ドイツ経済の現状 2020年8月

2020年8月14日金曜日

ドイツ 経済

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ヴォルフスブルク
ドイツ経済の現状について、ドイツ連邦経済エネルギー省の2020年8月の情報にもとづいて、多面的に紹介します。

ドイツ経済、8月の概況

7月の終わりに連邦統計局が出した数字によりますと、ドイツの第2四半期の国内総生産は10.1%という歴史的な減少を記録しました。 建設業をのぞくほとんどすべての経済部門で、生産活動が一部では大幅に落ち込んでいます。

一方、短時間労働の広範な導入により、雇用への影響はあまり見られませんでした。

5月から規制が段階的に緩和されたことで、ドイツ経済の回復プロセスが始まっています。工業は5月と6月に生産と販売を大幅に拡大。 6月の時点で、工業生産レベルは、パンデミックが発生する前の2019年第4四半期の87%に回復。サービス業の多くの部門でも景気回復が見られました。この結果第3四半期はやや良好なスタートを切っており、国内総生産が再び大幅に増加すると見られています。

今後の経済回復は、ドイツ内外の新型コロナウィルス流行の推移に大きく依存しています。一部の貿易相手国の経済は、依然として新型コロナウィルス流行の影響を大きく受けているからです。このため、5月と6月に見られた当初のより強力な回復の後、ドイツ経済の今後の回復プロセスは、ゆっくりとしか進行せず、長い時間がかかるものと見られます。

一方、企業は全般的に、自信を大きく取り戻しています。 7月のIfo景気調査によりますと、今後6か月間のマクロ経済ビジネスの期待は差し引きではプラスに転じており、2019年よりも好調です。

世界経済とドイツ:見通しは改善

世界経済を振り返りますと暗い数字が多いですが、主要指標は年が進むにつれて回復するものと見られます。 4月/ 5月の世界の工業生産は、前年同期比で約12%減。世界貿易は約17%も減少しました。

今年前半のコロナ不況の程度は、第2四半期の主要経済大国のGDPからも明らかです。ユーロ圏では、12.1%減、米国では9.5%減を記録しました。

しかし、下半期については、センチメント指標が前向きな兆候を示しています。 J.P.モーガン/ IHS Markitのグローバル工業購買マネージャー指数(PMI)は、7月は50.3ポイントと、1月以来初めて成長しきい値を上回りました。

世界経済の今後の発展は、新型コロナウィルス流行の経過と感染対策に大きく依存していますが、コロナ流行の影響は地域や国によって異なります。ロベルト・コッホ研究所によりますと、新型コロナウィルス流行の発端である中国は、現在低い症例数しか報告しておらず、第2四半期のGDP成長率も第1四半期と比較して11.5%と、すでに景気回復フェーズにあります。

一方、残念ながらコロナホットスポット(人口10万人あたり120件以上)に発展した国々も少なくありません。米国、南アフリカ、およびブラジルやアルゼンチンを含むラテンアメリカの一部がこれに該当します。さらにスペイン、ルーマニア、ハンガリーなどの南ヨーロッパと東ヨーロッパでも感染数の明らかな増加(同60〜119件)が、またロシア、インド、スウェーデン、イギリスでも少数ながら増加(20〜59ケース)が確認されています。

このため、ドイツ経済を取り巻く環境は、しばらく厳しい状態が続くでしょう。

ドイツの貿易、回復続く

6月もドイツの商品とサービス輸出の回復が続きました。前月比、季節調整済みで名目10.8%上昇しています。 すでに5月には、コロナ関連の不況の後、8.2%の大幅な増加を記録しました。

しかしながら第2四半期を通じてみると、21.2%の大幅な減少。回復が始まっているものの、商品とサービスの輸出レベルは、2月のコロナ危機が始まる前のレベルの約83%にすぎません。

商品やサービスの輸入は、危機以前のレベルから大幅に隔たっています。この原因は、6月の成長率が、季節調整済み名目値で前月比5.4%増と比較的低調であった(5月:+ 2.4%)ことにあります。四半期ごとの比較では、輸入は19.3%という前例のない下げ幅を記録しました。

しかしながら、貿易の主要指標はさらなる回復を示唆しています。 7月の製造業部門のifo輸出期待値は、1月以来初めてプラスの領域に戻りました。 6月の海外からの受注も回復を続け、季節調整済みで前月比22.0%と大幅な増加となりました。

