映画『ブラック・ウィドウ』の作品情報
映画『ブラック・ウィドウ』は、「アベンジャーズ」シリーズなどマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品で長年活躍した、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウを単独の主役にした最初で最後の映画です。
MCUの時系列では、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の間。ソコヴィア協定に違反したブラック・ウィドウが追手を逃れて潜伏していた時期の出来事を描いた作品です。
- 原題:Black Widow
- 監督:ケイト・ショートランド
- 脚本:エリック・ピアソン
- キャスト:スカーレット・ヨハンソン、フローレンス・ピュー、デビッド・ハーバー、レイチェル・ワイズ
- 上映時間:2時間14分
- 製作国:アメリカ
映画『ブラック・ウィドウ』予告編
ビデオを再生するには2回クリックしてください。
映画『ブラック・ウィドウ』の主要登場人物
ここからは映画『ブラック・ウィドウ』の主な登場人物を表形式で簡単に紹介します。各項目は「役の名前(俳優の名前):役の簡単な説明」の順番です。
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン):元ロシアの暗殺者・ブラック・ウィドウ、S.H.I.E.L.D.のエージェントを経てアベンジャーズの一員となるも、ソコヴィア協定に違反したため追われている
- エレーナ/ブラック・ウィドウ(フローレンス・ピュー):ナターシャの妹で彼女と同じロシアの暗殺者・ ブラック・ウィドウ
- メリーナ/ブラック・ウィドウ(レイチェル・ワイズ):ナターシャとエレーナの母、ブラック・ウィドウ養成計画に関与する天才科学者
- アレクセイ/レッド・ガーディアン(デビッド・ハーバー):ナターシャとエレーナの父、キャプテン・アメリカの宿敵であるスーパー・ソルジャー
- ドレイコフ(レイ・ウィンストン):ブラック・ウィドウを養成する機関・レッドルームの最高責任者
- タスクマスター(オルガ・キュリレンコ):驚異のコピー能力で敵の技を駆使する正体不明のヴィラン、終盤でドレイコフの娘であることが明らかに
- サディアス・ロス(ウィリアム・ハート):アメリカ国務長官、もとはスーパーソルジャー計画を再開することを主導した米軍将官でブルース・バナー/ハルクの義父
- リック・メイソン(O・T・ファグベンル):ナターシャを支える友人、何でも調達できるフィクサー
映画『ブラック・ウィドウ』あらすじ1:すべての道はブダペストに通ず
1995年アメリカオハイオ州で子ども時代を過ごすナターシャとエレーナの姉妹は、アレクセイからアメリカ・オハイオ州の家を出なければならないと言われ、メリーナとともに飛行機でキューバに向かいます。着陸するとメリーナは瀕死の重傷を負っており、ナターシャとエレーナは軍服を着た男たちに連れ去られました。彼女たちはロシアのエリート暗殺者・ブラック・ウィドウを養成する機関に連れて行かれたのです。
それから21年後、アメリカ国務長官・ロスは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でキャプテン・アメリカに味方してソコヴィア協定に違反したヒーローたちを逮捕しますが、ナターシャは追手をまいて逃亡しました。
その頃モロッコで、エレーナがあるターゲットを襲撃したとき、エレーナはターゲットから赤いアンプルに入ったガスをかけられます。このガスでエレーナはブラック・ウィドウを養成する機関であるレッドルームで受けた洗脳から解放されます。エレーナのターゲットは、彼女に他のブラック・ウィドウたちを解放するよう頼んで事切れました。
残りのアンプルを持って逃げたエレーナには、レッドルームからタスクマスターが刺客として差し向けられました。
ナターシャはノルウェーの隠れ家で友人のフィクサー・メイソンから、逃亡用の偽名のパスポートや免許証と一緒にブタペストの隠れ家からの荷物を受け取ります。その夜、ナターシャはタスクマスターの爆発する矢で攻撃され格闘になりますが、ブタペストから送られてきたアンプルを持って逃亡します。
ブタペストからの小包の中味はアンプルと、子どものとき彼女とエレーナが一緒に写った写真でした。ナターシャはブダペストに飛びます。
ブタペストの隠れ家でナターシャはエレーナと再会。最初は戦っていた2人ですが、すぐに仲直りします。エレーナは、アンプルによってブラック・ウィドウの洗脳が解かれることを教えます。
