サウジアラムコ、ランクセスとの合弁会社アランセオの完全子会社化完了

2019年1月1日火曜日

ドイツ 経済

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サウジアラムコ、本社、ダーラン、サウジアラビア

サウジアラビア王国の国有石油会社サウジアラムコ(Saudi Aramco)は、ドイツ特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)との合弁会社アランセオ(Arlanxeo)のランクセス側50%の持分を取得し、完全子会社化を完了したと2018年12月31日に発表しました。ロイター通信が報道しています。なおアランセオの本社は完全子会社後もオランダ・マーストリヒトに留まるとのことです。

今回はランクセス側のアランセオ設立と売却の背景について考えてみたいと思います。


アランセオの時価総額は30億ユーロ。ランクセスは金融債務を削減予定

ランクセスの発表によりますと、合弁会社アランセオの時価総額は30億ユーロ(日本円約3703億円)。債務やその他の財務上の負債を控除した後、ランクセスは全保有株式50%の売却額の約14~16億ユーロをキャッシュで受け取る予定だそうです。ランクセスは、この売却で得た資金を、自社財務基盤の強化と総金融債務の削減に充てるとしています。

今回の売買契約は2018年8月8日に締結されており、その後関係各国の独占禁止法規制当局の承認手続きや、従業員代表者への情報提供と協議が行われていました。8月の時点で年末までの売却完了が見込まれており、全て予定通りに事が運んだものと見られます。


ランクセスCEOマティアス・ツァハト氏「ランクセスの事業革新における新たな里程標」

今回の事業売却について、ランクセス社CEOのマティアス・ツァハト氏は8月のプレスリリースによりますと次のように述べていました。

ランクセスは、今回の事業譲渡によって、新たに重要なマイルストーンとなる戦略的な事業変革を当初の予定より早期に完了させることができます。また、中規模の特殊化学品市場において、ランクセスのリーディングプレーヤーとしてのポジションをより強化することができ、同時に、一層の成長を目指し、事業のレジリエンスの構築、財務基盤の強化、さらに戦略上の柔軟性の向上を図ります


ランクセスのアランセオ設立・売却の背景

アランセオは2016年にサウジアラビア王国の国有石油会社サウジアラムコとドイツ特殊化学品メーカー、ランクセスが50%ずつ出資して設立した、合成ゴムの合弁会社です。本社をオランダ・マーストリヒトに置き、2017年度には売上高約32億ユーロを達成しました。世界9カ国20ヶ所の製造拠点で雇用する従業員は約3800名に上ります。高性能ゴムの開発・製造およびマーケティングを主な事業としており、取引先は自動車・タイヤ産業、建設業界、石油・ガス産業の多岐に及びます。

合弁会社アランセオの設立・売却はランクセスの事業再編の一環と考えて良いでしょう。同社は2016年に合弁会社アランセオを設立したときに、合成ゴム事業をアランセオに移管していました。その後ランクセスは特殊化学品の中規模市場での成長に傾注し、この分野でのさまざまな買収を進めてきました。特に2017年に米国ケムチュラ社を買収したことは、ランクセスにとってここ数年来最大の業績とされています。この買収によって世界有数の添加剤事業が誕生し、ランクセスは北米での存在感を大幅に拡大しました。アランセオ株の譲渡で得た資金を金融債務の削減に充てることは以前から予定されていたことと思われます。


参考リンク

Saudi Aramco buys remaining 50 percent of rubber joint venture from Lanxess
ランクセス、合弁会社アランセオの全保有株式50%をサウジアラムコ社に売却予定

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