映画『96時間』の作品情報
『96時間』は2008年に公開されたフランス・アメリカ製作のアクション・サスペンス映画。リーアム･ニーソン演じる元CIA工作員がフランス・パリで誘拐された娘を救い出すためにマフィアと戦う物語です。
タイトルの「96時間」とは誘拐された被害者が、ここを過ぎると見つけるのが不可能になるとされる時間。時間との闘いというストーリーはスピード感があり、テンポがよく観ていて飽きさせません。
製作・脚本は、『ニキータ』(1990年)、『レオン』(1994年)で知られるフランス・アクション映画の巨匠リュック・ベッソン。監督を務めたピエール・モレルも、ベッソンが製作した『トランスポーター』の撮影監督などを務めており、ベッソンとの相性は抜群です。
主演のリーアム・ニーソンは『シンドラーのリスト』(1993年)や『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)といった名作で知られるイギリスのスター。50歳を過ぎて体を張ったアクションに挑戦して、タフな男の新境地を開きました。
- 原題：Taken
- 監督：ピエール・モレル
- キャスト：リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン
- 公開年：2008年
- 上映時間：1時間33分
- 製作国：フランス、アメリカ
映画『96時間』予告編
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映画『96時間』のキャスト
ここでは映画『96時間』のメイン・キャストをご紹介します。各項目は「役の名前 / 俳優の名前：キャラクターの簡単な説明」の順番です。
- ブライアン・ミルズ/リーアム・ニーソン：陸軍特殊部隊(グリーンベレー)出身の元CIA工作員。娘・キムのためなら命も惜しまず何でもする
- キム・ミルズ/マギー・グレイス：ブライアンの17歳になったばかりの娘。今は母親の再婚相手と暮らしている
- レノーア・ミルズ＝セイント・ジョン/ファムケ・ヤンセン：ブライアンの元妻。ブライアンとの関係はまだ冷たい
- アマンダ/ケイティ・キャシディ：19歳になるキムの親友。キムよりは歳上なので男性に対しても積極的
- サム・ギルロイ/リーランド・オーサー：ブライアンのCIA時代の同僚で友人。情報解析が専門
- スチュアート・セイント・ジョン/：レノーアの再婚相手である大金持ち。ブライアンとも表向きは親しくしている
- ジャン=クロード・ピトレル/オリヴィエ・ラブルダン：ブライアンのCIA時代のフランスにおける同僚。現在は内務省の高級官僚
- マルコ・ホジャ/アーベン・バジラクタラジ：キムたちを誘拐したアルバニア系人身売買組織の首領
- シーラ/ホリー・バランス：ブライアンに命を救われた超人気歌手
映画『96時間』前半のあらすじ【ネタバレなし】
元CIA工作員のブライアンは仕事柄、偏執病に近いほど細部にこだわる慎重な性格の中年男性。娘・キムの17歳の誕生日に贈るカラオケマシンを選ぶにも取扱説明書をすべて読まなければ納得しないほどです。
さて、キムの17歳の誕生パーティにキムと彼女の母・レノーア(ブライアンの元妻)が住む大金持ちスチュアートの豪邸を訪れたブライアン。カラオケマシンをもらったキムは、彼に今でも歌手になる夢を捨てていないとこっそり教えてくれます。ブライアンが満足したのも束の間、スチュアートからの誕生日プレゼントである馬を見た彼女は、カラオケを置いて飛んでいってしまいました。
がっかりして帰ってきたブライアンを、CIA時代の同僚たちがバーベキューパーティで元気づけてくれます。その1人・サムはブライアンを人気歌手シーラの警護の仕事に誘ってくれました。
シーラのライブ当日、彼女はナイフを持った暴漢に襲われますが、陸軍特殊部隊(グリーンベレー)隊員でもあったブライアンはたちまち暴漢を撃退。感激したシーラは、歌手を目指しているキムのために、自分のボイストレーナーやマネージャを紹介してくれました。
そのうちキムから「カフェで会いたい」と連絡があります。未成年のキムは親友のアマンダとパリ旅行に行くのに実父であるブライアンのサインが必要なのでした。CIA時代の経験から若い女性だけの海外旅行に不安のあるブライアンですが、渋々ながら承諾のサインをします。結局ブラインはシーラからもらったボイストレーナーの連絡先をキムに渡すことはできませんでした。
大喜びのキムはアマンダとパリに出発。パリで空港から市内に行くタクシーに乗るため列に並んでいると、感じの良さそうな青年に声をかけられます。意気投合した彼女たちは彼とタクシーに相乗りして、パリの滞在先であるマンションの入口まで一緒にやって来てしまいます。彼女たちとパーティに行く約束をして別れた青年は、その後何者かと携帯で連絡をとっていました。
