキャラクターもキャストを一新しています。
監督はSFアクション「ダイバージェント」シリーズで知られるロバート・シュウェントケ、脚本はリブート『チャーリーズ・エンジェル』(2019年)のエヴァン・スピリオトポウロスが務めました。
『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』究極予告 ー忍者大戦篇ー(90秒)
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G.I.ジョー、コブラとは
実写映画「G.I.ジョー」シリーズはハズプロが販売する同名の玩具シリーズのキャラクターを使ったミリタリーSFアクション。2009年からパラマウント・ピクチャーズが配給しています。
タイトルの「G.I.ジョー」とは世界各国のエリート兵士を集めた多国籍特殊部隊。世界征服をたくらむ悪の組織「コブラ」に対抗するため創設されました
コブラはテロに犯罪組織、兵器産業や武装集団まで加わって世界革命を起こすため中央の命令で行動する影の組織です。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』の登場人物・キャスト
あらすじに入る前に映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』の登場人物を簡単にご紹介します。見出しは「役の名前:俳優の名前」の順番です。
スネークアイズ:ヘンリー・ゴールディング
スネークアイズはG.I.ジョーのエージェントだった父親をコブラに殺されてから復讐のためだけに生きてきた青年です。
スネークアイズ役に今回抜擢されたヘンリー・ゴールディングはイングランド人とマレーシア人の混血の俳優。モデルです。ガイ・リッチー監督作品『ジェントルマン』では中国系マフィアを演じていました。
トミサブロウ・“トミー”・アラシカゲ/ストームシャドー:小路アンドリュー
トミーはアラシカゲ一族の頭領になることを約束された青年です。スネークアイズに命を助けられたことから彼を実の兄弟のように思っています。
トミー役を演じる小路アンドリューは日本人の父とイングランド人の母の間に生まれたイギリス人の俳優、武術家です。『ワイルド・スピード EURO MISSION』ではハンのスタントを務めています。
ケンタ:平岳大
ケンタはアラシカゲ一族から追放されてヤクザの首領になったトミーの従兄弟です。
アラシカゲ一族の頭領になるため「太陽の宝石」を手に入れようとするケンタは、同じく「太陽の宝石」を狙うコブラと手を結びました。
ケンタ役を務めた平岳大は日本のテレビや映画で活躍する俳優・平岳大。時代劇映画『蠢動 -しゅんどう-』では主人公・原田大八郎役で迫真の殺陣を見せています。
ハードマスター:イコ・ウワイス
ハードマスターはアラシカゲ一族の武術指南役です。
ブラインドマスター:ピーター・メンサー
ブラインドマスターはアラシカゲ一族の武術指南役です。
アナ・“ザ・バロネス”・デコブレイ(ルイス):ウルスラ・コルベロ
バロネスは「太陽の宝石」を手に入れようとしているコブラの女性エージェントです。
シャナ・“スカーレット”・オハラ:サマラ・ウィーヴィング
スカーレットはG.I.ジョーのエージェントでアラシカゲ一族との連絡係です。スカーレットは火器のエキスパートであるばかりでなく、格闘技にも秀でています。
アキコ:安部春香
アキコはアラシカゲ一族の保安主任です。本当の家族を知らないアキコはアラシカゲを自分の家族のように思っています。
身元のわからないスネークアイズのことを最初は警戒していますが、やがて彼の身の上を知って信頼するようになります。
アキコ役を演じる安部春香はイギリスのテレビを中心に活躍する1988年生まれ、東京都出身の女優です。
セン:石田えり
センはアラシカゲ一族の頭領で、トミーの祖母です。伝統を重んじる厳しい性格ですが試練に合格すれば外人でも採用する心の広さも持ち合わせています。
ブラインドマスターは年長の彼女のことを気遣っていますが、いざとなると鉄扇で敵を倒す力を持っています。
セン役を演じる石田えりは「釣りバカ日誌」シリーズや『金曜日の妻たちへ』で知られる日本の女優。映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は還暦を迎えた彼女のハリウッドアクションデビューです。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじ:1. スネークアイズの生い立ち