これらの指標は、年が進むにつれ回復プロセスが続くことを示していますが、本格的回復には時間がかかるものと見られています。

ドイツの産業、景気回復が継続

5月から始まった製造業の生産回復は6月も力強く続きました。季節調整済みで、生産は8.9%上昇。工業では、+ 11.1%と成長が特に顕著でした。

これには5月と同様、自動車および自動車部品セグメントにおける54.7%の大幅増が大きく貢献しています。このセグメントでは、 4月に生産がほぼ停止していましたが、現在、コロナ流行前の、2019年第4四半期のレベルの80%にまで回復しています。

これまでコロナによる影響が少なかった建設業は、1.4%の増加を記録しました。

四半期ごとの比較では、4月のロックダウンの影響が目立ちます。第2四半期の製造業の生産は、前期比16.1%減少。工業では19.3%、建設では4.2%の減少でした。

著しく否定的な第2四半期の数値にもかかわらず、同期中に大幅な回復が見られたという事実も否定できません。

製造業部門の受注は、5月の10.4%のやや控えめな回復の後、6月は27.9%と前月に比べて大幅に回復しました。投資財の受注は45.7%と大幅に増加(自動車/自動車部品セクター:+ 66.5%)。中間財の増加も堅調(+ 10.6%)、消費財の増加は穏やかでした(+ 1.1%)。四半期ごとの比較では、主に非ユーロ圏(-30.7%)とユーロ圏(-26.2%)からの需要の低迷により、加工部門の受注が22.9%と明らかに減少しています。

6月の生産および受注に関するデータは、Ifoビジネス環境やPMIと同じく、産業経済の大幅な回復を示しています。7月のIfoおよびIHS Markit / BMEによる調査によりますと、企業は今後数か月でビジネスがさらに改善することを期待しています。

しかし、持続的に弱い外需と新型コロナウィルス流行の不可抗力を考慮すると、回復プロセスにはまだ時間がかかるでしょう。

ドイツの小売も著しく回復

5月以降、小売店の再開により、消費は大幅に回復しました。自動車を除く小売業は、オンラインや通信販売の急成長と回復需要によって、過去最高の売上を記録。 6月も同水準で推移しました。

形態別に見ますと店舗での売上は安定的に推移しましたが、オンラインや通信販売は過去2か月の力強い成長の後、8.6%減少しています。

自動車の販売は5月に3分の1(+ 34.5%)以上増加したものの、2月の売上高よりも22.3%低い結果です。しかし、7月の個人所有者による新車登録の急激な増加(+ 87.4%)は、回復プロセスが継続することを示しています。

7月の小売業のifoビジネス環境は大幅に改善しました。全体として、肯定的な見通しが多いです。 GfKの消費者環境はV字型の回復を続け、8月にはニュートラル領域に戻っています。

売上税の一時的な引き下げは、ほとんど消費者に還元され、7月の消費者物価に顕著な影響を及ぼしました。一般的な買い物のほぼ半分を占める商品の価格は、6月に比べて1.9%下落しています。対照的に、サービスの価格については、価格が変動するパッケージツアーを除いて、平均して変化が見られませんでした。

1年の物価動向を示すインフレ率は、前月の+ 0.9%からわずかにマイナス(-0.1%)へ下落。エネルギーの価格はマイナス6.7%。食品の価格上昇率(+1.2%)は3ポイント以上低下。 7月のコアインフレ率(エネルギーと食料品を除く)は0.6ポイント減少して+0.7%になりました。

ドイツの労働市場は安定

短時間労働の広範な導入と企業活動の再開により、雇用と失業は安定しています。雇用の季節調整値は4月/5月の2カ月合計で60万人減少した後、6月の減少は4万人にとどまりました。

しかし、求人や労働者の需要は依然として低調です。企業は、新規雇用よりも、従業員が通常の労働時間に戻ることを優先しています。5月の社会保障拠出の対象となる雇用は、季節調整済みで7万4,000人減少しました(4月:26万8,000人減)。

労働市場の改善は、短時間労働の推移にも見られます。短時間労働になった労働者数は、5月は670万人でしたが、6月には450万人まで減少すると連邦雇用庁は予想しており、さらに減少傾向にあります。

失業登録数は、短時間労働やその他の労働市場政策が奏功し、3カ月間で1万8,000人の急増を記録した後、7月には減少しました。失業者数は、元の数値によりますと、季節の傾向通り、わずかに増加して291万人。連邦雇用庁は、純粋にコロナによるこれまでの失業者数の増加は約63万5000人と見積もっていますが、コロナ危機による圧力は月ごとに減少しています。ドイツ労働市場・雇用研究所(IAB)、Ifo、連邦雇用庁の主要指標によると、労働市場の安定化は続くと思われます。

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