一方、アメリカでキムのことを心配していたブライアンはキムに電話をかけます。キムがバスルームでブライアンと話していると、中庭を挟んだ向かいの居間でアマンダが数人の男に誘拐されていきます。
恐怖に震えるキムを落ち着かせて、誘拐されるときに犯人の特徴を電話に叫べと冷静に指示するブライアン。ベッドの下に隠れたキムですが、やがて犯人の特徴を叫びながら誘拐されていきました。
電話の向こうに犯人の気配を感じたブライアンは娘たちをすぐ開放すれば許してやるが、そうでなければ必ず見つけ出して復讐すると警告。それに対して犯人は「グッド・ラック」とだけ言って電話を切ります。
スパイの7つ道具が詰まったスーツケースを持ったブライアンはスチュアート邸に駆けつけ、レノーアたちにキムが誘拐されたことを伝えます。CIA時代のノウハウのあるサムの分析で、犯人はアルバニア系の人身売買組織でリーダーはマルコという男であることが判明。彼らはヨーロッパ旅行中の女性を拉致して売春婦として売り飛ばしているのです！
キムを無事に見つけられるのは、誘拐から96時間の間だけ！ブライアンはスチュアートのプライベートジェットで直ちにパリに飛びました。
映画『96時間』後半のあらすじ【ネタバレあり】
キムたちが誘拐された現場のマンションに着いたブライアンは、キムの携帯電話を発見、そこに残された画像に写っていた青年をまず探します。ブライアンはその男を空港のタクシー乗り場で見つけますが、捕まえようとしたところで男はトラックに轢かれて死んでしまいました。
そこでブライアンはCIA時代のフランスの同僚・ジャン=クロードと会います。しかし、内務省国内監視部副部長に昇進していたジャン=クロードは協力を断ったばかりでなく、部下にブライアンの監視を命じました。
それにもかかわらず、人身売買組織が女性たちに売春をさせている現場に単身潜入したブライアンは、キムからジャケットを貰ったという女性を発見。彼女を救出したブライアンは、彼女から拉致されてきた女性たちが最初に集められる場所の手がかりを得ます。
その手がかりをもとに組織のアジトを特定したブライアンは、ジャン=クロードからもらった名刺を持ってそこを訪れます。人身売買組織を見逃す賄賂の値上げ交渉にやってきた警察の大物だと思わせて組織のトップに近づく計画です。
上納金の交渉がまとまったところでブライアンは、アルバニア語のある言葉を英語に訳してくれないかと言って紙切れを渡します。男の1人が「グッド・ラック」と答えたその声は、キムが誘拐されたとき電話の向こうから聞こえた声に間違いありませんでした。
すかさず正体を明かしたブライアンはアジトにいた一味を皆殺しに。しかしアジトにキムの姿はすでになく、薬漬けにされた彼女の親友・アマンダは薄汚い部屋で事切れていました。まだ男性を知らなかったキムは高く売れるためオークションに出品されることとなり、すでに別の場所に移送されたあとだったのです。
ここでジャン=クロードが人身売買組織に絡んでいたことを確信したブライアンは、彼の自宅を訪問します。そこでブライアンはジャン=クロードの妻の肩を撃って、ジャン=クロードからキムのオークションが行われる場所を聞き出しました。
オークション会場の豪邸に潜入したブライアンは、参加者の1人に拳銃を突きつけてキムを50万ユーロ(約6,600万円！)で落札させます。しかしキムを貰い受ける前に正体のバレたブライアンは主催者の手下に捕まってしまいました。
しかし、彼らを全滅させてオークションの主催者も殺したブライアンは、キムを落札したアラブの金持ち・ラマンのヨットをセーヌ川に沿って追跡、橋から船に飛び乗ります。
ヨットでラマンのボディガードをすべて倒したブライアンは、奥の間でキムにナイフを突きつけたラマンと対決。ラマンは命乞いの言葉を発する間もなく、ブライアンに頭を撃ち抜かれて殺されたのでした。
ブライアンに連れられて無事にアメリカに帰ったキム。ある日、ブライアンは彼女を知らない人の家に連れていきます。ドアを開けた家の主はブライアンが以前に救った歌手・シーラでした。驚きで声も出ないキムを、シーラはボイストレーナーの前で歌ってみるよう招き入れるのでした。
まとめ：映画『96時間』の感想評価
この記事では映画『96時間』のあらすじ、キャストなどをネタバレも含めて詳しく、わかりやすく紹介しました。
本作の緊張感の根源は娘を思う父親の一途な気持ちです。特に年頃の娘を持つ男性は、娘との距離を必死に埋めようとするブライアンの姿に共感する方が多いでしょう。
舞台となったパリの華やかな表の顔と汚い路地裏の対照的な描き方もフランス人ならではのもの。最終的に3部作となる「96時間」シリーズですが、リアルな雰囲気という点では第1作目である本作が他に抜きん出ています。リーアム・ニーソンの体を張ったアクションも本作が一番良く見られます。
一方、軽く派手なアクションでスカッとしたいという方は、どちらかというとシリーズ第3作目あたりから見始めるのがオススメです。