ブダペストでクリント・バートン/ホークアイと一緒にレッドルームの責任者・ドレイコフを殺したはずだと言うナターシャ。しかし、ドレイコフは死んでいない、とエレーナは言うのです。
ブタペストの隠れ家でナターシャとエレーナは、他のブラック・ウィドウたちに襲撃されます。重傷を負ったブラック・ウィドウの1人は、「彼」によってコントロールされている、と言って自殺します。その後、ナターシャとエレーナは他のウィドウやタスクマスターに追跡されますがバイクと車で逃亡しました。
ブダペストでのナターシャのミッションのフラッシュバック。ナターシャはドレイコフを殺すためビルを爆破したとき、一緒に彼の小さな娘も爆発に巻き込んでいたのでした。
ナターシャとエレーナは、アンプルはメリーナのような昔のブラック・ウィドウが作ったものかもしれないと推測。アレクセイとメリーナは自分たちの実の父母ではなく、血のつながりもないという結論に達します。それでもナターシャとエレーナは協力してドレイコフを倒すことで意見が一致しました。
映画『ブラック・ウィドウ』あらすじ2:「家族」の再会
メイソンからナターシャたちは、アレクセイを救出するためヘリコプターを調達してもらいます。
アレクセイはロシアの刑務所に入れられていました。ナターシャはアレクセイに超小型通信機を密かに送り、脱獄するよう指示します。ナターシャとアレクセイが追ってきた看守と戦っているところに、ヘリコプターのエレーナが雪崩を起こして看守を撃退。雪崩に巻き込まれる前にナターシャとアレクセイを救出します。
ナターシャとエレーナはアレクセイにレッドルームの場所を教えるよう迫りますが、彼は知らない、と答えます。さらに死んだと思われていたメリーナはレッドルームのために働いていて、まだ生きている、と言うのです。
アレクセイの手引でナターシャたちは彼女の農場に行きました。そこでアレクセイはメリーナが保管していたレッド・ガーディアンのコスチュームを身にまといます。
メリーナはドレイコフが生き物をコントロールする手段を見つけ出したことを豚を使って示します。ドレイコフは世界中に彼のコントロール下にあるエージェントを送り込んでいたのです。
一緒に食事をしていたナターシャたちはやがて口論に。ナターシャは、自分たちは家族ではなかった、すべては嘘だった、と言います。これに対してエレーナは、自分にとっては本当の家族だった、と言って出て行きました。
そこでアレクセイはエレーナと、メリーナはナターシャとそれぞれ別々に話し合うことになります。
メリーナはナターシャに1人ではドレイコフに勝てないと忠告。本当の母親は誰かと尋ねるナターシャにメリーナは、ナターシャの母親はナターシャの居場所をしつこく探したので、ドレイコフに殺されたと言います。ナターシャはメリーナの本棚に、アメリカにいたときの家族のアルバムを見つけます。
メリーナは、レッドルームにナターシャたちのことを通報した、と告白しました。
エレーナは、アレクセイたちが彼女に残されたすべてであると打ち明けます。エレーナとアレクセイが、彼女が子どものときに好きだった歌「American Pie」を歌っていると、レッドルームの特殊部隊が突入してきてアレクセイを気絶させます。エレーナもブラック・ウィドウのコスチュームを着たメリーナによって捕まえられました。
アレクセイたちが目を覚ますと、そこは飛行機の中。レッドルームは空中の基地でナターシャたちを乗せた飛行機はそこに着陸します。
映画『ブラック・ウィドウ』あらすじ3:レッドルーム
メリーナはすぐにドレイコフと会います。エレーナは脳を切除されることにされ、アレクセイとナターシャは独房に隔離されました。
しかし、ドレイコフはメリーナがナターシャの変装であることを見抜きます。隔離されたナターシャは、実はメリーナで、彼女たちは協力してドレイコフを倒してレッドルームを着陸させる計画だったのです!アレクセイを解放して独房を脱出したメリーナは、さらにエレーナも脱出するよう指示します。
ドレイコフは、ブラック・ウィドウたちには「フェロモン・ロック」をかけてあるので、ナターシャが自分を傷つけることはできない、と言います。彼のフェロモンを感じると、ブラック・ウィドウたちはドレイコフを攻撃することができなくなる、と言うのです。
ナターシャはドレイコフに彼女の本当の母親は誰か教えるよう迫りますが、ドレイコフは知らないと答えます。
一方、タスクマスターの正体は、ナターシャがドレイコフの家を爆破したときに彼と一緒にいたドレイコフの娘・アントニアであることが明かされます。ドレイコフは彼女を自分の言いなりになる暗殺者に変えていたのです。