スネークアイズという名前の由来
アメリカ西部ワシントン州で20年前ある少年が父親を殺されて孤児となりました。この少年は父親の復讐をするため成長して才能ある武術の使い手となりファイト・クラブで稼いでいます。
自らの正体を隠すため、彼は父親が殺されたときの出来事から「スネークアイズ」と名乗っていました。
彼の父親を殺した男が、彼の父親の運命を決めるため、彼にサイコロをふらせます。2つのサイコロの目が両方とも1(蛇の目にたとえて「スネークアイズ」と呼ばれる組み合わせ)であったため、彼の父親は殺されました。
ケンタとトミーの抗争に巻き込まれるスネークアイズ
ある日、スネークアイズは、ケンタという有力なヤクザのボスから、自分のために働いたら彼の父親を殺した人物を見つけてやる、という申し出を受けます。
スネークアイズはケンタのオファーを受け入れ、彼のもとで働き始めました。
ある日、ケンタはスネークアイズの忠誠心を試すためトミーという男の処刑を命じます。
しかし、トミーの眼に誠実さを感じたスネークアイズは弾をわざと外して彼とともにケンタのところから脱出しました。トミーは彼を守って負傷したスネークアイズを自家用機で日本に連れて帰ります。
実はトミーとケンタはいとこ同士で600年以上続く忍者組織・アラシカゲ一族の頭領となるべき人物でした。
しかし、ケンタはトミーを殺させようとしたことが発覚して一族から追放されます。それ以来ケンタはヤクザとなって権力を得ようとしていたのです。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじ:2. アラシカゲ一族の城
スネークアイズ、アラシカゲ一族に入門する
スネークアイズに救われたことに恩を感じたトミーは、彼をアラシカゲ一族の城に連れて行きました。トミーはスネークアイズに忍者の修行をさせてアラシカゲ一族に加えようと言います。
トミーの祖母でアラシカゲ一族の頭領であるセンは外人に対して懐疑的ですが、スネークアイズが一族に加わるため3つの試練を課しました。
アラシカゲ一族の保安を取り仕切るアキコはスネークアイズの身元を調査しますが情報が一切ないので怪しいと思います。
最初の試練
最初の試練は水の入った椀を持ってハードマスターと戦い、椀から水をこぼさないで彼の手から椀を奪い取る、という課題です。
スネークアイズは力ずくで椀を奪おうとして何度も失敗します。しかし、最後に戦うことをやめ謙虚な姿勢でハードマスターに椀を渡してくれるよう頼んだことで、この試練に合格しました。
ケンタの陰謀
その夜遅く、スネークアイズはバイクを借りて東京の街に出かけます。彼が密かに出会った人物はケンタでした。
実はトミーとスネークアイズを逃したことは、彼をアラシカゲ一族内部に忍び込ませて秘宝「太陽の宝石」を盗ませるためのケンタの陰謀だったのです。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじ:3. 「太陽の宝石」を狙うコブラとケンタ
「太陽の宝石」とは
「太陽の宝石」はアラシカゲ一族の家宝である太陽の強力な力を秘めた宝石です。アラシカゲ一族は「太陽の宝石」を守り、その力を自分たちの利己的な目的のためには使わないことを誓っています。
トミーはスネークアイズに「モーニング・ライト」という刀を第1の試練に合格した祝いに贈りました。
ケンタとコブラのつながりが明らかに
やがてアラシカゲの城にケンタが新宿で武器の取引を行うという情報が入ります。トミー、アキコ、スネークアイズの3人は取引を阻止するため駆けつけました。
アキコとスネークアイズがケンタの手下と戦っている間、ケンタはトミーを一騎打ちで追い詰めます。しかし、スネークアイズが割って入ってケンタを追い払いました。
ケンタがコブラから武器を手に入れたことを知ったトミーたちはG.I.ジョーのエージェント・スカーレットとコンタクトを取りました。スカーレットはトミーが「太陽の宝石」を狙うコブラのエージェント・バロネスと繋がりがあると伝え、すぐに日本に来ると言います。
ケンタとバロネスはスネークアイズに彼の父親を殺した男の身柄を拘束していることを伝え、彼に協力することを強制します。
第2の試練
スネークアイズに課せられた2つ目の試練は、自らの弱さをさらけ出すことでした。
ブラインドマスターの導きで殺された父親の幻影と対面したスネークアイズ。命を救えなかったことを詫びるスネークアイズに対して、父親の幻影はスネークアイズが生き残ることだけが重要であったと言います。
アキコの信頼を得る
