映画『アナイアレイション –全滅領域-』の見どころ、あらすじを解説

2020年5月9日土曜日

SF

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『アナイアレイション - 全滅領域 -』


『アナイアレイション –全滅領域-』は2018年に公開されたアメリカ・イギリス製作のSF・アドベンチャー映画です。この記事では『アナイアレイション –全滅領域-』の見どころ、あらすじ、口コミなどを解説。さらに今すぐ『アナイアレイション –全滅領域-』が観られる動画配信サービスなどもご紹介します。

見どころ

『アナイアレイション –全滅領域-』予告編



『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマン主演のSFホラーアドベンチャー!

元兵士で現在は生物学者としてハーバードで教鞭をとるレナが、突然変異で出現したエリアXへの女性だけの調査隊に志願。エリアX内では、突然変異をとげた猛獣が次々に現れ、隊員たちは精神の平衡を失っていくことに……。

本作は『28日後...』(2002)や『わたしを離さないで』(2010)などの脚色を手がけたアレックス・ガーランドによる、『エクス・マキナ』(2015)に続く監督第2作です。

原作はアメリカ人の作家・ジェフ・ヴァンダミアのSFホラー小説『全滅領域』。原作は3部作の第1部ですが、映画は原作の大まかな設定だけを使った、ガーランド監督独自の世界です。

主演は『ブラック・スワン』以後、『高慢と偏見とゾンビ』でホラーにも出演するようになったナタリー・ポートマン。隊長のヴェントレス博士を演ずるのは、『ブルックリン最終出口』や『ルームメイト』などで知られる演技派女優・ジェニファー・ジェイソン・リーです。

【原題】Annihilation
【上映時間】1時間55分

あらすじ

アメリカ政府の秘密研究施設エリアX で、生物学者で元兵士のレナ(ナタリー・ポートマン)が、「シマー」からの唯一の生還者として尋問を受けています。「シマー」はその3年前に隕石が灯台の下に落下して出現した謎の領域で、その後じわじわと拡大を続けていたのです。

1年前、レナの夫・ケインは特殊部隊の一員として「シマー」の調査に参加しましたが、チームは音信不通に。ところがある日レナのもとにケインが突然姿をあらわします。レナは今までどうしていたのかケインを問い詰めますが、ケインはすぐに体調が悪くなり、レナは救急車を呼ぶことに。しかし病院へ向かう途中で、救急車は襲撃され、レナとケインはエリアXに連れて行かれます。

エリアXでレナは、心理学者のヴェントレス博士(ジェニファー・ジェイソン・リー)率いる女性だけの調査隊が「シマー」のなかに入る予定であることを知ります。夫の身に何が起きたのか、レナは真相を解明するため調査隊に志願。

「シマー」のなかで調査隊は、生態系が変化して生まれた美しく神秘的な景色を目撃することに。しかしそこには突然変異を遂げて生まれた危険な生物も待ち構えているのでした。レナが「シマー」のなかで最後に目にした想像を絶する光景とは!?

口コミ

ここではアマゾンに寄せられたコメントから、この映画をまだ見ていない人に役立ちそうなコメントをピックアップしています。

アレックス・ガーランド監督ということで自分の中でハードルを上げすぎたためか第一印象は微妙。ところが、映画鑑賞後にジェフ・ヴァンダミアの原作『全滅領域』を読むと、ほとんど映画とは別物の内容で、よくぞこの原作からここまでの脚本を作り上げたなと感心してしまい、逆にこの映画に対する評価が自身の中でじわじわと高くなりました。(中略)余韻を残す後半の展開は、ガーランド監督らしさを感じさせます。


原作とまったくことなる作品であるというコメントは、他にも多数見られました。原作通りに映像化したら、もっと地味な作品に終わったかもしれない、という意見も聞かれました。原作の3部作では映画には見られないキャラクターの背景も書かれていますから、一緒に読んでみると興味深いと思います。



単なるアドベンチャーSFではなく心理描写に重心を置いている点でポートマン嬢の起用は効果を上げておりますし、こちらも演技派のJ・J・リー女史のニュアンスに富んだ演技にも見応えがあります。それでいてモンスターSFとも言えるホラー的な描写も思いのほか豊富で、ちゃんと「怖い」作品にもなっているのが嬉しい。


本作ではサメのような歯が生えたワニを始めとする突然変異を遂げた猛獣もリアルに描写されています。ホラーのようなグロなシーンも短いですがリアルに作られています。ケインが仲間の隊員の腹を切り裂くと、内臓が生き物のように動いているシーンが怖い!ホラーとしても十分楽しめる作品です。