ドレイコフの指示でタスクマスターはアレクセイとメリーナのところに向かいます。レッド・ガーディアンになったアレクセイは、タスクマスターと一騎打ちで死闘を繰り広げることに。
一方、ドレイコフはナターシャを殴って、自分が世界中にエージェントを送り込んだことを自慢します。ナターシャは鼻の神経を切ることでフェロモン・ロックを回避してドレイコフに反撃。そこに他のブラック・ウィドウたちが参戦してきてナターシャは取り囲まれますが、エレーナがガスを使って彼女たちの洗脳を解きました。
映画『ブラック・ウィドウ』あらすじ4:レッドルーム崩壊
その間、メリーナがエンジンを爆破したため、レッドルームの空中分解がはじまります。アレクセイとメリーナは飛行機を使って脱出。
エレーナはドレイコフと手下が乗って逃げようとした飛行機のエンジンを爆破して、彼らを全滅させました。崩壊するレッドルームからナターシャ、エレーナ、タスクマスターの3人は空中に放り出されます。
空中でナターシャはエレーナにパラシュートを渡した後、タスクマスターと追撃戦を続行。地上でナターシャはタスクマスターにアンプルを打って彼女の洗脳も解きました。
映画『ブラック・ウィドウ』の結末1:血はつながっていなくても、本当の家族!
無事地上についたエレーナを見つけたナターシャは、4人は本当の家族のように感じられた、エレーナは本当の妹である、と彼女に打ち明けます。そこにアレクセイとメリーナや、解放されたブラック・ウィドウたちがやってきます。ナターシャは、ドレイコフのオフィスで入手した世界中のブラック・ウィドウたちのデータを渡して、彼女たちを解放してくれるようアレクセイたちに頼みました。
家族が再会したのもつかの間、ロス国務長官が率いる追手が迫ってきます。ナターシャに別れを告げたエレーナは、アレクセイ、メリーナや他のブラック・ウィドウたちと共に去っていきます。彼らは解放されたタスクマスターも一緒に連れていきました。
映画『ブラック・ウィドウ』の結末2:物語は「インフィニティ・ウォー」へとつながる
それから2週間後、ナターシャは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のときの金髪と衣装になっており、別れ際にエレーナからもらったベストを着ています。メイソンはナターシャのためにどこからかクインジェットを調達してきました。彼女はそれを使って捕まっているアベンジャーズのメンバーを脱獄させる、と言うのでした。
映画『ブラック・ウィドウ』の結末3:ポスト=クレジット・シーン
エレーナがナターシャの墓を訪れ、涙を流します。そこにはドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』に出てきたヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)もいます。
ヴァレンティーナはエレーナに、彼女の次のターゲットはナターシャの死の責任者・ホークアイである、と告げるのでした。
映画『ブラック・ウィドウ』カットされた結末のシーン
#BlackWidow deleted scene.
— Scarlett Johansson Fanpage (@ScarlettForum) August 10, 2021
This would have been a perfect ending. pic.twitter.com/bQp3GidTbV
2021年8月にツィッターでカットされた結末のシーンがリークされています。
このシーンは金髪のナターシャがオハイオの昔の家をバイクで訪れ、近くで遊んでいた少女の1人と目配せするというもの。ナターシャが子ども時代に立ち戻る感動的なシーンです。
未公開シーンやNGシーンは映画『ブラック・ウィドウ』のブルーレイに収録されています!
このシーンがカットされた理由は不明ですが、すでに公開されたバージョンで上映時間が2時間14分に達していることから、時間的な問題が考えられます。
映画『ブラック・ウィドウ』のあらすじ:まとめ
この記事では映画『ブラック・ウィドウ』のあらすじを結末までネタバレを含めて詳しく紹介しました。
全体として、MCUにおけるナターシャ・ロマノフの過去をわかりやすく整理して、ディズニー・プラスで配信予定のドラマ『ホークアイ』につなげる物語になっています。特に『アベンジャーズ』(2012年)以来謎であった「ブダペストで何があったのか」という疑問への答えをプロットの核心に使った点は見事でした。
にもかかわらず冗長な回想シーンなどでストーリー展開が滞るといったことはなく、最後まで息をつかせぬアクションで手に汗握る作品となっています。