その夜、スネークアイズのことをずっと怪しいと思っていたアキコは彼の部屋で彼と対峙しました。スネークアイズは父親を殺されたとき自分や父親に関する情報がすべて嘘で塗り固められていたことを知ったと彼女に打ち明けます。
スネークアイズはアラシカゲの一員となることで過去のあやまちの償いをしたいと言ってアキコの信頼を得ました。
アキコは最後の試練に合格するためには心を空にするようにとアドバイスします。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじ:4. スネークアイズの裏切りと復讐
第3の試練
最後の試練は人間の心が純粋であるかどうか見破れる大蛇です。スネークアイズが隠し事をしているため、大蛇は彼に襲いかかりますが、アキコが彼の命を救います。
一族に問い詰められたスネークアイズは、自分が正直でなかったことを認めたものの、真の理由は隠し続け、一族から追放されます。
スネークアイズ、「太陽の宝石」を盗む
アラシカゲ一族の城に密かに戻ったスネークアイズは、聖堂から「太陽の宝石」を盗み出してケンタとバロネスに届けました。
ケンタはコブラのために「太陽の宝石」を盗んだことをスネークアイズに打ち明けます。コブラは、バロネスを通じてケンタがアラシカゲ一族の頭領の地位を奪うための武器を提供していたのです。
スネークアイズは「太陽の宝石」を奪った報酬として、彼の父親を殺した男の身柄を貰い受けます。この男はコブラのエージェントで父親を殺したのはコブラの命令であったことを知ったスネークアイズは、彼を殺さず逃してやります。
スネークアイズは彼を追ってきたトミーとアキコに「太陽の宝石」とコブラの武器を使ってケンタとその手下がアラシカゲ一族の城を攻撃することを知らせます。
映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじ:5. 忍者スネークアイズ誕生
ケンタとの決戦
トミーは自分たちを裏切ったスネークアイズに対する怒りを抑え、スネークアイズやスカーレットと力を合わせてケンタの攻撃から一族を守ることにしました。
ケンタがアラシカゲ一族の実権を握った後も「太陽の石」を手放すつもりがないことを知ったバロネスは、一時的にスカーレットと手を組むことにします。
激戦の末ケンタから「太陽の石」を奪い返したトミーは、怒りのあまりケンタを殺すのに「太陽の石」を使おうとしました。
このトミーの攻撃から逃げたケンタをスネークアイズは第3の試練に使われた大蛇のいる穴に落とします。ケンタの邪悪な心を見抜いた大蛇は彼を食べてしまいました。
復讐を捨てたスネークアイズの心は純粋なものであると見た大蛇は彼に危害を加えずねぐらに戻っていきます。
トミー追放
センはトミーが「太陽の宝石」を使わないという誓いを破ったため、一族の頭領としてふさわしくない、と言い渡しました。この言葉に怒り狂ったトミーはアラシカゲ一族と自分の家族を捨てて去っていきます。
スネークアイズ、G.I.ジョーに加わるか
スネークアイズはトミーを探し出して誤解を解き、アラシカゲ一族のところに連れ戻す旅に出ることにします。アキコはスネークアイズにアラシカゲ一族の忍者装束を贈りました。
スカーレットはスネークアイズに彼の父親がコブラに潜入したG.I.ジョーであったことを示すファイルを渡します。彼の父親が偽名を使って素性を隠していたのは、息子であるスネークアイズを守るためだったのです。
スカーレットはスネークアイズにいつでもG.I.ジョーとなる道が開かれていると言います。
しかし、トミーと決着をつけたいスネークアイズは忍者装束に身を包みバイクに乗って旅立つのでした。
ミッド=クレジット・シーン:トミーはコブラの忍者・ストーム・シャドーとなる
バロネスは、一族を捨てた後ストーム・シャドーと名乗っているトミーの自家用機のなかで、彼がコブラに加わる可能性をほのめかします。
スネークアイズが主役の映画、続編製作も決定!
この記事では映画『G.I.ジョー: 漆黒のスネークアイズ』のあらすじや登場人物をネタバレも含めてくわしく解説しました。
キャストを一新してスネークアイズのオリジンストーリーを描いたこの映画は、スピンオフという位置づけですが、「G.I.ジョー」シリーズのリブートとも言える作品です。
2020年5月、ジョー・シュラプネルとアンナ・ウォーターハウスが脚本を共同執筆し、ゴールディングがスネークアイズ役を務める続編が製作中であると報じられています。
スネークアイズがモダンな忍者アクションシリーズに成長していくか、続編も今から楽しみです。