参考

Amazon.co.jp: アナイアレイション -全滅領域- (字幕版)

監督・脚本

  • 監督:アレックス・ガーランド
  • 脚本:アレックス・ガーランド
  • 原作:ジェフ・ヴァンダミア『全滅領域』


キャスト

カッコ内は日本語吹き替えの声優です。
  • レナ / ナタリー・ポートマン(坂本真綾): 生物学者
  • ヴェントレス博士 / ジェニファー・ジェイソン・リー(藤本喜久子): 心理学者
  • アニャ・ソレンセン / ジーナ・ロドリゲス(宮澤はるな): 救急医療隊員
  • ジョシー・ラデク / テッサ・トンプソン(木下紗華): 物理学者
  • キャス・シェパード / ツヴァ・ノヴォトニー(七緒はるひ): 人類学者 
  • ケイン / オスカー・アイザック(小松史法): レナの夫
  • ロマックス / ベネディクト・ウォン(板取政明)
  • ケイティ / ソノヤ・ミズノ: 医学生。ミズノは人型の生物も演じています。
  • ダニエル / デヴィッド・ジャーシー


トリビア

ここでは『アナイアレイション –全滅領域-』の製作にまつわるトリビアを紹介します。

意図的に原作から逸脱したガーランド監督

本作の製作が開始された時点で、ヴァンダミアの原作は3部作の第1部しか仕上がっていませんでした。このためガーランド監督は3部作であることはあまり意識しなかったそうです。

ガーランド監督の言葉によれば、本作の映像化は「原作の記憶」。監督は原作をもとに脚本を書くのでなく、原作を読んだときの体験から「夢に似た特質」を捉えようと意図したそうです。

このためガーランド監督は原作者のヴァンダミアから、ストーリーを独自に発展させる許可を得ています。製作途中で3部作の続きが完成して届けられても、ガーランド監督は自分のスクリプトを変更したくないので、目を通しませんでした。後で人から本の内容を聞いて、自分の映画と類似する点がいくつかあって驚いた、とガーランド監督は語っています。

不本意ながらもNetflixに救われた

原作の映画化権を購入したのはパラマウント映画です。ところがテスト試写会での反応が悪かったため、パラマウントはより幅広い観客にウケるように変更を要求。特にポートマンのキャラクターをもっと親しみやすくして結末を変えるように求めてきました。

これに反発したガーランド監督に、プロデューサーのスコット・ルーディンも同調。そのうちパラマウント映画の経営陣が入れ替わり、同社は本作のアメリカと中国以外の国における配給権を、Netflixに売却しました。

ガーランド監督は、「この作品は映画館向けに作ったのですが」と語り、デジタル配信が映画館での上映と重なることに、不満を示したそうです。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と並行して進められた撮影

ケイン役のオスカー・アイザックは、スタジオ内で隣接する場所で行われている『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の撮影にも出演していました。このため彼は同じ日に、同じトレーラーから2つの映画の撮影に向かうこともあったそうです。

参考

Annihilation (2018) - IMDB

印象に残ったセリフ

Then, as a psychologist, I think you're confusing suicide with self-destruction. Almost none of us commit suicide, and almost all of us self-destruct. In some way, in some part of our lives. We drink, or we smoke, we destabilize the good job... and a happy marriage. But these aren't decisions, they're... they're impulses.


「これは心理学者としての意見だけど、あなたは自殺と自己破壊を混同しているわ。ほとんどの人は、自殺はしないけれど、自己破壊はよくやるのよ。自己破壊をする方法や、どの人生の段階でやるかはさまざまだけれど。飲酒、喫煙とか、よい働き口をやめるとか、それと幸せな結婚生活にひびを入れるとかね。でもそれは決断ではなくて、衝動なのよ。」

ヴェントレス博士が、生還の可能性のわからない「シマー」の調査にケインがなぜ参加したのかを尋ねたことに対する、レナへの返事のセリフです。

レナの同僚との浮気や、それを知ったことが、ケインが調査に志願する原因であったことを示唆しています。

SF、ホラーが好きな人にオススメ!

『アナイアレイション –全滅領域-』は、ホラーが好きな人も楽しめるSF・アドベンチャー映画です。

心理的な描写に重点が置かれていますが、ホラー的な描写も思いのほか豊富。ホラーが好きな人も十分楽しめる内容と言えます。

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